著者
田中 幹人 石橋 真帆 于 海春 林 東佑 楊 鯤昊 関谷 直也 鳥海 不二夫 吉田 光男
出版者
公益財団法人 医療科学研究所
雑誌
医療と社会 (ISSN:09169202)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.71-82, 2022-04-28 (Released:2022-05-26)
参考文献数
27
被引用文献数
1

新興感染症であるCOVID-19に対処する中では,日々更新されるリスク知識を社会で共有し,また政策から個々人のレベルに至るまでリスクを判断していく必要があった。このリスク情報の流通と議論の場となってきたのは,もちろんメディアである。本稿では,我々の研究結果を基に,まず情報の送り手である新聞報道の傾向を振り返り,また情報の受け手である日本のメディア聴衆の相対的リスク観を把握する。そのうえで,ソーシャルメディアを含むオンラインメディア上でのコミュニケーションの成功例,失敗例を確認し,そこから教訓を得る。更にマス/オンラインメディアが複雑に絡み合う中で,COVID-19禍を通じて明らかになった感染者差別,ナショナリズム,懐疑論や隠謀論といった問題を確認したうえで,コミュニューション研究の知見を踏まえて,リスクのより良い社会共有に向けた方針を提示することを目指す。COVID-19という災害は,新興感染症として私達の医療・社会制度の刷新を求めているのみならず,コミュニケーションを通じたリスク対応のあり方についても大きな変革を求めているのである。

言及状況

外部データベース (DOI)

はてなブックマーク (1 users, 1 posts)

Twitter (8 users, 9 posts, 9 favorites)

田中 幹人 + etal (2022) "COVID-19をめぐるメディア・コミュニケーションとその課題" _医療と社会_ 32(1):71-82 ISSN:09169202 CRID=1390292240167103232 / “COVID-19をめぐるメディア・コミュニケーションとその課題” https://t.co/0z3u5m4TXB
@saekocat @aoikamo69 適切に探せばあるよ。 https://t.co/giCrbxeFlM こういう知見を束ねて、貴方の論拠を強めてください。
https://t.co/cZtzI2jzMW フリー論文で新型コロナウイルスとメディアについて検討された面白いのがあった。 クラスター解析で明らかになったTwitterアカウントのワクチン懐疑/推奨の傾向変化とか、情報の受容とナショナリズムの関連など。
J-STAGE Articles - COVID-19をめぐるメディア・コミュニケーションとその課題 https://t.co/2nXmwGaKqf
携わっているプロジェクト「現代メディア空間におけるELSI構築と専門知の介入」の現時点でのサマリーです。 / COVID-19をめぐるメディア・コミュニケーションとその課題 (2022) https://t.co/fBPbBUZEAv

収集済み URL リスト