もし戦争に敗けなかったら,人民の基本人権をかくまで徹底的に保証したこんな立派な大法典はとてもかち得なかったであろうことは,何人も異存あるまい.…明治憲法よりも数段すぐれた新憲法を立派に使いこなしてゆけば,国運のばんかい期してまつべしと信ずる.
https://t.co/hZfphMdHKe, p. 35.
今や“人民による”政治を妨げるようなものは,アリ1疋もはいり込むことができないように,新憲法で幾重にも保障せられている.今日,もし日本の民主化の実現を妨げるものありとすれば,それは唯一つ,国民自身の無自覚怠まんがあるだけである.
『民主政治読本』
https://t.co/hZfphMdHKe, p. 42.
新聞条令だとか,治安警察法だとか,治安維持法だとか,総動員法だとか,戦時刑事特別法だというような幾多の法律をつくって,憲法が国民に与えた権利自由を奪ったのである.そうして,そういう法律は国民が選んだ代議士がつくったということを忘れてはならぬ.
https://t.co/hZfphMdHKe, p. 54.
我が国現在の選挙界を風靡する傾向は、道理に傾聴する立憲思想にあらずして、「力」に屈服する封建思想である。「道理はあっても少数ではだめだ」「金がなくてはだめだ」「政権を得なければだめだ」…是が我が選挙民多数の投票心理であるようだ。
『政治読本』https://t.co/k0wnwMaYqM, pp. 118-119.
自分の自由権利をおかされないためには,他人のそれを犯してはならない.もし力づくで自国の権益を主張すれば,世界の平和を乱し,列国の同情をうしなって,結局自国にわざわいを招くもとである.共存共栄は国際生活の鉄則であるとみるのが立憲思想である.
https://t.co/hZfphMdHKe, p. 26.
けだし,この国をわがものと観じ,わが身を愛すると同様な,熱と感激とをもって,自主的に国につくし公に奉ぜんとする義務観念が,真正の愛国心であって,かかる義務観念は,決してほかから強いられたり,命令せられたりして生ずるものではない.
『民主政治読本』
https://t.co/hZfphMdHKe, p. 25.
殊にわが国には、意味不明なる文字や言語を使い、それが為に大騒動を引き起すことが多い。一例を挙ぐれば、国体の二字の如き、非常に大切な言葉として使用せられているが、その意義は時と場合によって、種々に変化し、何人も分明にこれを理解することが出来ない。
https://t.co/LBf8hQye1r , p. 25.
立憲政治の先進国では,選挙の場合政府党よりも在野党の方が有利なのが,一般の通例である.しかるに,日本の選挙はその逆で,久しい以前から政府党は必ず勝ち,在野党は必ず敗れるていたらくである.わが憲政を毒する百弊のみなもとはここにありとさえ思われる…
https://t.co/hZfphMdHKe, p. 10.
もし選挙が、一般人民に代って、その不利を除き、利益を与えるように、法律を作り、国費の用途を定める大切な総代を選むための一大行事であれば、これに要する費用は、世人が弁護士を頼む場合と同じく、当然人民側で負担せねばならない道理になる。
『政治読本』https://t.co/k0wnwMaYqM, p. 104.
日本とドイツとイタリーは,この平和を熱ぼうする世界の大勢にさからって,腕づくで我意を通そうとした.ちょうど,みんなで仲よくお花見をしようとしている中へ,ぬき身をさげてあばれ込んだようなものである.ふくろだたきにされるのはあたりまえだ
『民主政治読本』
https://t.co/hZfphMefzM, p. 23
民主主義は個人の自由権利を尊重する.しかし,いかに個人の自由権利を尊重すればとて,他人の自由権利をおかしてまで,個人の自由権利を主張していいはずはない.真に自分の自由権利の尊さを自覚した人なら他人の自由権利の尊さを思うべきだ.
『民主政治読本』
https://t.co/hZfphMdHKe, p. 154.
国会なければ、人民は政府の非行を咎むるを得べしとい雖も、国会有て、議員、政府に盲従すれば、人民は、唯だ自ら咎むるを得べく、決して政府を咎むる事を得ず。蓋し政府の非行は、皆な人民総代の賛成したる所なればなり。
「憲政の本義」:『政戦余業 第一輯』https://t.co/TX5LWpEKVj, p. 20.
