著者
村田 健一朗 広瀬 統一
出版者
一般社団法人 日本アスレティックトレーニング学会
雑誌
日本アスレティックトレーニング学会誌 (ISSN:24326623)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.11-17, 2018-10-31 (Released:2019-01-26)
参考文献数
30
被引用文献数
1

In this article, we focus on the injury characteristics of youth athletes. First, we organize the physical characteristics of children during adolescent growth. Next, grasp the actual condition of injury of youth athlete in Japan. Finally, we summarize activities of sports organizations in Japan on injury prevention of youth athletes who are drawing the attention of sports orthopedic surgeons. During growth spurt phase, children have structurally fragile parts such as epiphysis and epiphyseal line, whose body structure is different from adults. The characteristic of sports injuries during the growth spurt phase occurs due to the fact that the growth of tissues such as the increase in bone mass and surrounding muscle tendons slightly lag against rapid bone growth. The sports injury is a summary of the traumatic injury in which the tissue is damaged by a major external force and the overuse injury in which the tissue gradually becomes damaged due to repeated minor external forces. Youth athletes often cause fractures and sprains in trauma and often develop osteochondrosis or stress fractures in overuse injury. In this study, individual body maturity is not taken into consideration, and it is caused by exercise practice in the physical disparity and over training due to load not matching body maturity. It is important in prevention of sports injuries to change the conditioning method, training and coaching method based on body maturity.
著者
広瀬 統一 平野 篤
出版者
Japan Society of Human Growth and Development
雑誌
発育発達研究 (ISSN:13408682)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.37, pp.17-24, 2008-02-01 (Released:2010-03-12)
参考文献数
21

In this study, we examined the relationship between birth-month distribution, skeletal age, height, and weight in adolescent soccer players. The participants were 271 well-trained male adolescent soccer players aged between 9.1 to 15.9 years (N=101 for U12, N=132 for U15, and N=38 for U18). They were divided into four groups according to their month of birth (Q1: Apr-Jun, Q2: Jul-Sep, Q3: Oct-Dec, and Q4: Jan-Mar). Then, the number of players in each group was compared with the standard population of children in Tokyo. Our result showed significant asymmetries in the birth-month distribution for participants of all age groups (p<0.001); it was less than 10% for participants belonging to group Q4. However, no significant difference in maturation ratio (skeletal age-chronological age) was seen among the groups. Moreover, skeletal age did not differ significantly among birth-month for all groups except for Q3. These tendencies were also seen in height and weight distributions. These findings imply that players who biologically mature at an early stage may be selected systematically as soccer players at competitive levels; however, biases based on maturation and physique may cause asymmetric birth-month distribution, as seen in this study.
著者
栃尾 巧 森地 恵理子 広瀬 統 中田 悟 久世 淳子
出版者
The Society of Cosmetic Chemists of Japan
雑誌
日本化粧品技術者会誌 (ISSN:03875253)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.121-127, 2008-06-20 (Released:2010-08-06)
参考文献数
18

近年の研究から, メイクアップは心理的な指標だけでなく生理的な指標においても精神的ストレスの緩和効果があることが示されている。本実験において, われわれは, 精神的ストレスとsuperoxide dismutase (SOD), catalase (CAT) のような活性酸素消去酵素の関係およびメイクアップによる精神的ストレス緩和効果の活性酸素消去酵素に対する影響について調べた。実験1において, 精神的ストレス負荷前後に唾液中のコルチゾール濃度とSOD活性を測定したところ, 負荷前に比べコルチゾール濃度の増加とSOD活性の低下がみられた。また, 実験2において, 精神的ストレス負荷後にメイクアップを行った実験群は, 精神的ストレス負荷前に比べ, 唾液中のコルチゾール濃度は減少傾向にあり, SOD, CAT活性は増加した。また, 心理的効果として, 状況不安の低下や精神的健康度の上昇などが示された。以上の結果から, メイクアップは精神的ストレスによる心理的不安を解消し, 活性酸素消去酵素の活性低下を抑制すると考えられた。
著者
江波戸 智希 廣重 陽介 吉岡 利貢 広瀬 統一
出版者
一般社団法人 日本アスレティックトレーニング学会
雑誌
日本アスレティックトレーニング学会誌 (ISSN:24326623)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.75-84, 2021-10-31 (Released:2021-11-26)
参考文献数
29

股関節・鼠径部痛(Groin Pain:以下GP)の既往者におけるランニング動作の特徴を3次元動作解析を用いてバイオメカニクス的に明らかにすることを目的とした.過去1年間に股関節・鼠径部に痛みを有したことがある脚,11脚を股関節・鼠径部痛群(GP群)とし,痛みの既往がない脚,14脚をコントロール群(C群)として検討を行った.結果,GP群のランニングの特徴として支持期において遊脚側の骨盤が下制しているトレンデレンブルグ徴候が認められた.また股関節は内転位となり,足関節は回外から回内への角度変化が少なかった.GPのリハビリテーション・予防にはランニング動作における骨盤,股関節,足関節運動の改善の必要性が示唆された.
著者
砂川 憲彦 真鍋 知宏 半谷 美夏 細川 由梨 奥脇 透 広瀬 統一 中山 晴雄 武冨 修治 笠原 政志 眞下 苑子 増島 篤
出版者
一般社団法人 日本アスレティックトレーニング学会
雑誌
日本アスレティックトレーニング学会誌 (ISSN:24326623)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.155-171, 2022-04-30 (Released:2022-06-05)
参考文献数
43

