著者
三島 和宏 櫻田 武嗣 萩原 洋一
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2017-IOT-36, no.25, pp.1-6, 2017-02-24

本稿では,小型かつ低価格な情報デバイスとして Raspberry Pi を用いてプロトタイプ実装したデジタルサイネージ表示デバイスの集約管理を行うための統合システムについて詳説する.東京農工大学 (以下,本学) では,従来から設置されていたデジタルサイネージシステムの置き換えを目的として,Raspberry Pi を用いたデバイス単体で自律的に動作し指定時間にコンテンツ表示を行うデジタルサイネージ表示デバイスを開発し,学内に展開してきた.これらの設置台数の増大とともに,集約管理に対する要求が高まったことから,集約管理に必要なシステムについても開発することとなった.デジタルサイネージデバイス集約管理システムは,1) 表示デバイス,2) コンテンツ,3) コンテンツアサインの各項目について管理する機能を持ち,データストレージにてコンテンツファイルのマスター管理を行う.これらは,Web インタフェースを通じて容易に管理が可能である.本稿では,集約管理システムのプロトタイプシステムの概要,実際に稼働させた際の状況と今後の課題などについてまとめる.本システムにより,集約管理型のデジタルサイネージシステムを容易に,低コストに実現することを可能とする.
著者
櫻田 武嗣 三島 和宏 萩原 洋一 辻澤 隆彦
出版者
一般社団法人 CIEC
雑誌
コンピュータ&エデュケーション (ISSN:21862168)
巻号頁・発行日
vol.42, pp.12-18, 2017-06-01 (Released:2017-12-01)

近年各自の機器を持ち込んで利用するBYOD(Bring Your Own Device)の流れが進んでいる。しかしながらBYODによって持ち込まれる機器は多種多様である。そこで我々は仮想端末室を構築することで,各自の機器上からWebブラウザにて同一の仮想デスクトップを利用できる環境を実現した。本稿では仮想端末室特有の問題点とそれを解決するための設計とその提供について述べる。
著者
根本 貴弘 三島 和宏 石橋 みゆき 長島 和平 青山 茂義
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2022-IOT-58, no.12, pp.1-5, 2022-07-05

東京農工大学では,近年の高度化するサイバー攻撃から学内情報資産を守るために,2021 年より全学的な多要素認証の導入に取り組んでいる.2022 年 5 月には,Microsoft365 のクラウドメールサービスを利用した「旧教職員向け電子メールシステム」の全アカウントに対する多要素認証の有効化を完了した.本システムでは,Microsoft が提供する多要素認証機能を使用しており,利用者が事前に各自で多要素認証の設定を行えるように,多要素認証設定マニュアルの作成や多要素認証設定講習会の実施,学内の会議体での説明や教職員向けのポータルサイト等で周知をしてきた.本稿では,「旧教職員向け電子メールシステム」における多要素認証導入における取り組みとして,導入に向けたこれら周知活動に加え,問い合わせ状況可視化ツールを用いた総合情報メディアセンターへの問い合わせ状況と多要素認証の設定状況についてまとめ,報告をする.
著者
三島 和宏 根本 貴弘 青山 茂義
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2022-IOT-58, no.10, pp.1-6, 2022-07-05

東京農工大学(以降,本学)では,約 5 年ごとに教育系計算機システム(現:学術情報基盤システム)の更新を行っている.このシステムには,教育用計算機システムのほか,プリンティングシステム,図書館システム,さらには認証基盤システムまで含まれる幅広いものとなっている.本学の認証基盤として 2016 年更新のシステムでは認証サーバや ID 管理システムなどをプライベートクラウドでの運用に切り替えを行った.このシステムが 2021 年に更新を迎えるタイミングとなるのに合わせ,本学では新たな認証基盤のために従来のプライベートクラウドではあるがオンプレミスに類似されるシステムからクラウドでの認証・ID 管理基盤であるIDaaSへの移行を検討した.これに基づき,2021 年のシステム更新では,認証機能と ID 管理機能の一部として IDaaS を導入し,学内の人物情報源との統合と IDaaS でカバーできない ID 管理機能を持つ情報源システム(申請管理システム)と連携する形でシステムの運用を開始した.本システムでは,これまで本学で運用していなかったシングルサインオンや多要素認証なども運用を開始する.IDaaS と周辺システムの導入と初期段階での運用についてまとめ,これらについて報告する.
著者
柏崎 礼生 山之上 卓 桝田 秀夫 三島 和宏
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2021-IOT-54, no.11, pp.1-7, 2021-07-02

ACM SIGUCCS は,発見と学習を促進するために高等教育機関が最新の技術を活用するための,専門家のための交流の場である.情報処理学会インターネットと運用技術研究会や,その前身の一つである分散システム/インターネット運用技術研究会の参加者たちは 2000 年代から ACM SIGUCCS に参加し始め,交流を深めてきた.本稿は,ACM SIGUCCS についての概略や,ACM SIGUCCS Tokyo Chapter について,また 2021 年 3 月から開催された年次大会を紹介し,大学関係者のみならず「キャンパス」という独特な空間における計算機サービスについて議論する場である ACM SIGUCCS への参加を誘うものである.
著者
三島 和宏 根本 貴弘 萩原 洋一 辻澤 隆彦
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2019-IOT-46, no.14, pp.1-6, 2019-06-07

東京農工大学では,2016 年度の教育用電子計算機システムの更新に合わせて,新入生向けの教育プログラムである 「情報オリエンテーション」 のプログラム改訂を行った.情報オリエンテーションでは,新入生に対して本学での情報システムの利活用を支援するべく,教育用電子計算機システムの概要と様々な情報システムを網羅的に取り扱う.本プログラムに並行して,新入生向けの基本的な情報リテラシに関するアンケートを実施しており,高校までに習得した情報技術の状況を複数の大学にて連携し調査を行っている.本稿では,情報オリエンテーションにて実施しているアンケートを基に本学における学生の情報リテラシ動向の分析を行う.2018 年 3 月に同様の報告を行っているが,本稿ではこれ以降に実施されたアンケート結果を含めて複数年での状況比較を実施する.これにより,本学学生における情報リテラシ動向と今後のアンケート改善につなげる要素を検討していく.
著者
三島 和宏 櫻田 武嗣 萩原 洋一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IA, インターネットアーキテクチャ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.495, pp.239-244, 2015-02-26

本稿では,小型かつ低価格な情報デバイスを利用したデジタルサイネージシステムを活用したWebカメラモニタリングシステムの提案とプロトタイプ実装について詳説する.我々は,学内の複数箇所にIP通信可能なWebカメラを設置し,防犯監視等に利用している.その利用例として,入学試験時の複数ゲートの集中監視システムがある.これまでは,利用する当日までに対象となるWebカメラから送られる動画像を表示するための専用のPCを用意し,その画面をディスプレイに表示させる方法を取っていたが,機器を用意するためのコストが高いことが課題となっていた.そこで,すでに提案しているRaspberry Piを用いた低コストなデジタルサイネージシステムを表示デバイスとして用いることで,機器コスト,準備を行う人的コストなどを総合して低減するモニタリングシステムを試作することとした.本稿では,この取り組みの概要,低コストなデジタルサイネージシステムを用いたプロトタイプ実装の詳細,複数のWebカメラ画像を表示するためのサポートサーバの詳細などの取り組みと今後の課題についてまとめる.