著者
櫨山寛章 三宅喬 奥田剛 河合栄治 宮地利幸 三輪信介
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT)
巻号頁・発行日
vol.2014-IOT-24, no.25, pp.1-8, 2014-02-20

テストベッド間連携とは,テストベッド間を相互接続し,より大規模で高度な検証を行うための試験環境を構築する行為である.グローバルブローカーを想定しない,ローカルブローカー型テストベッド間連携モデルは,各テストベッドで独自の資源管理システムや運用管理ポリシを許容しながらテストベッド間連携を行い,単一テストベッドユーザが透過的に提携テストベッドに資源を利用できる連携モデルである.本稿では,ローカルブローカーモデルによるテストベッド連携モデルにおいて,資源予約や資源割り当て,相互接続の設定における調停を補佐,または半自動化を支援するテストベッド間連携を行うためのテストベッド連携フレームワークを提案する.
著者
戸村 哲 三輪 信介 大野 浩之
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.42, no.12, pp.1186-1190, 2001-12-15
参考文献数
17
被引用文献数
4

筆者の大野,戸村は内閣官房情報セキュリティ対策推進室の非常勤職員に併任しており,専門調査チームの一員として勤務している.まず内閣官房情報セキュリティ対策推進室の情報セキュリティ対策への取り組みの経緯と概要を,公開情報に基づいて説明する.続いて筆者らの所属する研究チームにおける,電子政府のための情報セキュリティ対策への取り組みを紹介する
著者
三輪 信介 篠田 陽一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.286-295, 1999-01-15
参考文献数
22

本論文では、電子決済システムに対する新たな脅威を指摘し、この脅威に対応可能な電子決済システムを提案する。安全なクレジットカード決済システム、電子現金、電子小切手など様々な電子決済システムが存在しており、これらのシステムでは、正しい支払を行うためには、支払に関する情報を正しい相手に伝達しなければならない。しかし、オープンネットワークシステム上では正しい相手をいつも指名できるとは限らない。そのため、相手を指名するとき(すなわち双方向認証が行われる前)に、不正者は自分を正しい受取人として指名させるための嘘の情報を与えることができ、正しい支払を受けることができる。このような誤認は双方向認証を行う前に引き起こされるために、双方向認証によって正しい相手を認証する既存の電子決済システムでは防ぐことはできない。この電子決済システムに対する新たな脅威を「なりかわり」と呼ぶ。本論文では、なりかわりの特性を明らかにし、この脅威に対抗するための電子決済システムへの2つの改善を提案するとともに、この改善を実装する。This paper proposes a "Pretense Resistant" Electronic Settlement System. Various Electronic Settlement Systems such as secure credit card payment systems, electronic caches and electronic checks do exist, and in order for a payment to be done correctly, these systems must communicate correct information about the payment with correct peers. However, on open network systems, the correct peer may not always be designated. That is, when designating a peer, before two-way authentication can take place, a malicious entity can give false information that can designate the entity as a payee. Notice that because the misdesignation occurs even before the two-way authentication is to take place, the existing Electronic Settlement Systems can not prevent this situation. This new type of threat to Electronic Settlement Systems is named "pretense" in this paper. Characteristics of Pretense are explored, and two improvements for Electronic Settlement Systems to resist this threat are proposed and implemented.
著者
宮地 利幸 三輪 信介 長谷川 忍 丹 康雄 篠田 陽一
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.235-248, 2010
被引用文献数
1

「技術」の習得には理論的な学習に加え,実践的な学習が必須である.特にネットワーク技術に関していえば,自律的に動作する要素の集合であるネットワークの挙動を理解し,その管理・運用技術を習得するためには,実環境で利用される機器を用いたネットワーク管理経験が重要である.しかし,実験的なネットワークであったインターネットが社会的インフラの一つとして認められるようになり,オペレーションのミスが許されない現状では,ネットワーク技術者がその技術を育むためのインフラが不足している.このような問題を解決するため,さまざまな体験演習環境が提案されている.その一方でネットワーク技術の検証の重要性が認識され,世界各地にネットワークテストベッドが設置されるようになってきている.本論文では,ネットワークテストベッドの一つであるStarBEDおよび実験支援ソフトウェアであるSpringOSを用いた体験演習環境構築についてまとめる.また,実際にStarBEDを利用して行われた体験演習例「SOI Asia 2008 Spring Global E-Workshop」,「インシデント体験演習」について紹介し,その有用性を示す.