一般社団法人日本臨床スポーツ医学会および一般社団法人日本アスレティックトレーニング学会は,スポーツ外傷・障害調査の標準化に向けた有識者によるワーキンググループ(WG)を2020年12月に立ち上げ,本邦のスポーツ現場の実態に即した調査の実施方法について検討した.WGではスポーツ外傷・障害および疾病調査が国内の大学スポーツ現場において前向きに実施されることを想定し,基本項目についてノミナル・グループテクニックおよびデルファイ法を用いて検討した.その結果,記録者の属性,調査対象の定義,記録項目,疫学データの表現方法,収集されたデータの取り扱いに関する留意事項などに関する全8つの推奨文をまとめた.
著者
広瀬 統 田中 浩 岡田 富雄 小西 宏明
出版者
The Society of Cosmetic Chemists of Japan
雑誌
日本化粧品技術者会誌 (ISSN:03875253)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.5-8, 1989-06-25 (Released:2010-08-06)
参考文献数
14

The purpose of this study was to investigate the incidence of parakeratotic stratum corneum cells on the cheek skin surface from 335 healthy subjects and the changes of them according to their ages. We also studied the quantitative levels of parakeratotic cells in various regions of face. Stratum corneum cells were collected by tape-stripping method and observed with hematoxyrin-eosin stain after formalin fixation.In our results, parakeratotic cells were observed in 68.4% of the total subjects, 64.4% of them were women and 72.7% of them were men. They were observed at about 80% in second and third decades of women and decreased as the age advanced. On the other hand, they were observed at about 80% after the first decade in men.Quantity of parakeratotic cells was the highest in upper cheek and followed by the forehead and nose. They were seldom observed below the cheek and chin.It was suggested that the parakeratotic cells were appeared in the stratum corneum cells in face, because our facial skin is always exposed to many external stimulations such as ultraviolet rays and so on and turn over of epidermis was accelerated. Moreover, we strongly suggested that sebum is one of the factor causing parakeratosis. Because parakeratotic cells were observed more frequently in the region where sebum level was high and most of them were observed around the pore of the hairs.Appearance of parakeratotic cells on skin surface implied the loss of skin barrier function and was important problem to the beauty and healthinèss of skin.
著者
山口 弘毅 大隅 和寿 坂井田 勉 広瀬 統 八代 洋一 中田 悟
出版者
日本化粧品技術者会
雑誌
日本化粧品技術者会誌 (ISSN:03875253)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.27-32, 2017 (Released:2017-03-22)
参考文献数
11

毛穴の目立ちの原因となる角栓は,角質や皮脂が毛孔内で凝固して発達したものと考えられていたが,われわれの研究から角栓形成には毛包中の内毛根鞘が関与する可能性が考えられた。また,男性ホルモンの活性化が角栓形成に関与することも明らかにした。これらの結果から,内毛根鞘の形成阻害や男性ホルモンの活性化抑制が角栓形成を防ぎ,結果として毛穴を目立たなくさせると考え,有効成分としてザクロ発酵液を同定した。さらに,ザクロ発酵液を配合したミルクローションを2ヵ月間女性被験者16名(平均年齢30.3歳)に連用させたところ,ポルフィリン量を指標にした角栓の目立ち,およびレプリカにおける毛穴の深さ解析において改善効果を得た。以上の結果から,ザクロ発酵液が角栓形成を抑制し,毛穴の目立ちを改善すると考えられた。
著者
広瀬 統一
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2023-04-01

本研究は、スポーツ活動中に好発するハムストリング肉離れの再発予防のために開発された傾斜台を用いて行う「インクライン・ノルディックハムストリングエクササイズ(NHE)」の予防効果に関する学術的基盤の構築を目的とする。そのため、ハムストリング、特に大腿二頭筋の肉離れ既往者を対象にして、本プログラム実施中の①両側・片脚実施時の筋活動の健側差、②エクササイズ介入後のスプリント中の筋の振る舞いと動作変化、③肉離れの再発予防効果の3つの課題を検討する。
著者
広瀬 統一 鳥居 俊 小野 高志 笹木 正悟
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01

本研究は成長期男女サッカー選手の形態と運動能力が発達する時期を、身長発育急増(PHVA)で区分けした成長段階を用いて明らかにすることを主目的とした。PHVA評価指標の検討と、各年齢の運動能力リファレンスデータ確立も目的とした。本研究の結果、跳躍能力はPHVA年齢の1年後(女子)や2年後(男子)に変化し、除脂肪体重の変化以外の要因も影響すること、方向転換能力はPHVA前に変化し、減速能力向上が主に影響すること、間欠的運動能力の変化はPHVA区分で差がないことが明らかとなった。また、PHVA推定式のMaturity Offset法はPHVAを高く見積もり、補正が必要であることが明らかとなった。
著者
柳下 幸太郎 広瀬 統一
出版者
一般社団法人 日本アスレティックトレーニング学会
雑誌
日本アスレティックトレーニング学会誌 (ISSN:24326623)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.37-43, 2016-11-12 (Released:2019-05-27)
参考文献数
29
被引用文献数
1

