著者
高砂 美樹
出版者
一般社団法人 日本行動分析学会
雑誌
行動分析学研究 (ISSN:09138013)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.128-134, 2019-02-10 (Released:2020-02-10)
参考文献数
16

John B. Watsonの条件性情動反応の研究(Watson & Rayner, 1920)に出てくるAlbert B.として知られるLittle Albertは本当は誰だったのだろうか。この9か月齢の子どものことは心理学史ではよく知られてきたが、Albertは実験の後に生後ずっと暮らしていた大学病院から連れていかれ、その後どうなったかについては何の手掛かりもなかった。近年になって、Beck et al. (2009)は、Little Albertは実際にはDouglas Merritteという名前の子どもで、1922年に水頭症を患い、1925年に亡くなっていると主張した。さらに2012年の研究でBeckのグループはAlbertの神経学的障害の徴候を見落としていたと報告し、もしそれが事実であったならばWatsonがこの子どもを虐待していたことになることを示唆した。しかしながら、2014年になると、もう一つのグループの心理学者らがAlbert Bargerという別の子どもをより適切なAlbert B.の候補として同定した。本論ではLittle Albertを探す一連の論争について概観する。

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外部データベース (DOI)

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Japanese Journal of Behavior Analysis 2019, Vol. 33, No. 2, 128–134解 説 心理学史における Little Albert をめぐる謎 東京国際大学 高砂美樹 https://t.co/ZjNBdz2Llz
J-STAGE Articles - 心理学史におけるLittle Albertをめぐる謎 https://t.co/HrPU4NzZIO
先日のセミナーを受講して,改めて読み直してみました。来年度の講義に向けて参考にさせていただきます。 高砂 美樹 (2019). 心理学史におけるLittle Albertをめぐる謎 行動分析学研究,33(2),128–134. https://t.co/TSn7Msa0NM
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Little Albertについては https://t.co/cpyMVN7Xkm こちらも併せてお読みください。

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