著者
長谷 博子 丸山 眞澄 佐橋 那央子 平林 由果
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.68, 2016

目的 生活の中の香りについて,香り付き商品の使用状況と香りに対する意識を探るため、アンケート調査を実施した. &nbsp; <br>方法 調査は,10歳代以上の男女を対象とし,2015年9月~10月に実施した.学生は集合調査法,その他は留置調査法により調査した.居住空間,衣服,身体に分け,香り付き商品の使用状況,香りに対する意識や嗜好を尋ねた.自意識尺度や生活習慣についても尋ね,それらとの関連を分析した.&nbsp; <br>&nbsp;結果 有効回答数は996部で,男性27.2%、女性72.8%であった.学生が77.7%を占めており,回答者の79.6%が10~20歳代で,30~40歳代,50~60歳代以上は,それぞれ1割程度であった.居住空間は,「何もしない」が居間・寝室・玄関では40~60%と最も多いが,香り付けには,ルームフレグランススプレー型と置き型が多く使用されていた.衣服から香りがする方が好きと回答したのは,約8割であった.香りを好む程度が高いほど、香り付けを行うという関係が認められた.衣類への香り付けには,柔軟剤や衣類用スプレー・ミストが主に使用されていた.ファッションに気を遣っている人ほど,また流行を意識している人ほど,衣類への香り付けをしていた.自意識尺度の高い人ほど衣類や身体からの香りを好み,自分や他人,居住空間のにおいを気にする傾向が確認された.このことから,香りへの意識の高さは、自意識尺度の高さと関係していることが考えられる.
著者
高松 操 石上 桂子 乾 宏子 丸山 眞澄 市場 丈規 髙橋 晋也
出版者
一般社団法人 日本色彩学会
雑誌
日本色彩学会誌 (ISSN:03899357)
巻号頁・発行日
vol.41, no.3, pp.102-105, 2017

25名の女性の頬を測色し,分光反射率曲線と物理測色値を得た.また,510-600nmの凹み面積をヘモグロビン(Hb)影響度として算出した.同時に,「色白さ」や「色み(赤み−黄み)」,「透明感」といった肌の印象を視感評価した.Hb影響度を含む測色値と視感評価の結果を比較した結果,肌の色特有の色の見えを確認した.明度が高い肌(L*>68)は,色相値やHb影響度に依らず「色み(赤み−黄み)」評価が中庸となり「色白」と評価された.明度が低い肌(L*<63)はHb影響度が高い場合が多く,色相は赤み寄りであったにも関わらず「色黒」で「黄み」と評価された.中明度の肌(63≦L*≦68)では,Hb影響度が高く赤み寄りの場合は「赤み」で「色白」に,Hb影響度が低く黄み寄りの場合は「黄み」で「色黒」と評価されやすかった.このように,「色白さ」は明度や白さだけでなく色相にも依存する一方,「色み(赤み−黄み)」の判断も色相だけでなく明度や白さに依存するという結果が示された.この結果から,肌の色を高明度・中明度でHb影響度が高い・中明度でHb影響度が低い・低明度の4タイプに分け,分光反射率曲線と肌印象視感評価プロフィールからその特徴をまとめた.