本実験では骨盤傾斜の違いが動作の遅速に与える影響を検証することを目的とした.被験者は健常な男子大学サッカー選手13名.方法は骨盤自然肢位(n.p)と後傾位(p.t)の2つの姿勢をとりダッシュを行った.評価は床反力,筋活動量(%MVC),重心位置を比較した.実験結果は動作開始時間において右脚離地までの時間がp.tのほうが有意に遅い値を示した.重心位置は静止時,体幹移動開始時の局面でp.tの方が後方にあった(p<0.05).床反力は水平方向,鉛直方向共にp.tが有意に小さい値を示した(p<0.05).%MVCではp.tが大腿二頭筋と腹直筋が共に有意に低い値を示した.体幹傾斜角度を時系列にみると,p.tでは開始からの振れ幅が大きかった.よって,後傾位は静止時の重心の後方位置,体幹傾斜変化の増大,ハムストリングスの不十分な筋活動の3要因により,動作時間の遅延につながったと示唆された.
著者
広瀬 統一
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.1325-1329, 2020-12-25

COVID-19感染拡大という未曽有の状況下において,女性アスリートのスポーツ傷害予防の重要性と課題が再確認された.体力・運動能力の維持,練習再開後の段階的負荷設定,継続的な傷害予防プログラムの実施を包括的に行うことが,傷害予防に貢献する.さらに緊急事態宣言発出下において,多くのアスリートはサポートスタッフとのコミュニケーションに課題を有していた.女性アスリートの傷害予防ひいては競技力の維持や向上には,スポーツ医科学支援者の積極的なアスリートとの対話が生命線であると考えられた.
著者
小黒 喬史 広瀬 統一
出版者
一般社団法人 日本アスレティックトレーニング学会
雑誌
日本アスレティックトレーニング学会誌 (ISSN:24326623)
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.141-147, 2018-04-30 (Released:2019-01-10)
参考文献数
13

高校年代の野球選手において投球過多が問題となっている.本研究では投球をおこなう間隔日数(登板間隔)に着目し,異なる登板間隔で投球課題を実施することによって,投球パフォーマンスにどのような影響を及ぼすのかについて比較検討した.その結果,身体機能および投球フォームについてはいずれの条件においても有意差は示されなかったが,球速についてはいずれの条件でも球速低下は生じたものの,中2日での登板は連投および中1日での登板に比べて有意に球速の低下を抑えることができた.以上の結果より投球パフォーマンス維持の効果が発揮され始めるためには,登板後少なくとも2日以上の休息日を設けることが必要であることが示唆された.
著者
江波戸 智希 広瀬 統一 小野 高志
出版者
一般社団法人 日本アスレティックトレーニング学会
雑誌
日本アスレティックトレーニング学会誌 (ISSN:24326623)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.45-50, 2016

<p>Yo-Yo Intermittent Recovery Test Level 1(Yo-Yo IR1 test)の走行距離とYo-Yo IR1 test時の最大下心拍数の関係をシーズンを通じて縦断的に評価し,最大下間欠的運動能力評価法(Yo-Yo 6分間テスト)の有用性を検討することを目的とした.プレシーズン初期,プレシーズン後期,インシーズン中期を評価対象期間とした.その結果,Yo-Yo IR1 testの走行距離とYo-Yo IR1 test時の最大下心拍数は近似した変化を示した.したがって,Yo-Yo 6分間テストの心拍数を縦断的に評価することにより,選手に最大努力での運動を強いることなく間欠的運動能力の変化をある程度推定できるものと考えられ,Yo-Yo 6分間テストは間欠的運動能力のコンディション評価法として有用であることが示唆された.</p>
著者
五十嵐 敏夫 広瀬 統 八代 洋一 中田 悟
出版者
日本化粧品技術者会
雑誌
日本化粧品技術者会誌 (ISSN:03875253)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.222-226, 2016-09-20 (Released:2017-03-21)
参考文献数
6

目袋は目もとに陰影を生じ,その人に老けた印象を与えることから,美容的に好ましくない。目もとは照明条件の影響を受けやすく,写真や画像を用いた二次元的な手法では高精度な評価が難しい。そこで,目もとの印象に影響を及ぼす形状特徴を解明することを目的とし,三次元形状データにおける曲面の局所的な形状を表す三次元曲率を用い,目もと印象との関連性を検討したところ,目袋と瞼頬溝において強い関連性を認めた。したがって,三次元曲率は観察方向に不変であることから,目袋と瞼頬溝の三次元曲率を用いた評価法は客観性が高く,高精度に目もと印象を定量化することが可能であることが明らかとなった。