著者
中沢 弘
出版者
公益社団法人日本航海学会
雑誌
日本航海学会誌 (ISSN:04666607)
巻号頁・発行日
no.8, pp.21-28, 1953-05-25

大洋航行中、星の観測による船位測定の重要なことは、論をまたないが、早朝のように早くから星が見え、関係位置の知れる時は別として、夕刻水平線のまだ判明するうちに3或は4の星を観測する場合、又、早朝や月明のもれる時雲間に散在する星を観測する場合、現在使用されている索星表のような複雑な計算を計算尺により、より簡単に、より早く推定位置と時刻から、恒星の高度、方位を予め求めて置き、船位測定を迅速に行いたいと思うものであります。利点としては次のようなことが挙げられます。1.推定位置と時刻(S.A.T.或はS.M.T.いづれでもよい)により予め、星名と高度、方位が知れます。従つて日没後20分位に於て計算して置けば、六分儀で星を水平線までをろしてくる、わずらはしさがなく、3或は4個の星の同時観測が出来ます。2.精度は略1°以内で計算出来るから、他の星と間違うことがありません。3.我々技術者として当然持つているだろうところの逸見式計算尺と恒星図(天測歴、天測略歴巻未)だけでよい。尚惑星については、惑星図を参考にして慨知します。4.ナ式図表によれば計算が更に簡単であるから正確な星座早見として使用出来ます。
著者
掛川 武 長瀬 敏郎 中沢 弘基 関根 利守 長瀬 敏郎 中沢 弘基 関根 利守
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2006

本研究は、初期地球の海洋に隕石が衝突し、そこでアミノ酸が生成され、そのアミノ酸が地球内部で重合し、やがて生命に進化したことを実験的に検証する課題である。隕石の海への落下実験に成功し、世界で初めて衝撃環境でのアミノ酸生成に成功した。地殻内部での高温高圧条件でアミノ酸重合にも世界で初めて成功し、タンパク質前駆体のペプチドを生成した。
著者
中沢 弘 和泉 隆志
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. C編 (ISSN:03875024)
巻号頁・発行日
vol.62, no.601, pp.3719-3724, 1996-09-25
被引用文献数
4

This paper deals with fundamental research on the development of human-oriented CNC machine tools which allow workers to feel pride and pleasure in making full use of their abilities in manufacturing. As a step toward realizing human-oriented CNC machine tools, we tried to extend the sense of touch of workers by developing cutting a torque feedback handle through which workers can feel the rotational resistance corresponding to cutting torque. This system has been evaluated by inexperienced and skilled workers of engine lathes and CNC machine tools using the information integration method. The results show that use of the cutting torque feedback handle greatly improves workers, satisfaction when carrying out NC lathe work.
著者
古川 善博 関根 利守 大庭 雅寛 掛川 武 中沢 弘基
出版者
日本惑星科学会
雑誌
遊・星・人 : 日本惑星科学会誌 (ISSN:0918273X)
巻号頁・発行日
vol.18, no.4, pp.226-237, 2009-12-25
被引用文献数
1

生命の構成物質である,アミノ酸や核酸塩基,糖などの生物有機分子が生命誕生前の地球にどのように誕生したのかということは,生命起源解明の根幹を成す課題である.本稿では初期地球における隕石の海洋衝突による生物有機分子の生成について解説する.地球外物質の初期海洋への重爆撃は,後期重爆撃と呼ばれる38-40億年前に起きたと考えられている.著者らはこの現象を実験室で再現し,鉄,ニッケル,アモルファス炭素,水,窒素から有機物が生成するかどうかを明らかにするための衝突回収実験を行った.実験の結果,多種のカルボン酸,アミンおよびグリシンが生成することが明らかになった.この結果と衝突実験条件および有機物生成過程から隕石の後期重爆撃による生物有機分子の生成という,生命起源物質の新たな生成過程を示唆することとなった.