著者
鬼頭 秀一 丸山 康司 佐藤 哲 井上 有一 池田 啓 桑子 敏雄 丸山 徳次 白水 士郎 森岡 正博 松田 裕之 森岡 正博 蔵田 伸雄 松田 裕之 瀬戸口 明久 立澤 史郎 福永 真弓 吉永 明弘 富田 涼都 安田 章人 二宮 咲子
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

生物多様性保全と自然再生の理念は、地域社会の文化や社会のあり方と密接に結びついており、そのようなものを統合した「地域再生」の理念と深い関係がある。そのため、自然と社会や文化の入れ子状態の中で、「サステイナビリティ」などの自然にかかわる理念も社会や文化の理念から再定義されなければならない。そのようなことを実践的に可能にするための人材育成のあり方を実践的に提示するとともに、生物多様性保全や自然再生が、治水や災害などの問題も含めた包括的な環境や社会のあり方、さらには、エネルギーや脱炭素化社会の構築にも展開できる社会的な論理を提示した。『環境倫理学』(東京大学出版会)を出版してその成果の内容を提示した。
著者
丸山 徳次
出版者
関西社会学会
雑誌
フォーラム現代社会学 (ISSN:13474057)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.26-34, 2005-05-28 (Released:2017-09-22)

日本の大学における社会学のありようについての社会学者による反省は、哲学者による哲学についての反省と極めて類似している。第一に「暗い」とか「かたい」とかいったイメージや世間的評価に悩む点で類似している。第二に、理論や方法論の紹介や研究が、現実社会の問題の究明よりも尊重される、ということに対する学問の現状批判の点で類似している。第三に、学問構造が類似している。社会学は、近代における社会諸科学の成立と連動しながらも「最後の社会科学」と言われるが、それはまた、哲学から自立していった「最後の科学」でもある「越境する知」としての社会学の不安定さは、ハードなパラダイム科学となり得ない学の宿命であると同時に、絶えざる自己反省を必然とする哲学的性格にもよる。こうして、大学教育のあり方への反省は、学およびその対象(近代社会)の生成についての歴史的反省と結びつく必要があるし、それを教育に生かす必要がある。また、当の学問の意義自体を反省すると同時に、新しい制度化を考えることにつながらねばならない。そこで一つのヒントを与えているのは、応用倫理学の新たな胎動である。応用倫理学は、科学技術の高度の発達がもたらす社会問題に応答するものである。こうした時代と社会の「切実な問題」の解決には、多様な専門家が参集する「問題共同体」が形成される必要がある。社会学がそこで期待されるのは、社会調査の能力であって、哲学的自己反省の能力ではない。
著者
丸山 徳次
出版者
環境技術学会
雑誌
環境技術 (ISSN:03889459)
巻号頁・発行日
vol.23, no.7, pp.467-471, 1994-07-30 (Released:2010-03-18)