著者
松元 健二
出版者
一般社団法人 日本高次脳機能障害学会
雑誌
高次脳機能研究 (旧 失語症研究) (ISSN:13484818)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.165-174, 2014-06-30 (Released:2015-07-02)
参考文献数
28
被引用文献数
2

内発的に動機づけられていた課題に対して,成績に応じた外的金銭報酬を付加すると,内発的動機は低下する(アンダーマイニング効果)。内発的に動機づけられて課題を行っているときは,外的金銭報酬がなくても,課題開始の合図に対して前頭前野外側部が反応し,課題をうまくこなすことができただけで線条体が反応したが,アンダーマイニング効果によって内発的動機が低下すると,課題開始の合図に対する前頭前野外側部の反応も,課題をうまくこなすことができたときの線条体の反応も,外的金銭報酬なしには見られなくなった。課題で用いる道具を指定されたときと自分で選んだときとでは,後者を人は好み,課題成績も高い。指定されたときは,課題に失敗すると前頭前野腹内側部の活動が顕著に下がったが,自分で選んだときにはそのような活動低下は見られなかった。これらの結果は,内発的動機づけとその変動には,前頭前野の外側部と腹内側部そして線条体が重要な役割を果たしていることを示唆している。

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「アンダーマイニング効果」 / 1件のコメント https://t.co/ZoqbPUn71J “https://t.co/cy1rAQtwST” https://t.co/6crxEsTwYz
「アンダーマイニング効果」 / 1件のコメント https://t.co/ZoqbPUn71J “https://t.co/cy1rAQtwST” https://t.co/6crxEsTwYz
やる気の脳内ネットワークとか、この論文?おもしろそう。 読んでみよう。 やる気と脳 ─価値と動機づけの脳機能イメージング https://t.co/DLzVkSEqPK
アンダーマイニング効果をググってちら見したけど 「外的報酬のために課題をやらされている」といった,「自己決定の喪失感」を持つことが,アンダーマイニング効果の生起に重要であることを示唆している この文興味深い マズローの欲求5段階と合わせると面白いことができそう https://t.co/p8TNNlHOi9 https://t.co/hDO3ZJvfB3
意欲が高い人はリハビリも進んで、ADLが高くなるのはだいたいイメージできる 「この患者さん、意欲無いな」と患者さん性格で変えられないものと決めつけてしまうのは、もったいない 意欲は環境によってかなり変化する やる気と脳 ─価値と動機づけの脳機能イメージング https://t.co/OYdNlRYypX
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