著者
中村 大輝 松浦 拓也
出版者
一般社団法人 日本理科教育学会
雑誌
理科教育学研究 (ISSN:13452614)
巻号頁・発行日
vol.58, no.3, pp.279-292, 2018-03-19 (Released:2018-04-06)
参考文献数
47
被引用文献数
8

理科における問題解決や探究の入り口として, 学習者自身に仮説を立てさせることの重要性が指摘されている。一方, 仮説設定に関する先行研究においては, 学習者が仮説を設定する際の思考過程の実態が明らかにされてこなかった。そこで本研究では, 仮説設定を求める調査問題を6問作成するとともに, 大学生・大学院生を対象とした面接調査を実施した。結果の分析に際しては, まず, 発話プロトコルから思考過程を推定し, その内容によって6つのカテゴリーに分類した。次に, それらのカテゴリー間の推移を集計し, 仮説設定には共通した思考過程が存在することを明らかにした。また, 思考過程の合理性を得点化し, 思考過程との関係性を検討した結果, 変数の同定過程においては複数の変数の吟味が, 因果関係の認識過程においては因果関係の慎重な検討が合理性に正の影響を及ぼすことが明らかになった。

言及状況

外部データベース (DOI)

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中村大輝, & 松浦拓也. (2018). 仮説設定における思考過程とその合理性に関する基礎的研究. 理科教育学研究, 58(3), 279-292. https://t.co/PIrDGHkScJ
認知欲求(努力を要する認知活動に従事したり、それを楽しむ内発的な傾向)と仮説の合理性には相関が見られる研究があったけどまさにそれだ https://t.co/3yUzmrvgvq https://t.co/Izec74nsSd
関連した研究として,次の論文も挙げられ,理科授業における仮説設定をテーマに参加メンバーでディスカッションしました。 中村・松浦(2018)「仮説設定における思考過程とその合理性に関する基礎的研究」理科教育学研究,Vol.58,No.3,pp.279-292 https://t.co/sSPhYN0Lnd
研究方法について知らない知識がたくさんあって,完全に理解できてない部分があるけど,この論文の研究方法の質はすごいなってひしひしと感じる。 https://t.co/ygotgYmTs1
仮説設定における思考過程とその合理性に関する基礎的研究 https://t.co/ZqlpUieK3C 観察・実験に対する理論の優先性と解釈学的循環 https://t.co/3Cod2oHHQh 先の1件に合わせて,上の2件のような文献が2018年に出てきてる。楽しく読んだけど問題はその先よ。

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