著者
中村 眞理子
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.38, no.4, pp.383, 2019-08-15 (Released:2019-08-15)

格言,諺の類には,一般的に認識されている意味合いが真意と正反対であったりすることが,しばしばある.「弘法筆を選ばず」という言葉.「弘法」とは,平安時代初期の書の名人である弘法大師のことで,今から1,200年以上前の平安時代初期に,真言宗を開いた空海を指している.
著者
中村 眞理子 後藤 葉子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成27年度大会(一社)日本調理科学会
巻号頁・発行日
pp.205, 2015 (Released:2015-08-24)

【目的】調理の姿勢は、「右利きの場合、左の骨盤に拳を当ててまな板から45度くらいの角度で右を向く」とあり、包丁を持つ手は自然に真っ直ぐになり、疲れない一番楽な正しい姿勢とされている。脳血管障害後遺症による片麻痺者のリハビリテーションでは、調理訓練は重要な項目であり、片手で調理するための道具の工夫(自助具)や、立位バランスや耐久性の程度により、立位や座位での作業の検討がなされている。しかし、固定の代償など片手動作での調理に対応する方策に主眼が置かれており、構えに対する視点は希薄であるのが現状である。今回、障害者への調理動作訓練をより効果的に行うための視点として構えに注目し、健常者で自助具使用による構えの変化を検討した。【方法】大学生20名を対象とした(平均年齢21.1±0.58歳、男性8名、女性12名)。①~④の条件で、調理台上にまな板をセットした状態で包丁を持ち、調理台と体幹との角度をゴニオメーターで測定した。包丁は右手で把持①両手使用での構え(自助具使用なし)②片手動作(右手のみ使用・自助具使用なし)③自助具(ロッキングナイフ)使用での片手動作④自助具(釘付きまな板)使用での片手動作。加えて、課題終了後に感想を自由記載してもらった。【結果】①と②の結果の間に5度以上増加した群(以下A群)(11名)、5度以上の減少した群(以下B群)(9名)で比較した結果、①では両群に差はないが、①と③④の結果を比較すると、A群では③がB群では④が通常の構えに近いものとなった。両群の通常の構えに差はないことから、片手動作になったときの構えの変化という対象者の姿勢の代償の方策の違いにより、適応する自助具に違いがあることが示唆された。
著者
山田 惠子 堀口 雅美 中村 眞理子 谷口 圭吾 片岡 秋子 片倉 洋子 石井 貴男 和泉 比佐子 大日向 輝美 武田 秀勝 傳野 隆一 松嶋 範男 門間 正子 安川 揚子 旗手 俊彦 今井 道夫
出版者
札幌医科大学保健医療学部
雑誌
札幌医科大学保健医療学部紀要 = Bulletin of School of Health Sciences Sapporo Medical University (ISSN:13449192)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.17-26, 2010-03

生命倫理の問題や情報開示などの保健医療職に求められる倫理性を理解し、保健医療職の倫理性について自己の考えを明らかにすることができる力を養うことを目標にした保健医療総論IIIが、全学科共通必須科目として3年生を対象にして行われている。平成21年度はNHKスペシャル『トリアージ 救命の優先順位』を教材として、様々な役割にたった討議型グループ学習が行われた。新しい試みとして、グループ学習に先立ち、ビデオ鑑賞の感想文、倫理的思考問題など、個人単位で参加する学習を行った。グループ学習は、司会者、被災者、被災者の家族・遺族、医師、看護師、病院職員・救急隊員・救急救命士、ボランティア・一般市民、国・地方自治体の8グループに別れて学習する役割別グループ学習(A)と、異なる役割との話し合いを行う役割混成グループ学習(B) から構成され、A→B→Aの順にグループ討議が行われた。倫理的思考問題と学生によるレポート結果の解析から、役割混成グループ学習の導入は「視野の広がり」、「相手や自分の役割の理解」を助ける上で有効な方法であることが示された。
著者
後藤 葉子 中村 眞理子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成25年度(一社)日本調理科学会大会
巻号頁・発行日
pp.107, 2013 (Released:2013-08-23)

【はじめに】入院期間の短縮等に伴い、医療機関でのリハビリテーションは終了しものの退院後、実際の生活機能の獲得に至っていない在宅障害者が多い。我々は2004年11月より、このような在宅障害者を対象に調理を通しての在宅支援活動を実施しており、現在は当事者主体のサークル団体として登録し、公的福祉施設を利用して調理活動を継続している。今回はこれまでのサークル活動の経緯から、在宅障害者にとって調理活動のもたらす効果について紹介する。 <BR>【サークルの内容】サークル登録メンバーは在宅障害者6名、家族メンバー3名、支援者(作業療法士)2名である。サークル活動は月1回の3時間半、身体障害者福祉センター調理室にて調理,会食、後片付けといったスケジュールで行い、材料費は実費負担としている。 <BR>【経過】自炊を必要する独居の女性1名からのスタートであったが、徐々に参加者が増え、現在は障害のため家事の役割を喪失した主婦、車椅子の重度障害者、コミュニケーション障害をもつ失語症の独居者、さらに家族の支援も含めた活動へと展開している。当初は身体機能を考慮しながら,我々が意図的にメニュー、調理方法・行程を決定していたが、次第に参加者の自主性を重んじるように心掛け、運営形態も当事者主体のサークル団体とした。現在はメニュー選択や役割分担など参加者間で決定し、料理レシピを自宅で再現する等、各々の役割や責任感、参加者同士の連帯感や協調性を養う場となってきた。 <BR>【まとめ】当事者主体のサークル活動を通じて、食べる楽しみや調理できる喜びの再獲得、また、できないと諦めていたことへの挑戦、障害者同士の交流の機会となっており、意欲的な在宅生活継続に繋がるっているものと考える。