著者
瀬川 駿 桝田 秀夫 森 真幸 永井 孝幸
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2018-IOT-40, no.3, pp.1-6, 2018-02-26

DNS サーバは DDoS 攻撃や DNS リフレクター攻撃などの様々な攻撃の対象や,攻撃のための踏み台にしようとする不正通信にさらされている.また,不正通信が行われる際に,特徴的な DNS クエリパターンがみられる場合が知られている.このような不正な通信に繋がるものと正規のもののクエリに対して,レスポンスを適応的に制御できれば,DNS サーバの防御に繋がる.本稿では,DNS サーバの前段に DNS クライアントからの通信を監視するシステムを配置し,攻撃者からのクエリに対してレスポンスを適応的に制御することで DNS サーバへの攻撃を抑える手法を提案する.
著者
桝田 秀夫 小川 剛史 町田 貴史 中澤 篤志 清川 清 竹村 治雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:03875806)
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.1239-1248, 2008-03-15
参考文献数
15
被引用文献数
1

教育用計算機システムでは,多数の利用者に対して各種のアプリケーションが動作する一様な計算機環境を,できるだけ低いTCO (Tota1 Cost of Ownership)で実現する必要がある.運用コスト削減のためには,故障時に素早い復旧が可能であることだけでなく,そもそも故障しにくい構成をとることも重要である.本論文では,これまでの運用の中で最も故障の多かったバードディスクをクライアント上では使用しない,ディスクレス構成を用いたLinuxベースの情報教育システムの開発とその評価について述べる.また,予算措置の関係で導入時期や機種が異なる複数種類のパソコンを,一括して運用管理する必要性に対応するための構成上の工夫についても述べる.さらに,Microsoft Officeで作られた文書の激増に対して,互換性のあるOpen Office.orgやStarSuiteだけではなく,0SとしてのMicrosoft Windowsを運用せずに,Microsoft Office自体をCrossOver OfficeというWINEベースのエミュレータ上で稼働させることに挑戦している.これらの構成の設計・開発の経緯,ならびに導入後約2年間の運用実績と得られた知見について報告する.
著者
細谷 悟 桝田 秀夫
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.19, pp.1-5, 2010-02-22
参考文献数
14

ホストをネットワークに接続する為の様々な設定を自動的に行う仕組みとして,DHCP が広く用いられている.一般的な DHCP サーバは,割り当てる IP アドレス等の情報を,MAC アドレスに紐付けたり指定した範囲から適切に割り当てる機能を持っている.一方,割り当てる IP アドレスをクライアントの接続されたスイッチのポートに紐付けたり,DDNS UPDATE の際に要求のあった DNS 名の衝突回避機構,DHCP サーバのコンフィグレーション情報を LDAP サーバに格納できるようになど,ネットワーク情報割り当ての際に追加の処理を行いたいという需要がある.本稿では,ISC DHCP に比較的規模の小さい変更を加えることで,クライアント設定情報の割り当てポリシの設定が可能な外部呼び出し機能 (ポリシ委譲機能) を 2 種類の方式で実装した.また,それぞれの実装方式のオーバーヘッドを計測し,評価,考察を行った.その結果,ポリシ委譲機能は約 600 行で実装できた.また,ポリシ委譲機能にかかるオーバーヘッドは 0.3% 程度となった.DHCP is used widely as organization performing various setteing to connect a computer to the network automatically. The general DHCP server has a function to assign the configuration parameter such as IP address adequately from the range that appointed or fixed in a client MAC address. By the way, it is expected that IP address in communication log become more useful for network use management, if there is a lease policy of IP address such as fixed in client-connecting port of switching hub. In this paper, We impremented and evaluated of flexible lease policy hook for ISC DHCP server.
著者
柏崎 礼生 山之上 卓 桝田 秀夫 三島 和宏
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2021-IOT-54, no.11, pp.1-7, 2021-07-02

ACM SIGUCCS は,発見と学習を促進するために高等教育機関が最新の技術を活用するための,専門家のための交流の場である.情報処理学会インターネットと運用技術研究会や,その前身の一つである分散システム/インターネット運用技術研究会の参加者たちは 2000 年代から ACM SIGUCCS に参加し始め,交流を深めてきた.本稿は,ACM SIGUCCS についての概略や,ACM SIGUCCS Tokyo Chapter について,また 2021 年 3 月から開催された年次大会を紹介し,大学関係者のみならず「キャンパス」という独特な空間における計算機サービスについて議論する場である ACM SIGUCCS への参加を誘うものである.
著者
羽藤 由美 神澤 克徳 光永 悠彦 清水 裕子 坪田 康 桝田 秀夫 永井 孝幸 ヒーリ サンドラ 竹井 智子 山本 以和子 森 真幸 内村 浩 伊藤 薫
出版者
京都工芸繊維大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01

