著者
丸茂 みゆき
出版者
文化女子大学
雑誌
文化女子大学紀要. 服装学・造形学研究 (ISSN:13461869)
巻号頁・発行日
vol.32, pp.111-121, 2001-01-31

住宅の計画は,どの部屋にどの様な家具が基本的に配置されて部屋がしつらえられているのかを把握していなければ,適切な設計がなされない。しかし今日の住宅はライフスタイルの多様化と,それにともなった住宅の平面・インテリアへの要望が多種多様になっており,部屋に対する家具の配置も今までとは異なった状況であると想定できる。その為,設計資料の既存データとして提供されている,基本的な家具の形状や寸法とは変化してきている状況が考えられる。そこで本研究では,現在居住している住宅を対象に家具配置に関する調査を行い,家具配置において基本となる設計資料を求めることを目的とした。分析は部屋と家具の種別を分類整理し明確化することとした。その結果, 「部屋の和洋形式の違いにおける家具配置の特徴」「収納家具の大型化や座家具の小型化などにおける標準的寸法・形状からの変化の動向」「行為ごとに分類された部屋ごとの主要設置家具の明確化,それに伴う家具の占有状態」が導き出され,設計資料の基礎的データとして活用できるものをまとめることができた。
著者
沢田 知子 内田 青蔵 渡辺 秀俊 谷口 久美子 丸茂 みゆき
出版者
一般財団法人 住総研
雑誌
住宅総合研究財団研究年報
巻号頁・発行日
vol.26, pp.191-202, 2000

本研究では,首都圏に建設された築後約20年の集合住宅を対象にして,居住者の家族構成と住まい方の変化,環境移行の様態を明らかにした。実態調査の結果,「夫婦と子供」の標準世帯として入居した当初居住者層が,子供の独立別居を経て「夫婦のみ」の非標準世帯に移行していることが確認された。また,壮年夫婦のみの世帯では,退職を機に在宅時間が増加し,夫や妻の個人的な時間の過ごし方が拡大したこと,別居子の子供室を利用して,夫婦が別就寝に移行したり,夫や妻の個人専用部屋が設けられることが明らかになった。また,私的な行動を支援する拠点が個人専用部屋以外に広く点在し,個人領域が住戸内に拡大している実態が明らかになった。
著者
沢田 知子 丸茂 みゆき 曽根 里子 谷口 久美子 渡邊 裕子 山下 哲郎 南 一誠 高井 宏之 西野 亜希子
出版者
工学院大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008-04-08

本研究は、近年の長寿命住宅への要請を踏まえ、官民の供給事例を対象に、体系的・経年的調査を実施し、「長寿命住宅(ハード)に対応する住まい方像(ソフト)」を明らかにすることを目的とした。調査(3種)として、「フリープラン賃貸住宅」の居住過程調査、「公的賃貸住宅(KSI含む)のライフスタイル調査、「住まいのリフォームコンクール」入賞作に関する調査を実施。その成果物として、日本建築学会査読論文3編、「長寿命住宅に対応する住まい方事例集」報告書等を作成した。また、100年超を視野に入れた長寿命化を図る「リフォーム計画論」として、現存住宅の所有者更新に力点をおいた「計画技術」を蓄積する必要性を示唆した。