著者
清野 淳司 大越 昌樹 中井 浩巳
出版者
公益社団法人 日本化学会・情報化学部会
雑誌
ケモインフォマティクス討論会予稿集 第38回ケモインフォマティクス討論会 東京
巻号頁・発行日
pp.24-25, 2015 (Released:2015-10-01)
参考文献数
5

完全基底関数極限における高精度な電子相関を含んだ電子相関エネルギーを高効率に算出することは化学的精度(1 kcal/mol以内)での量子化学計算を実現するために重要である。これまで種々の電子相関エネルギーの完全基底関数極限への外挿手法や、幾つかの計算レベル・基底関数でのエネルギーを組み合わせた複合法が提案されてきた。本研究では情報学手法を用いてより効率的に、完全基底関数極限におけるCCSD(T)レベルの電子相関エネルギーを算出する手法を提案する。
著者
高田 雄太 大越 昌樹 星野 稔 石川 敦之 石川 誠 中井 浩巳
出版者
日本コンピュータ化学会
雑誌
Journal of Computer Chemistry, Japan (ISSN:13471767)
巻号頁・発行日
vol.13, no.4, pp.242-249, 2014 (Released:2014-10-12)
参考文献数
47

DNAは電荷輸送特性を有し,生理的な機能のみならず電荷輸送デバイスとしての応用が期待されている.電荷輸送特性のうち,ホール移動に関して,実験的・理論的研究から多くの知見が得られてきた.しかしながら,過剰電子移動(EET)に対する知見は限定的である.本研究ではMarcus理論に基づいて,密度汎関数理論(DFT)レベルの量子化学計算によるDNA内EET速度の算出を試みた.隣接チミン間のEET速度の計算値(2.31 − 3.49 × 1010 s−1)は,実験値(4.4 ± 0.3 × 1010 s−1)を良く再現した.また,ミスマッチ(MM)塩基対を含む系に本手法を適用し,MM塩基対の挿入によるEET速度低下のメカニズムを明らかにした.
著者
米田 耕造 窪田 泰夫 荒木 伸一 中井 浩三
出版者
香川大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010-04-01

アトピー性皮膚炎は、掻痒の強い湿疹病変を主とする難治性皮膚疾患であり、フィラグリンタンパク質の遺伝子異常による。ロリクリンはフィラグリンと同様、表皮角層細胞の辺縁帯の主成分である。ロリクリン遺伝子の変異による疾患(亜型ボーウィンケル症候群)の臨床症状は、掌蹠角化症を合併した魚鱗癬であり、フィラグリン遺伝子機能喪失変異により生じる尋常性魚鱗癬の臨床症状に酷似している。本研究の目的は、アトピー性皮膚炎の動物モデルを作製し、その病態に関与するロリクリンの果たす役割を解析し、創薬に役立てることである。その目的に向けてわれわれはロリクリンノックアウトマウスを作製した。