著者
戸村 哲 齋藤 大蔵
出版者
一般社団法人 日本外傷学会
雑誌
日本外傷学会雑誌 (ISSN:13406264)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.21-28, 2021 (Released:2021-05-12)
参考文献数
46

軽症頭部外傷は救急診療において日常的に遭遇する機会の多い傷病である. 軽症頭部外傷のほとんどのケースは短期間に軽快し回復するが, 一部に重症化してしまう症例があり注意を要する. また約半数はのちに脳震盪後症候群をきたし, 昨今注目される外傷後の高次脳機能障害など, 多くの社会問題の要因にもなっている. 本稿では, 日常診療で遭遇する機会の多い軽症頭部外傷にスポットを当て, 2019年に改訂された「頭部外傷治療・管理のガイドライン第4版」の内容を中心に, 診療において重要な項目について要点をまとめた. 軽症頭部外傷の診療においては, 重症化の危険因子を念頭に置き, 適切に頭部CTの適応を判断し, 帰宅や入院経過観察の判断を行う. 脳震盪後症候群や外傷後の高次脳機能障害の可能性も考慮し, 初療において詳細に診療録を記載することがきわめて重要である.
著者
森 健太郎 和田 孝次郎 大谷 直樹 長田 秀夫 戸村 哲 山本 拓史 中尾 保秋
出版者
一般社団法人 日本脳卒中の外科学会
雑誌
脳卒中の外科 (ISSN:09145508)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.116-121, 2014 (Released:2014-06-26)
参考文献数
13
被引用文献数
1

Basilar artery and internal carotid paraclinoid aneurysms are still surgically challenging. We performed 31 clipping surgeries (basilar tip aneurysm 6, basilar artery-superior cerebellar artery aneurysm 8, and internal carotid aneurysm 17) via the extradural temporopolar approach. After the frontotemporal craniotomy, the meningo-orbital band was incised and the dura propria of the temporal lobe was peeled from the lateral wall of the cavernous sinus. The anterior clinoid process was removed extradurally. The distal dural ring and falciform ligament were incised for mobilization of the internal carotid artery and optic nerve. The temporal lobe was retracted posteriorly with the dura mater. The aneurysm clipping was performed through the relatively wide operative trajectory over the opened cavernous sinus. Postoperative outcome was modified Rankin Scale (mRS) 0 in 28 patients and mRS in three patients with visual deficits. No temporal lobe contusion occurred. The extradural temporopolar approach is a useful skull base technique for deeply situated aneurysms.
著者
中島 秀之 上田 和紀 戸村 哲
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.24, no.6, pp.745-753, 1983-11-15

Prologに代表される述語論理型言語は プログラムを その仕様に近い形で記述できることを大きな特徴とする.しかし入出力に関しては 命令型言語と同様 副作用を通じて行うことが多かった.本論文では 述語ではなく変数を通じた 副作用によらないPrologの入出力を論じる.また従来の多くの言語の入出力は データの転送と 内外部表現間の変換を まとまった機能として提供していた.本論文では 入出力はたんなる文字列の転送ととらえ 変換操作は 言語に文字列操作機能を用意し それを用いて記述するようにした.これらの工夫により 入出力の概念が単純でわかりやすいものになり しかもその扱いが柔軟になったと考える.順アクセス媒体との入出力は たんなる文字列変数を通じて行えばよいが データ構造の工夫により 窓構造をもったディスプレイヘの出力も扱える.文字列操作は Prologのパターンマッチング機能を用いて簡潔に記述できる.実行可能パターンの考え方をとりいれてパターンと述語とを統一的に扱うので 文字列に導入した基本操作が連結のみであるにもかかわらず パターンの記述能力は強力である.提案する機能はProIog/KR上に作成中であるが さらに効率のよい作成技法にもふれる.残された課題には 複雑なパターンマッチングにおけるバックトラックの制御などがある.
著者
戸村 哲 三輪 信介 大野 浩之
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.42, no.12, pp.1186-1190, 2001-12-15
参考文献数
17
被引用文献数
4

筆者の大野,戸村は内閣官房情報セキュリティ対策推進室の非常勤職員に併任しており,専門調査チームの一員として勤務している.まず内閣官房情報セキュリティ対策推進室の情報セキュリティ対策への取り組みの経緯と概要を,公開情報に基づいて説明する.続いて筆者らの所属する研究チームにおける,電子政府のための情報セキュリティ対策への取り組みを紹介する