著者
中山 哲夫
出版者
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
雑誌
日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.115, no.6, pp.605-611, 2012 (Released:2012-09-06)
参考文献数
14

感染症対策にワクチンの果たしてきた役割は大きく, ワクチンで予防できる疾患はワクチンで予防する基本的な方針で欧米は積極的にワクチン政策をすすめてきた. 一方, わが国では種痘禍, ジフテリア・百日咳・破傷風 (DPT) の事故, 麻疹・風疹・ムンプス (MMR) スキャンダルと予防接種に関する訴訟が続き積極的な予防接種政策を執ることができなかった. ワクチンメーカーも新規ワクチン開発や外国からの導入もなく空白の十数年が経過し, その間欧米においては1990年代にはインフルエンザ桿菌ワクチン (Hib), 結合型肺炎球菌ワクチン (PCV) が開発され日本発の無細胞型百日咳ワクチン (DTaP) をベ-スに多価ワクチンの開発と積極的に予防接種政策を推し進めてきた. ワクチンの品目, 制度の違いからワクチンで予防できる疾患 (vaccine preventable diseases: VPD) の流行が制圧できずワクチンギャップとして問題視されてきた. 最近になって2008年にはインフルエンザ桿菌ワクチン (Hib), そして2010年春から小児用の結合型肺炎球菌ワクチンが使用できる様になった. わが国の予防接種政策が立ち遅れた原因は何か, そしてこれからの予防接種対策について考えてみたい.

言及状況

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こんな論文がありました。https://t.co/XpP7dQyomZ https://t.co/NESBwlfSa3
そもそも日本発で世界に先駆けて開発されたワクチンなんてあるのかな? https://t.co/MOUl2rKEl4
https://t.co/UwNf5JdbJV
2012年 https://t.co/wc4ECZglkX
麻疹の流行,百日咳の大学キャンパスでの流行,2009年H1N1パンデミックと毎年感染症は世間を震撼させ,感染症に対するワクチンへの期待は高まっている こうした古くからある感染症に対してワクチンが開発されてきたが,ワクチンで制御できた感染症は天然痘だけである https://t.co/ZUPoApI5d0
@somebodyssin 一斉でなくなったのは、インフルエンザ・ワクチンですね。ワクチン行政の変遷は、中山 (2012) 「わが国のワクチン行政の現状と問題点」https://t.co/qdLyICRaW9 の表1がまとまっています。 https://t.co/ShotWj5392

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