著者
古村 和恵 森田 達也 赤澤 輝和 三條 真紀子 恒藤 暁 志真 泰夫
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.142-148, 2012 (Released:2012-04-26)
参考文献数
20
被引用文献数
3

終末期がん患者はしばしば家族や医療者に対する負担感(self-perceived burden)を経験するといわれている. 負担感を和らげるためのケアが必要とされる一方で, どのようなケアが望ましいかを実証した研究はほとんどない. 本研究では, 終末期がん患者の感じている負担感の実態と, 患者の負担感を和らげるために必要なケアを調査するために, 28名のがん患者の遺族を対象に半構造化面接を行った. 内容分析の結果, 「がん患者の負担感の内容」(例: 下の世話をしてもらうのがつらい), 「がん患者が行っていた負担感に対するコーピング」(例: 家族の仕事や予定を優先するようにいう), 「家族の気持ちと対応」(例: 患者の遠慮は家族への思いやりの表れだと思った), 「患者の負担感に対して必要なケア」(例: ことさら何かを強調するのではなく, 自然な言葉がけをする)が抽出された. 収集された患者の負担感を和らげるためのケアの有用性の評価が今後の重要な課題である.
著者
渡邉 梨紗 落合 亮太 徳永 友里 三條 真紀子 眞茅 みゆき 宮下 光令 石川 利之 渡部 節子
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.15, no.4, pp.265-276, 2020 (Released:2020-10-08)
参考文献数
25

【目的】慢性心不全患者とその家族と多職種チームが行うアドバンス・ケア・プランニング(ACP)に関する看護師の認識を明らかにする.【方法】質問紙を用いて全国の植え込み型除細動器/心臓再同期療法認定施設の看護師427名に,模擬症例とその家族と行うACP13項目の必要性を尋ねた.【結果】有効回答207名中,「機能予後・生命予後を伝える」を患者と「行うべき」と回答した者は51%で,全13項目中最少だった.患者・家族の比較では予後告知などに関する8項目で家族と行うべきとの回答が有意に多かった.認定看護師は,患者とは「これまでの人生で大切にしてきたものについて尋ねる」,家族とは「これからどんな人生を患者に歩んでほしいのかを家族に尋ねる」などで,その他の看護師より行うべきとの回答が有意に多かった.【結論】看護師はACPのなかでも患者への予後告知に慎重であること,認定看護師は患者や家族のその人らしさを重視する傾向にあることが示された.
著者
塩﨑 麻里子 三條 真紀子 吉田 沙蘭 平井 啓 宮下 光令 森田 達也 恒藤 暁 志真 泰夫
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.12, no.4, pp.753-760, 2017 (Released:2017-11-28)
参考文献数
28

【目的】本研究の目的は,がん患者の家族が,終末期における治療中止の何に,どのような理由で後悔をしているか記述的に明らかにすることである.【方法】がん患者の遺族37名を対象に,意思決定当時と現在の2時点にかけての心理的プロセスに関する半構造化面接を行った.結果は,内容分析によって整理した.【結果】約40%の遺族に何らかの後悔についての発話がみられた.後悔の内容は,8カテゴリーに分類され,決定当時の4カテゴリーから,現在は7カテゴリーに多様化した.後悔に関連する理由は43カテゴリーに分類された.後悔がない理由は,患者や家族の要因や医療者との関係といった当時の状況に関するものが多かった.後悔がある理由は,意思決定のプロセスや選択肢,心理的対処といった意思決定の仕方と医療者との関係が多かった.【結論】後悔の性質と機能的な心理的対処の関連を理解することで,遺族の後悔制御方略を提案できる可能性が示唆された.