著者
御子柴 道夫 長縄 光夫 松原 広志 白倉 克文 清水 昭雄 大矢 温 加藤 史朗 清水 俊行 下里 俊行 根村 亮 坂本 博
出版者
千葉大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2003

18世紀後半から19世紀前半までのロシア思想史を、従来の社会思想史、政治思想史に偏る研究視点から脱し、それらを踏まえたうえで、狭義の哲学思想、宗教思想、文学思想、芸術思想の多岐にわたる面で多面的に研究してきた。その結果、従来わが国ではもっぱら思想家としてしか扱われてこなかったレオンチェフの小説にスポット・ライトが当てられ、逆に小説家としてしか論じてこられなかったプラトーノブやチェーホラが思想面からアプローチされた。またロシア正教会内の一事件としてわが国ではほとんど手つかずだった賛名派の騒動が思想ないし哲学面から解釈された。さらに象徴派の画家やアヴァンギャルド画家が哲学あるいは社会思想史の視点からの考察の対象となった。と同時に、これらの作業の結果、ロシアでは文学、芸術、宗教儀礼、あるいは社会的事件さえもが思想と有機的に密接に結びついているのではないかとの以前からの感触が具体的に実証されることとなった。また、文化のあらゆる領域を思想の問題としてとらえた結果、当該時期のロシア思想史をほとんど遺漏なく網羅することが可能になった。この基本作業をふまえて、いくつかのテーマ--近代化の問題、ナショナリズムとグローバリズムないしユニヴァーサリズムの問題、認識論や存在論の問題などが浮上してきた。分担者、協力者各自の研究の中で当然それらのテーマは咀嚼され発展させられてきたが、今後はこれらのテーマを核に、この4年間で蓄積された膨大な素材を通史的に整理し止揚する作業を継続してゆき、書籍として刊行して世に問うことを目指す。
著者
長與 進 長縄 光夫 原 暉之 エルマコーワ リュドミーラ ミハイロバ ユリア 澤田 和彦
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2001

4年間(平成13-16年)にわたった科学研究費補助金による研究課題「来日ロシア人の歴史と文化をめぐる総合的研究」は、研究代表者1名と研究分担者11名(研究開始時の分担者1名が途中で逝去されたため、平成15年より新たに1名を補充)を中心として遂行された。具体的な研究活動は、このメンバーを中心として組織された「来日ロシア人研究会」を母体として、上記年度内に合計して20回開かれた定例研究会(うち2回は函館と長崎における研究合宿)を軸として進行した。定期的な研究活動をもとにして、平成15年3月に『共同研究 ロシアと日本』第5集を、平成17年3月に『共同研究 ロシアと日本』第6集を刊行することができた(「研究成果報告書」その1とその2として提出)。その1には聞き書き2編、論文14編、資料1編が、その2には聞き書き2編、論文19編が収録されている。両論文集は国内のみならず、国外の関連大学・図書館・研究所などに広く配布された。さらに「来日ロシア人研究会」のニューズレターとして、『異郷』を合計11冊(11-21号)刊行した。具体的成果の積み重ねによって、本研究課題を開始した際の「研究目的」-来日ロシア人の社会活動と文化活動が、わが国の文化・思想・宗教・教育・芸術などの学術分野と、さらに日常生活の次元において、どのような形で残され、継承されているかを検証すること-は、かなりの程度果たされたと考えている。
著者
ポダルコ ピョートル エルマコワ リュドミラ 太田 丈太郎 サヴェリエフ イゴリ ミハイロワ ユリア 清水 俊行 中村 善和 安井 亮平 長縄 光男 清水 俊行 澤田 和彦 長縄 光夫 中村 喜和 中嶋 毅 安井 亮平
出版者
青山学院大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

平成18年4月より22年3月までの4年間に例会を20回、研究会合宿を2回(神戸市立大学、東北大学)行い、この間、研究会のニューズレター『異郷』(年3回発行)をno.21-32計12号を刊行し、論文集『ロシアと日本』を2冊(vol.7,8,2008年3月、2010年3月)を刊行した。