著者
田邉 和彦
出版者
一般社団法人 日本教育学会
雑誌
教育学研究 (ISSN:03873161)
巻号頁・発行日
vol.90, no.2, pp.285-297, 2023 (Released:2023-09-02)
参考文献数
27

本研究では、中学生の抱く文理意識を、学業的自己概念の一つとして位置づけて、学業仮説、選好仮説、ステレオタイプ仮説の3つの見方から、ジェンダー差が生じる理由を検討した。質問紙調査の計量分析によって仮説を検証した結果、学業仮説は十分な説得力を持たず、選好仮説は部分的に支持され、ステレオタイプ仮説は支持された。本研究の結果は、「男子の方が理系に向いている」のような文化的信念を無効化し、女子中学生が理系科目に対して好意的な態度を示しやすくなれば、「理系」の女子が増加する可能性を示唆している。

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田邉先生の論文(https://t.co/12oeYYAJbY)や河野先生の「教育社会とジェンダー」にそのあたりのことがまとめられている。 あと、高校段階の女子のPISA数学平均点、他国の男子平均点よりめちゃ高いのに、能力ないって切り捨てるのは人的資源をムダにしている。私は本当にもったいないと思う。
ちなみに渡したのは田邉(2023)「なぜ女子中学生は自分を「理系」と評価しにくいのか:文理意識の性別間分化メカニズム」『教育学研究』90 巻 2 号 p. 285-297。(https://t.co/fTPsgBtR6K)
#ss954 ここで仮定や問題として扱われてるのは、社会に無意識にでもあるかもしれないステレオタイプやバリアの存在についてなのですよね。それの再生産にならないようにするためには努力や意識的な動きが必要なので。 https://t.co/bSzCMZD5Sf | https://t.co/TiK0hma7h9 https://t.co/4dxZDo237x

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