著者
エルマコーワ リュドミーラ M.
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
日本研究 : 国際日本文化研究センター紀要 (ISSN:09150900)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.71-90, 2003-03-31

本稿の目的は、ある偶然をきっかけにして発見されることになった一つの歴史的資料、すなわち一五八二年に長崎から出帆しヴァチカンを訪ねローマ教皇の謁見を賜った遣欧一行の一人による自筆の書、について紹介することである。これは赤い紙に一六世紀のスタイルで書かれた書であり、そこには旧約聖書の詩篇からとられた二つのダビデの聖歌の一部がラテン語と日本語両方で記されている。
著者
長與 進 長縄 光夫 原 暉之 エルマコーワ リュドミーラ ミハイロバ ユリア 澤田 和彦
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2001

4年間(平成13-16年)にわたった科学研究費補助金による研究課題「来日ロシア人の歴史と文化をめぐる総合的研究」は、研究代表者1名と研究分担者11名(研究開始時の分担者1名が途中で逝去されたため、平成15年より新たに1名を補充)を中心として遂行された。具体的な研究活動は、このメンバーを中心として組織された「来日ロシア人研究会」を母体として、上記年度内に合計して20回開かれた定例研究会(うち2回は函館と長崎における研究合宿)を軸として進行した。定期的な研究活動をもとにして、平成15年3月に『共同研究 ロシアと日本』第5集を、平成17年3月に『共同研究 ロシアと日本』第6集を刊行することができた(「研究成果報告書」その1とその2として提出)。その1には聞き書き2編、論文14編、資料1編が、その2には聞き書き2編、論文19編が収録されている。両論文集は国内のみならず、国外の関連大学・図書館・研究所などに広く配布された。さらに「来日ロシア人研究会」のニューズレターとして、『異郷』を合計11冊(11-21号)刊行した。具体的成果の積み重ねによって、本研究課題を開始した際の「研究目的」-来日ロシア人の社会活動と文化活動が、わが国の文化・思想・宗教・教育・芸術などの学術分野と、さらに日常生活の次元において、どのような形で残され、継承されているかを検証すること-は、かなりの程度果たされたと考えている。