著者
丹羽 啓子 / 久世 淳子 / 武田 啓子 / 水谷 なおみ / 藤原 秀子
出版者
日本福祉大学社会福祉学部
雑誌
日本福祉大学社会福祉論集 = Journal social Welfare, Nihon Fukushi University (ISSN:1345174X)
巻号頁・発行日
no.141, pp.95-102, 2019-09-30

著者らはこれまで介護職員が抱く「介護観」に着目し,「介護観」が介護実践に及ぼす影響について研究に取り組んできた.「介護観」に類似する概念として,ソーシャルワーク(社会福祉)の領域では「援助観」という語が用いられており,「援助観」は専門職としての判断の基盤となるものとされている(日和(2012);34). 本稿では,CiNii を用いて文献検索を行い,該当する文献6 件から福祉専門職の援助観にみられる共通項を整理した.その結果,福祉専門職の援助観に通底するものとして,「クライエントを尊重すること」,多職種・クライエントとの「連帯・協働・共有」,「内性的・反省的実践」,「生活者としての視点」が抽出された. 今回の文献検討の結果をふまえ,今後は介護職員を含めた福祉専門職の「援助観」(または「介護観」)の形成過程について検討していきたい.
著者
栃尾 巧 森地 恵理子 広瀬 統 中田 悟 久世 淳子
出版者
The Society of Cosmetic Chemists of Japan
雑誌
日本化粧品技術者会誌 (ISSN:03875253)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.121-127, 2008-06-20 (Released:2010-08-06)
参考文献数
18

近年の研究から, メイクアップは心理的な指標だけでなく生理的な指標においても精神的ストレスの緩和効果があることが示されている。本実験において, われわれは, 精神的ストレスとsuperoxide dismutase (SOD), catalase (CAT) のような活性酸素消去酵素の関係およびメイクアップによる精神的ストレス緩和効果の活性酸素消去酵素に対する影響について調べた。実験1において, 精神的ストレス負荷前後に唾液中のコルチゾール濃度とSOD活性を測定したところ, 負荷前に比べコルチゾール濃度の増加とSOD活性の低下がみられた。また, 実験2において, 精神的ストレス負荷後にメイクアップを行った実験群は, 精神的ストレス負荷前に比べ, 唾液中のコルチゾール濃度は減少傾向にあり, SOD, CAT活性は増加した。また, 心理的効果として, 状況不安の低下や精神的健康度の上昇などが示された。以上の結果から, メイクアップは精神的ストレスによる心理的不安を解消し, 活性酸素消去酵素の活性低下を抑制すると考えられた。