著者
細野 衛 佐瀬 隆
出版者
日本第四紀学会
雑誌
第四紀研究 (ISSN:04182642)
巻号頁・発行日
vol.54, no.5, pp.323-339, 2015-10-01 (Released:2015-12-19)
参考文献数
91
被引用文献数
5

黒ボク土層はテフラ物質を主体とした無機質素材を母材として,湿潤かつ冷温・温暖な気候と草原的植生下で生成してきた土壌である.酸素同位体ステージ(MIS)3以降の黒ボク土層の生成史には人為生態系の観点から2つの画期が認められる.最初の画期(黒ボク土層画期I)はMIS 3後半,後期旧石器時代初頭における“突発的な遺跡の増加期”に連動し,後の画期(黒ボク土層画期II)はMIS1初頭の急激な湿潤温暖化により人類活動が活性化した縄文時代の始まりと連動する.いずれの画期も草原的植生の出現拡大にヒトが深く関わったと考えられるので,黒ボク土層は人為生態系のもとで分布を拡大してきたといえる.

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探したらこういうのがあった 日本における黒ボク土層形成のためには草原の状態が長く続く必要があるが、日本で自然に任せると普通は森林になるので人為的な作用があったのだろう、という話 黒ボク土層の生成史:人為生態系の観点からの試論 - J-Stage https://t.co/PppEkzscEA
■「クロボク土」について >.....(黒ボク土層画期II)は.....急激な湿潤温暖化により人類活動が活性化した縄文時代の始まりと連動する.いずれの画期も草原的植生の出現拡大にヒトが深く関わったと考えられるので,黒ボク土層は人為生態系のもとで分布を拡大してきたといえる https://t.co/Uiur2y8ceu
宮田層までを切込み立川ローム層及び顕著な黒ボク土層で埋積されている埋没谷(2017.9.24/横須賀市林五丁目) 黒ボク土層について 黒ボク土の成因に関する新しい説(山野井徹) https://t.co/en6N0swYwW 黒ボク土層の生成史:人為生態系の観点からの試論(細野衛・佐瀬隆/2015) https://t.co/gGXTPSYUFn https://t.co/qJMRhr7rjm
https://t.co/SVvpuVwqC7 おもしろかった(小学生並の感想)
黒ボク土層の生成史:人為生態系の観点からの試論。細野・佐瀬 2015(日本語論文、オープンアクセス)https://t.co/rHrRZkHIfy 黒ボク土は草原などの半自然生態系と深い関わりを持つことがわかっています。この論文では、そうした視点から黒ボク土の生成史を解説しています。
2 2 https://t.co/L3z9SG0YHw

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