戦争の準備[軍備]に費やすところの金額は、毎年七八十億円の多きに達するが、平和維持のために費すところの金額は、其幾十分の一にも足らないではない乎。…せめて其十分の一でも、平和心理養成の為に費すならば、全世界の人類は、どれだけ幸福になるかも知れない。
https://t.co/Gi4WSeEWT2, p. 19.
実行を目的とする者は…時の勢力には悪勢力と雖も、尚お之に迎合せざるを得ず。是れ実行家の短所欠点にして立言家は、其特に俗悪なる者にあらずんば、常に此類の陋弊を超脱するを得べし。而して世間の進歩改良は、常に拘囚せらるる所なき此等思想家の立案設計より来る
https://t.co/TX5LWpEKVj, p. 65.
今日の在野党も国民の信頼を得れば,明日は内閣を組織して政治の衝に当ることができる.…朝にあると野にあるとでその国家に負える政治上の責任感に差別があってはならない.在野党の使命は政府攻撃にあると考えるのはもっての外のひがごとである.
『民主政治読本』
https://t.co/hZfphMdHKe, p. 109.
たのむはただ自己の武力あるのみと,国費の3~4割をつぎ込んで,ひたすら陸海軍備の拡張に熱中した…
…が,これも封建思想のたたりで,陸海軍の直接軍備のみに気をとられ,産業・経済・科学・文化等の間接軍備の充実は,まるでお留守になってしまった.
https://t.co/hZfphMdHKe, p. 24-25.
自由と平等と生存権の要求を,完全に保証し且つ実現することが民主政治の使命である.そして,そういう政治は誰が行うか.新憲法を活かすか殺すかは,全くこの問に対する国民1人1人の回答によって決すというもおそらく過言ではないであろう.
『民主政治読本』
https://t.co/hZfphMdHKe, p. 40.
立憲政治は、自己の生命財産を初め、生活に関する一切の規律を、自ら制定し、その制定した規律に依るに非ざれば、寸毫といえども侵さるることなきを原則とする制度である。ここに至って人類ははじめて、自分自身の主人公となることができたのである。
『政治読本』https://t.co/k0wnwMaYqM, p. 19.
日本流の立憲政治を建てると云うことも殆ど無意味である…日本流と云うのは最近七百年間行われた封建政治であって、力を主としたものである。立憲政治は道理を主としたものであるから、封建的思想感情を以て之を運用することは出来ない。
『日本はどうなるか』
https://t.co/GOyI75fAyd, p. 18.
政党は選挙の種板に映写せられた選挙人の写真である。…選挙民が「道理」を愛し、不正不義を憎めば、政党は善事を為し、正道を踏むの公党となり、選挙民が無理でも通す「力」を愛すれば、政党は勢い悪事を為すところの朋党私党に堕せざるを得ない。
『政治読本』https://t.co/k0wnwMaYqM, pp. 119-120.
有権者が景気よく札びらをきるような候補者でなければ入れてやらんという気なら,政党の親分は…金をつくって子分に分けてやらんことには多数党となって政権をにぎることはできない.そこで或いは財閥の請托をいれ,或いは利権をあさって選挙費用を調達することになる.
https://t.co/hZfphMdHKe, p. 121.
かりに戦争が起る場合を考えて,もし軍備を必要とするなら…世界第1流の軍備…でなければ役に立たぬ.そうして,そんな軍備を維持することは…日本の国力が許さない.わが国力の許す程度の中途半ぱな軍備なら,むしろない方が国家のためには安全だ
『民主政治読本』
https://t.co/hZfphMdHKe, p. 34.
立憲政治は、自己の生命財産を初め、生活に関する一切の規律を、自ら制定し、その制定した規律に依るに非ざれば、寸毫といえども侵さるることなきを原則とする制度である。ここに至って人類ははじめて、自分自身の主人公となることができたのである。
『政治読本』https://t.co/k0wnwMaYqM, p. 19.
衆議院は立言、設計及び議定の府にして、実行の府に非ず…総員の無慮三分の二が、当然占めざるべからざる本分、則ち立言職を賤蔑して、三分の一だも就くこと能わざる実行職を尊重するは、奇と云うべし…議員を以て踏台と為さず、最終の目的と為す立言家の増加を熱望す
https://t.co/TX5LWpEKVj, p. 66.