著者
吉野 俊彦
出版者
一般社団法人 日本行動分析学会
雑誌
行動分析学研究 (ISSN:09138013)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.108-118, 2015-02-25 (Released:2017-06-28)

弱化(罰)は、直接に反応抑制をもたらす行動随伴性である。行動の直後の環境変化によって将来的なその行動の生起頻度が下がることと定義される。副次的な作用があっても、体罰であっても、どんな手続きであれこの定義を満たせば弱化である。けれども、反応抑制を確実にもたらすためにはさまざまな厳密な条件統制が必要である。また、直接に反応を抑制する効果をもつと同時に、弱化、特に嫌子出現による弱化は、さまざまな望ましくない副次的な効果を伴う。体罰は、社会的な場面で使用されて効果がある手段であると間違って認識されることがある。弱化の効果とは別に、体罰の使用行動自体は、ほかの要因、セルフコントロールやルール支配行動などとの関連を考慮する必要がある。体罰は問題行動の抑制を目的とした場合であっても、ほかのより問題の少ない手段もあるため、使用されるべきではない。弱化は、適用する際に第一に選択されるべきものではなく、反応抑制をもたらす手続きでありながら反応抑制を目的とした手続きとしては使うべきでないという自己矛盾をはらんでいると考えられる。

言及状況

外部データベース (DOI)

はてなブックマーク (1 users, 1 posts)

「弱化の直接的な抑制効果を確実なものにするための14の条件」

Twitter (111 users, 116 posts, 81 favorites)

体罰による望ましくない副次的な効果についてはこちら https://t.co/fbvu0vZ44o 体罰に代わる「ポジティブな行動支援」についてはこちら https://t.co/41xx2hr0vr https://t.co/3Xaf7ekgwb どれも先の声明内で挙げられているもので、少し前のものなので、今はもっと研究が進んでいると思う。参考まで。
当該論文はこちら。 吉野(2015)https://t.co/pw1WJRaBhe 平澤(2015) https://t.co/0a92dnDWsS 大久保(2015) https://t.co/ueZ9SSLf78 https://t.co/E0xnSqWLPz https://t.co/0TsX9nvJki
こういうのなんですけど。 https://t.co/aXSBhp9Zhx
吉野俊彦. (2015). 反応抑制手続きとしての弱化: 自己矛盾の行動随伴性. 行動分析学研究, 29(2), 108–118. https://t.co/RVEa9kqgRc
弱化(体罰とかの、罰)は、「適用する際に第一に選択されるべきものではなく、反応抑制をもたらす手続きでありながら反応抑制を目的とした手続きとしては使うべきでない」 吉野(2015). 反応抑制手続きとしての 弱化一 自己矛盾の行動随伴性 一. 行動分析学研究 第29巻 第2号 https://t.co/8zxab3UUcv
所感:吉野俊彦. (2015). 反応抑制手続きとしての弱化 : 自己矛盾の行動随伴性. 行動分析学研究, 29(2), 108–118. https://t.co/RVEa9kqgRc
吉野俊彦(2015)反応抑制手続きとしての弱化 : 自己矛盾の行動随伴性https://t.co/Br7eAvV1Id
体罰による望ましくない副次的な効果についてはこちらを https://t.co/DJ8IivR93u 体罰に代わる「ポジティブな行動支援」についてはこちらを https://t.co/TaouyBpAnb https://t.co/3owThOEnW6 ご参考までに。

収集済み URL リスト