著者
神田 博史 徳本 和佳子 坂本 季代恵 藤井 美智子 平井 裕子 山崎 和男 菰田 泰夫 中村 英雄 石原 茂正 内田 勝
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
Chemical & pharmaceutical bulletin (ISSN:00092363)
巻号頁・発行日
vol.33, no.4, pp.1367-1374, 1985-04-25
被引用文献数
12

The MeOH extract of Ganoderma lucidum has an inhibitory action on histamine release from rat mast cells. From the physiologically active fraction of the extract, along with the known triterpenes ganoderic acids A and B, two new triterpenes were isolated and named ganoderic acids C and D. The structures of ganoderic acids C and D were determined to be 3β, 7β, 15α-trihydroxy-11,23-dioxo-5α-lanost-8-en-26-oic acid and 7β-hydroxy-3,11,15,23-tetraoxo-5α-lanost-8-en-26-oic acid respectively. Ganoderic acids C and D were shown to inhibit histamine release from rat mast cells. Quantitative analysis of these triterpenes was performed for the purpose of crude drug quality control.
著者
西村 文夫 岡崎 邦夫 中村 英雄 野本 直
出版者
一般社団法人日本歯科理工学会
雑誌
歯科材料・器械 (ISSN:02865858)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.71-77, 1986-01-25
被引用文献数
16

10歳台の女子から抜去した新鮮な第3大臼歯から, 直径0.8〜1.0mm, 高さ0.8〜2.2mmのエナメル質と象牙質の円柱状試片を作製した.純銅製中空ドリルとアルミナペーストを併用し, 回転速度2, 000rpm, 負荷1N(100gf)で切削する方法を開発し, 圧縮試験によって比例限, 耐力, 破断強さ, 弾性係数, 歪などを測定した.試験片は, エナメル小柱や象牙細管などの方向や部位に留意して作製し, 圧縮試験は毎分0.1mmのクロスヘッドスピードで行った.次のような結果がえられた.1.エナメル質の圧縮特性は, 小柱の方向に強く影響を受けるが, 象牙質は影響を受けない.2.エナメル小柱の長軸方向と平行に圧縮した場合の圧縮特性は最小となり, 小柱の鍵穴型の頭から尾を通る軸と平行に圧縮した場合は中間の値となり, 鍵穴型を真横から圧縮した場合が最大の値を示した.3.エナメル質の圧縮耐力は測定できなかったが, 破断強さは270〜440MPaであり, 象牙質の圧縮耐力は210〜220MPaであった.
著者
本村 一朗 中村 英雄
出版者
東京医科歯科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2001

著者らはこれまでチタンの審美歯科補綴の応用に不可欠な前装技術の確立と向上のためにチタンと陶材の焼付けについて研究を行ってきた。本研究はチタン板表面に表面改質装置の出力および照射時間を変化させ、ぬれ性の変化からチタン表面への陶材焼付に最適な条件を求めることにある。前年度では表面処理前の使用金属、純チタンの板上試片の作成および表面改質の条件について検討を行った。本年度は表面改質としてプラズマエッチング処理のみ、プラズマエッチングを行いながらの窒化処理を行い、そのチタン板に陶材の築盛、を行った。なお表面改質を行った板上試片の作成は(1)現在歯科で用いられているロストワックス法による鋳造加工(チタン表面は鋳造時生成される反応層に覆われるため、陶材焼成を行うと界面からの破壊が起こりやすくなる)、(2)高エネルギー加工法としてワイヤ放電加工((1)による反応層の生成を排したもの)の2種類とした。表面改質ではエッチングおよび窒化時間条件により陶材焼成時の酸化が最小限に押さえられたが剪断試験測定時に剥離をきたし、焼付強さの向上には結びつかなかった。これは窒化により陶材築盛面への極度なぬれ性の低下によるものと考えられ、放電加工試片を用いぬれ性の向上のみに努めたプラズマエッチング処理が本研究において最適条件と考えられた。現在、金属コーピングの作成は鋳造が主流であるが今後鋳造以外の加工による歯科補綴物作製法を確立する事が急務と考えられる。チタンへの反応層を生成しない加工法とともにチタン用焼付陶材を用いた審美歯科技術の確立に、本研究で得られた結果はチタンの歯科応用の更なる発展に寄与できるものと考えられる。