学校・大学等が入試や定期考査において,それぞれのアドミッション・ポリシー,教育目標,受検環境などに応じた英語スピーキングテストを開発・実施するためのガイドライン策定を目標として,以下の(1)~(5)を完遂した。(1)京都工芸繊維大学が独自に開発し,学内で定期実施しているコンピュータ方式の英語スピーキングテストシステム(毎年約700名が受験)について,リンガフランカ(共通語)としての英語運用能力を測るテストとしての妥当性を高めるために,評定基準と採点者訓練およびオンライン採点システムを改善した。(2)上記スピーキングテストを京都工芸繊維大学の平成30年度ダビンチAO入試に導入した実績に基づき,同じ仕様のテストを学内で能力診断テストとして実施する際と入学試験の一環として運営する際の違い(公正性・公平性の担保,システムの安定性維持,リスクマネージメント,情報セキュリティーのレベル等の違い)や,入試利用の際のこれらの点に関する留意点を明らかにした。(3)京都市立工学院高校の定期考査(「英語表現II」の1,3学期末試験)において,生徒とフィリピン在住の面接・採点者をスカイプで結ぶスピーキングテストを実施した。昨年度実施分から,テスト内容の改訂(ディベートとロールプレイの組み込み),採点基準・採点者訓練の改善,効果的なフィードバックのためのマニュアル作成を行った。(4)上記(1)~(3)の遂行状況をプロジェクトのホームページを通して広く社会に公表するとともに,実践報告や,実践を通して得たデータの分析に基づくリンガフランカとしての英語能力評価(特に,採点基準と採点方法)に関する研究成果を関連学会で発表した。(5)これまでのスピーキングテスト開発・運営の実績に基づいて,2020年度から始まる民間試験の入試利用(共通テストとしての活用)の問題点を明らかにし,関連のシンポジウムやブログ,twitterで発表した。
著者
出羽 裕一 桝田 秀夫 森 真幸 永井 孝幸
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2018-IOT-40, no.1, pp.1-7, 2018-02-26

大規模システムの管理者の負担を軽減するため,統合監視ソフトウェアによる監視環境の自動構築と収集した監視情報に対して統計解析手法を適用できるシステムの試作を行った.監視情報の収集では,情報の改ざんやなりすましを防止することも考慮し,電子証明書による暗号化を施した.また,大規模なシステムでの利用を想定し,登録するICT機器の数に依る性能評価を行った.
著者
石橋 由子 桝田 秀夫
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.57, no.3, pp.976-988, 2016-03-15

電子メールはインターネット上において手軽で最も利用されているコミュニケーションツールとして我々の生活において必要不可欠なものとなっている.メールは仕事や日常生活での情報交換だけにとどまらず,緊急時の連絡手段としても利用されている.しかしひとたび大規模な災害や重度の障害が発生すると,一定時間メールの送受信ができなくなり,非常に大きな混乱を招く恐れがある.そこで自組織のメールサービスを利用できなくなった場合でも,利用者が可能な限りメールの利用が可能となるシステムを提案する.本提案システムは,通常一体化しているケースが多いメールサーバのメールを受信する部分とスプール部分を分離し,これらを物理的に離れた場所に設置する.そして,複数箇所に設置されているスプール部分の同期を行う.スプール部分の同期を行うためにネットニュースプロトコルを利用する.メールサーバが受信したメール1通を1つのネットニュースプロトコルの記事に変換して宛先メールアドレスに対応したニュースグループに投稿する.投稿された記事はネットニュースの記事として同期を行う他のサーバに配送される.利用者はアクセス可能なネットニュースサーバにアクセスしてメールを読む.これにより,メールシステム障害時でも利用者はメールを受信することが可能となる.
著者
桝田 秀夫 増澤 利光 辻野 嘉宏 都倉 信樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. COMP, コンピュテーション
巻号頁・発行日
vol.94, no.389, pp.11-18, 1994-12-09
被引用文献数
2

ネットワークの取り得る全状況集合をSとし,そのうち望ましい状態とみなせる状態の集合を正当な状況といい,Lと表す(L⊆S).任意のSの状態から出発し有限時間内にLに含まれる状態に達する分散アルゴリズムを自己安定アルゴリズムという.従来,自己安定アルゴリズムは,プロセッサ同士が通信路として2点間通信(Point-to-Point)リンクを用いて情報を交換するネットワークモデル上で考えられてきた.本稿では,マルチアクセスチャネルを持つネットワーク上でリーダー選択問題を解く自己安定分散アルゴリズムを提案する.
著者
宮座 菜緒 桝田 秀夫
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT)
巻号頁・発行日
vol.2014-IOT-27, no.14, pp.1-6, 2014-10-02

ネットワーク技術の発展により,組織のネットワークは仮想化などといった物理構成に縛られにくい柔軟性のあるサービス基盤を用い,様々なコンポーネントを連携させながら我々の生活に必要不可欠なサービスを提供している.このようなサービスが広まるとともに,利用者にサービスを継続して提供する重要性も高まり,常に安定した運用管理が求められているが,サービス基盤内の構成が複雑であったり,監視対象や監視機器の種類の増加に伴い,互いのコンポーネントの依存関係や関連性の把握が難しく,管理者が障害の原因を突き止めることが困難となっている.そこで本稿では,複数の機器の監視項目に対して,グラフの表示方法や時系列の類似性に着目し,障害の引き金を探し当てることを支援するシステムの検討を行ったので,現状を報告し考察する.