- 著者
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中島 国彦
- 出版者
- 早稲田大学
- 雑誌
- 基盤研究(C)
- 巻号頁・発行日
- 2010
日本近代の文学と美術との相関に留意しながら、文学作品に描かれた自然や都市、さまざまな風景を「風景表象」としてとらえ、その近代における変遷、いくつかの典型的な事例における特色を分析し、ひいてはそうした見方を支える精神のありかたを歴史的に明らかにした。また、風景を描く文体、表現の特色をも考察した。中でも、明治中期の都市貧民窟を描いた松原岩五郎、足尾鉱毒問題で活躍した木下尚江・田中正造、明治大正の東京を描いた森鴎外・永井荷風・小川未明などの作品については、詳細な分析を加えた。あわせて、京都という場所を踏まえた文章を辿り、その成果を論文・著書のかたちで公表した。