著者
岡崎 邦夫 中山 行穂 川井 信子
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.29, no.9, pp.547-552, 1982-09-15 (Released:2010-01-20)
参考文献数
3

市販の果実飲料(86試料)および炭酸飲料(21試料)の糖組成をHPLC法を用いて測定し,以下の結果を得た。(1) Nucleosil 5NH2カラムは5種類の糖(果糖,ブドウ糖,ショ糖,麦芽糖,乳糖)の分離が良好であった。(2) 天然果汁においてミカン果汁の糖組成はショ糖が主成分であり,リンゴ果汁は果糖が多く,ブドウ果汁はショ糖がほとんど認められなかった。(3) 果肉飲料の合計糖量は最も多く,他の飲料に比べ甘口であった。(4) 果粒入り果実飲料および果汁入り清涼飲料の果汁含有率の低い飲料では,添加された糖の影響で,原材料の天然果汁の糖組成の特徴がなく,糖組成およびその比率は果汁の種類に関係なくほぼ一致していた。(5) 炭酸飲料の無果汁は,添加糖類として砂糖単独の使用頻度が多く,果汁入りよりも2倍のショ糖含量であった。
著者
西村 文夫 岡崎 邦夫 中村 英雄 野本 直
出版者
一般社団法人日本歯科理工学会
雑誌
歯科材料・器械 (ISSN:02865858)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.71-77, 1986-01-25
被引用文献数
16

10歳台の女子から抜去した新鮮な第3大臼歯から, 直径0.8〜1.0mm, 高さ0.8〜2.2mmのエナメル質と象牙質の円柱状試片を作製した.純銅製中空ドリルとアルミナペーストを併用し, 回転速度2, 000rpm, 負荷1N(100gf)で切削する方法を開発し, 圧縮試験によって比例限, 耐力, 破断強さ, 弾性係数, 歪などを測定した.試験片は, エナメル小柱や象牙細管などの方向や部位に留意して作製し, 圧縮試験は毎分0.1mmのクロスヘッドスピードで行った.次のような結果がえられた.1.エナメル質の圧縮特性は, 小柱の方向に強く影響を受けるが, 象牙質は影響を受けない.2.エナメル小柱の長軸方向と平行に圧縮した場合の圧縮特性は最小となり, 小柱の鍵穴型の頭から尾を通る軸と平行に圧縮した場合は中間の値となり, 鍵穴型を真横から圧縮した場合が最大の値を示した.3.エナメル質の圧縮耐力は測定できなかったが, 破断強さは270〜440MPaであり, 象牙質の圧縮耐力は210〜220MPaであった.
著者
西村 文夫 岡崎 邦夫 河野 陽一 小森 一大 野本 直
出版者
一般社団法人日本歯科理工学会
雑誌
歯科材料・器械 (ISSN:02865858)
巻号頁・発行日
vol.5, no.4, pp.449-454, 1986-07-25
被引用文献数
8

人歯エナメル質と象牙質から小型の円柱状試片を切り出して圧縮試験とマイクロビッカース硬さ試験を行い, 試片の高さ/直径比, 試験速度(応力増加率, 歪増加率), 硬さなどと圧縮特性(比例限, 耐力, 破断強さ, 弾性係数, 縮み)との相関性を検討し, 次のような結論を得た.1.試験片の高さ/直径比はエナメル質や象牙質の圧縮特性に全く影響を与えない.2.試験速度(応力増加率, 歪増加率)は部分的に圧縮特性に影響を与える.3.エナメル質の硬さと圧縮特性との間には強い相関がある.4.象牙質の硬さと耐力との間には正の相関がある.