著者
小河原 義朗 Yoshiro OGAWARA 東北大学大学院
雑誌
東北大学文学部日本語学科論集 = Journal of the Department of Japanese, Tohoku University (ISSN:09174036)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.13-22, 1996-09-30

発音矯正の際、学習者は教師の発音をどのように聞き取り、発音しているのか、その実態を韓国人日本語学習者を対象に調査を行なった。その結果、学習者は教師が繰り返すモデル発音と反復している自分自身の発音が同じかどうか判断することが困難であるが、よく聞き取れる学習者ほど有効な聞き取りの基準を明確にもっていた。更に、発音する際にも有効な基準をもって発音し、自分自身の発音を聞いたときにその基準どおりに発音できているということが聴覚的にも聞き取れている学習者ほど発音もよくなっている傾向がみられた。
著者
小河原 義朗 Yoshiro OGAWARA
雑誌
東北大学文学部日本語学科論集 = Journal of the Department of Japanese, Tohoku University (ISSN:09174036)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.1-12, 1993-09-30

音声上の外国人なまりについて、分節音素については明らかにされつつあるが、超分節音素についての研究は途上段階にある (杉藤 : 1989)。また、そのなまりを一般の日本人がどのように評価するのかについては、ほとんど明らかにされていない。本研究では、外国人によって発話された録音テープを使用し、一般の日本人がその発話をどのように評価するのか聴取実験を試みた。その結果、発音が下手なうちは許容されるなまりも、学習が進み発音がうまくなるにつれて評価が厳しくなるという実態が明らかになった。
著者
小河原 義朗
出版者
公益社団法人 日本語教育学会
雑誌
日本語教育 (ISSN:03894037)
巻号頁・発行日
vol.142, pp.36-46, 2009 (Released:2017-04-25)
参考文献数
8

本稿では,対象となる発音が目標発音に変化する過程が現れている2つの発音指導の事例を取り上げ,その過程の中で学習者が実際に何をしているのか,その行動を教室談話に着目して分析し,比較することを試みた。学習者は単に教師から与えられる情報や指示の通りに学習しているわけではないことから,単に情報の量や質ではなく,情報をリソースとして学習者が何をするか,それを予めどのように仕掛けるかを考えることが教師の役割として示唆される。しかし,同じ目標の実践でも,成果に至る過程は異なるのが普通であり,何がどのように作用したのか,実践とその過程の詳細な分析の蓄積が不可欠である。そのための方法論として,教室談話を分析することはその結果に至る過程を見ることが可能であり,そのような実践と分析が蓄積,共有されることによって,教師自身の信念,実践だけでなく,音声教育のあり方を問い直すことにもつながることを指摘する。
著者
河野 俊之 小河原 義朗
出版者
日本語教育方法研究会
雑誌
日本語教育方法研究会誌 (ISSN:18813968)
巻号頁・発行日
vol.14, no.2, pp.10-11, 2007

We are currently making the textbook for the pronunciation of Japanese. The textbook contains a list of words that many learners have problems with pronunciation. The voice of learners reading the list was recorded, and then the learners judged their pronunciation by themselves. The result shows that the judgment by some of the learners corresponded to that of the teachers, and the learners are conscious of their pronunciation problems.