著者
小沼 明弘 大久保 悟
出版者
一般社団法人 日本生態学会
雑誌
日本生態学会誌 (ISSN:00215007)
巻号頁・発行日
vol.65, no.3, pp.217-226, 2015-11-30 (Released:2017-05-23)
参考文献数
28
被引用文献数
1

多くの植物は繁殖のための花粉の授受粉を動物による送粉に依存しており、農作物もまた例外では無い。近年、世界的なハナバチ類の減少による農業生産への悪影響が懸念される中で、送粉サービスが農業に対して提供する経済的価値への関心が高まっている。しかしながら、我が国においては、これまでセイヨウミツバチやマルハナバチのような飼養された送粉昆虫による送粉サービスの経済性評価のみで、野生送粉者による貢献は評価されていなかった。そこで我々は、飼養された送粉者と野生送粉者の両方を含む、我が国の農業分野に対する送粉サービス全体の推計を試みた。その結果、2013年時点の日本における送粉サービスの総額は約4700億円であり、これは日本の耕種農業産出額の8.3%に相当する。その内訳は、約1000億円がセイヨウミツバチ、53億円がマルハナバチそして3300億円の送粉サービスが野生送粉者によって提供されていた。送粉サービスへの依存度は作目毎に異なっているが、サービスへの依存度が高く産出額が大きいのはバラ科の果実、ウリ科およびナス科の果菜類であった。また、送粉サービスに対する依存度には地域的な偏りがあり、自治体毎に大きく異なっていた。最も依存度が高い県は耕種農業産出額の27%を送粉サービスに依存していた。我が国の農業全体を長期的に見た場合、送粉サービスへの依存度は増加する傾向にあり、その理由としてコメの生産額の減少と他作目への生産のシフトが考えられた。現在のような社会経済的な状況が継続した場合、我が国農業の送粉サービスへの依存度が今後も漸増することが示唆される。

言及状況

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この場合、昆虫が特定の種でないこと(たまたまその年、特定の花粉媒介者が少なくても安定した花粉媒介が期待できる)ことも重要ですね。 「約1000億円がセイヨウミツバチ、53億円がマルハナバチそして3300億円の送粉サービスが野生送粉者によって提供されていた。」 https://t.co/g0b6GP51zc https://t.co/WKtZG9u0aq
日本における送粉サービスの価値評価 >2013年時点の日本における送粉サービスの総額は約4700億円であり/~/日本の耕種農業産出額の8.3%相当.内訳は,約1000億円がセイヨウミツバチ,53億円がマルハナバチそして3300億円の送粉サービスが野生送粉者によって提供されていた https://t.co/zZCr2N4ny6
@mmgrfv 引用先のスレッドはご覧になられていますか? また貴方が想定している“使い方を誤れば大変なことになる代物”は、使い方を間違えば年間数千億円相当の損失が発生するものでしょうか?これは別種の例ですが(https://t.co/zZCr2N4ny6)つまるところ絶滅とは公害なのですよ https://t.co/ECE6G6LtnN
@0628samuraifox @sharenewsjapan1 例えば別種ですがこちら(https://t.co/zZCr2N4ny6)の研究報告によりますと、たった2種が絶滅するだけで年数千億円規模の経済的損失が発生します。絶滅という不可逆的な公害は可能な限り防がなければ人間は生存し続けられません。 https://t.co/6wyjL6ylFo
@telukos1 @PRTIMES_JP 件の毒餌は全てのスズメバチが危機に晒されるのは勿論、ミツバチ忌避剤含有というだけなので蜜や樹液に集まるような生物全てが毒殺対象になります。別種ですがこちらの研究報告によると、たった2種が絶滅するだけでも数千億円相当の損害となるわけですが、それでもですか?https://t.co/zZCr2N4ny6
@yamadataro43 @afpbbcom 日本における送粉サービスの価値評価 実地範囲:日本 調査対象種:主にセイヨウミツバチとマルハナバチの2種 https://t.co/E9j7W27Iqi
.@dirittok さんのコメント「日本における送粉サービスの価値評価 実地範囲:日本 調査対象種:主にセイヨウミツバチとマルハナバチの2種 https://t.co/HgxeVU1O78」にいいね!しました。 https://t.co/GDC1qaJWrs
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@DahliaOsaka 比較的影響の軽い薬剤を使うことになるでしょうね。 日本における送粉サービスの価値評価 実地範囲:日本 調査対象種:主にセイヨウミツバチとマルハナバチの2種 https://t.co/zZCr2N4ny6
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@gingabeida @dirittok 作業中であまり手が避けないのですが、web上で検索出来るだけでも多くの方が危機感を持って研究なさっておられますね。 日本における送粉サービスの価値評価 実地範囲:日本 調査対象種:主にセイヨウミツバチとマルハナバチの2種 https://t.co/1P55DGPYUY
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