著者
目代 邦康 千木良 雅弘
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
地理学評論 (ISSN:13479555)
巻号頁・発行日
vol.77, no.2, pp.55-76, 2004-02-01 (Released:2008-12-25)
参考文献数
82
被引用文献数
9 10

赤石山脈南部の大谷崩から山伏にかけて,幅の広い緩斜面を頂部に持つ山稜が分布する.これらの山稜最上部には比高10m以上の凹地(山上凹地)があり,その下方には比高数m程度の山向きの小さな崖(山向き小崖)が発達する.この地域には瀬戸川帯のスレートが分布し,その壁開の走向は上記の凹地と小崖の伸びの方向と大略平行である.これらの凹地・小崖地形は,山体を構成する岩盤が斜面下方に倒れかかった結果形成された重力変形地形であると推定できる.崖頂部の丸みの程度,凹地内堆積物の層相とテフラが示す変形時期,山上凹地・山向き小崖の配列と分岐パターンは,山体の変形が,山体上部から下部へと進行し,かつ地層の走向方向から等高線に沿う方向へと進行したことを示している.稜線付近にある上位の山向き小崖は,少なくとも2万年前には存在しており,下位の山向き小崖は約1万年前に形成されたと考えられた.

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【地理学評論掲載論文】目代邦康・千木良雅弘 2004.赤石山脈南部,大谷崩から山伏にかけての山体重力変形地形,地理学評論77,55-76.https://t.co/hbSw0Snm3H

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