著者
中井 徹
出版者
岩手大学大学院人文社会科学研究科
雑誌
岩手大学大学院人文社会科学研究科研究紀要
巻号頁・発行日
no.19, pp.1-22, 2010-06

ロゴセラピー(Logotherapy)とは,「夜と霧」の著者として有名な,オーストリアの精神科医フランクル(Frankl, V.E. 1905-1907)によって創始された心理療法である。ロゴセラピーでは,人間の基本的動機づけを「意味への意志」とし,人間を意味を求める存在と捉える。そしてFranklは安定した生活の中でそれでも感じる,むなしさ,漠然とした不安感,空虚感を「実存的空虚感」として指摘した。ロゴセラピーの目標としてFrankl(1975)は,「人間が自分の自由について自覚すること」「人間が自分の責任に基づいて意味や価値の世界に対して自己決定していくこと」を挙げている。人間には,環境,育ち等の様々な制限がある中でも,態度をとる自由があることを意識し,それを活かして,責任ある意味ある行動を選択していくこと,これが出来るようにロゴセラピーは援助するのである。
著者
中山 剛 中井 徹志 横田 恒一 外山 滋 加藤 誠志 岡谷 和典 上田 典之 植松 浩
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. WIT, 福祉情報工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.638, pp.19-24, 2005-01-20
被引用文献数
4

高次脳機能障害などの認知障害者の中には, 馴染んでいる道でも迷って道順がたどれない, あるいは地図が読めない方がいる.そのような地誌的障害のある認知障害者の屋内移動を支援するPDA用ソフトウェアを開発した.PDA画面上で現在地と目的地を選択すると自動的に経路を表示し, 次に進むべき部屋名などの場所をスクロールして順次表示する方式でナビゲーションを行うソフトウェアである.認知障害のある高次脳機能障害者5名を被験者として, 国立職業リハビリテーションセンター(埼玉県所沢市)の1階と3階の部屋をそれぞれ出発地, 目的地とした評価実験を行った.その結果, 特に行ったことがない建物内で有用との主観評価結果を得た.