著者
伊藤 英之 脇山 勘治 三宅 康幸 林 信太郎 古川 治郎 井上 昭二
出版者
特定非営利活動法人 日本火山学会
雑誌
火山 (ISSN:04534360)
巻号頁・発行日
vol.50, no.6, pp.427-440, 2005
参考文献数
27

The Yakedake volcano is located in the southern part of the northern Japan Alps, central Japan. Yakedake volcanic hazard map was published in March 2002, and in June 2002, it was distributed to the inhabitants of Kamitakara village, Gifu prefecture, where is located 4-20km west from the volcano. In January 2003, the questionnaire survey was carried out on the inhabitants in order to know their attitudes to the volcanic hazard map and the level of their understanding of the contents of the hazard map. The Kamitakara village office distributed the questionnaires to 1,102 families through the headman of each ward, the headman collected 802 answers. The results of analysis were as follows. 89% of the respondents knew the existence of the hazard map and 35% read it well, but about 11% have not read the map at all. The elders have a tendency to have deeper understanding of the hazard map than younger ones, especially in elders who have experiences to meet some kinds of natural hazards. And the people who once attended the explanatory meeting of the hazard map, which was held for the residents living inside the disaster-prone area four times after the publication of the hazard map, also tend to have more proper understandings. The people who are engaged to the tourism give more attention to the volcanic hazard than others. The respondents have strong tendency to require more knowledge about the volcanic activities and hazards. We can say that the further activities by scientists, engineers and administrative officers are expected in order to establish an informed consent, that is, there should be a decision-making by inhabitants themselves and support by officers in charge with detailed explanations.
著者
上 昭二 横川 和章 名須川 知子 岡部 毅
出版者
兵庫教育大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1992

本研究は、幼年児童期の「表現」の形成の過程を明らかにしようとしたものである。手続きは、出来る限り自然な状態の中で遊びを観察するために、本大学内プレイルームに、2組の親子に来訪してもらい、その様子を約40分間、4台のVTRで収録した。また、縦断的研究のために、5〜8回程度来訪してもらった。結果、4グループ,計26回分の収録ができた。それらのビデオテープを分析した結果、表現形成としては、1)身体の動きによる表現として「滑り台」を中心に分析したが、そこでは身体の方向性を変化させる動き,イメージを付加したという様々な動きの変化がみられ、また、自分でコントロールできる遊具を共にすべり台で使用する例がみられた。2)音による表現として、数台の楽器を配置したが、彼らは遊具として楽器を取扱っていた。しかしながら、そこには、「音」を媒介として、表現したいという意志が明確にあらわれていた。その結果、音を介した2者間の相互作用がみられた。3)幼年児童期の表現の形成は、音,描画,運動のような既成の教科的捉え方でみるのではなく、「遊び」の中で、表現の萌芽と発展が明らかに見い出せることがわかった。今後の課題としては、幼年児童期の個人における表現形成の過程について、7〜10年期にわたる長期的研究が必要であることを考える。本研究では数値上の、3年弱の表現形成の差違は見い出されなかった。
著者
小見山 章 井上 昭二 石川 達芳
出版者
一般社団法人日本森林学会
雑誌
日本林學會誌 (ISSN:0021485X)
巻号頁・発行日
vol.69, no.10, pp.379-385, 1987-10-25
被引用文献数
3

岐阜県荘川村の落葉広葉樹林で, バンド型デンドロメータを25種の落葉広葉樹に装着して1985年度の肥大生長の季節的過程を樹種間で比較した。肥大生長の過程を単純ロジスチック曲線に当てはめたところ, 19樹種はこの関係をほぼ満足した。他の6樹種はいずれも小径木にデンドロメータを装着したために, 測定結果のばらつきが大きかった。同曲線のパラメータから肥大生長の開始時期と終了時期, 生長速度が極大となる時期, および生長の立上りの緩急の程度を求めた。その結果, 肥大生長の開始時期はキハダの4月16日が最も早くミズキの6月7日が最も遅かった。ミズナラ, コナラ, クリなどの環孔材樹種の開始時期は散孔材樹種のそれよりも早かった。生長速度が極大となる時期はキハダの6月8日が最も早かったが, 他の樹種のそれは7月の梅雨期に集中していた。生長期間はミズキの81日間が最も短くミズナラの171日間が最も長かった。当地の落葉広葉樹は生長期間が長くしかも緩生長を行う樹種群と, 生長期間が短く急生長を行う樹種群とに分けられた。