- 著者
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後藤 葉子
中村 眞理子
- 出版者
- 日本調理科学会
- 雑誌
- 日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成25年度(一社)日本調理科学会大会
- 巻号頁・発行日
- pp.107, 2013 (Released:2013-08-23)
【はじめに】入院期間の短縮等に伴い、医療機関でのリハビリテーションは終了しものの退院後、実際の生活機能の獲得に至っていない在宅障害者が多い。我々は2004年11月より、このような在宅障害者を対象に調理を通しての在宅支援活動を実施しており、現在は当事者主体のサークル団体として登録し、公的福祉施設を利用して調理活動を継続している。今回はこれまでのサークル活動の経緯から、在宅障害者にとって調理活動のもたらす効果について紹介する。 <BR>【サークルの内容】サークル登録メンバーは在宅障害者6名、家族メンバー3名、支援者(作業療法士)2名である。サークル活動は月1回の3時間半、身体障害者福祉センター調理室にて調理,会食、後片付けといったスケジュールで行い、材料費は実費負担としている。 <BR>【経過】自炊を必要する独居の女性1名からのスタートであったが、徐々に参加者が増え、現在は障害のため家事の役割を喪失した主婦、車椅子の重度障害者、コミュニケーション障害をもつ失語症の独居者、さらに家族の支援も含めた活動へと展開している。当初は身体機能を考慮しながら,我々が意図的にメニュー、調理方法・行程を決定していたが、次第に参加者の自主性を重んじるように心掛け、運営形態も当事者主体のサークル団体とした。現在はメニュー選択や役割分担など参加者間で決定し、料理レシピを自宅で再現する等、各々の役割や責任感、参加者同士の連帯感や協調性を養う場となってきた。 <BR>【まとめ】当事者主体のサークル活動を通じて、食べる楽しみや調理できる喜びの再獲得、また、できないと諦めていたことへの挑戦、障害者同士の交流の機会となっており、意欲的な在宅生活継続に繋がるっているものと考える。