著者
久光 久
雑誌
歯科審美 = Journal of esthetic dentistry (ISSN:09161945)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.90-95, 2000-09-23
参考文献数
3
著者
京泉 秀明 山田 純嗣 鈴木 敏光 久光 久
出版者
特定非営利活動法人日本歯科保存学会
雑誌
日本歯科保存学雑誌 (ISSN:03872343)
巻号頁・発行日
vol.54, no.4, pp.259-268, 2011-08-31
被引用文献数
1

フロアブルレジンは材料学的な改良に伴い,物理的性質が向上し,操作性も良くなっている.そしてさらに審美性や強度などの向上を目的として,フィラーのサイズをナノレベルにしたフロアブルレジンや,ナノハイブリッドタイプのフロアブルレジンが相次いで開発,市販されてきている.そこで本研究では,ナノフィラーが混入されているフロアブルレジンを含めた各種フロアブルレジンの歯ブラシ摩耗性について検討することを目的とした.また併せて,表面硬さ,表面粗さ,フィラーの含有量と歯ブラシ摩耗との関連性についても検討を加えた.9種類のフロアブルレジンおよび1種類のペーストタイプのコンポジットレジンを実験に使用した.歯ブラシ摩耗試験は炭酸カルシウム飽和水溶液を使用し,繰り返し回数は5万回とした.1万回ごとに表面粗さ輪郭形状測定機にて摩耗面の最大深さを計測し,歯ブラシ摩耗量とした.表面硬さは#1000シリコンカーバイドペーパーの研磨面においてビッカース硬さを測定した.表面粗さは研磨面および摩耗面において測定し,Raを用いて評価した.表面性状の観察は,摩耗試験後にSEMを使用して行った.その結果,使用したすべての材料で摩耗回数とともに摩耗深さが直線的に増加していく傾向を示した.5万回後の歯ブラシ摩耗量に関しては,9種類のフロアブルレジンのなかでテトリックN-フローが最大の摩耗深さを示し,続いてパルフィークエステライトLVハイブローが大きな深さを示した.逆に最小の摩耗深さを示したのはクリアフィル^[○!R]マジェスティ^[○!R]LVで,続いてフィルテック_<TM>シュープリームフローコンポジットレジンであった.また,歯ブラシ摩耗量と表面硬さ,摩耗試験前の表面粗さおよび製造者公表のフィラー含有量との間に密接な関係は認められないが,摩耗量が少ない材料では摩耗後の表面粗さが大きいことが判明した.SEM観察からも,フィラーあるいはナノクラスターが大きい材料ほど摩耗量は少ない傾向が認められた.
著者
京泉 秀明 伊藤 光哉 山田 純嗣 鈴木 敏光 久光 久
出版者
特定非営利法人日本歯科保存学会
雑誌
日本歯科保存学雑誌 (ISSN:03872343)
巻号頁・発行日
vol.51, no.6, pp.639-647, 2008-12-31
被引用文献数
1

レジンセメントで合着したコンポジットレジンインレーの物理的性質や審美性を改善するため,フロアブルレジンの合着材としての可能性について検討している.本研究の目的は,フロアブルレジンの被膜厚さおよびインレーを通過した照射光によるフロアブルレジンの重合状態について検討することにある.試験材料として11種類のフロアブルレジン,1種類のラミネートベニア合着用レジンおよび比較材料として1種類のレジンセメントを使用した.各材料を2枚のガラス板の間に挟み,3種類の温度環境下(4,23,37℃)においてそれぞれ150Nで10分間加圧した.光照射後,材料の被膜厚さを測定した.また,接着材料の厚みも弱圧(0.05MPa)および強圧(0.10MPa)によるエアーブロー後,光照射し,それぞれ測定した.フロアブルレジンの重合状態は,0から5mmまでの厚みのコンポジットレジンインレーブロックを通して40秒間光照射した試験材料の表面硬さを測定することにより評価した.その結果,次の結論を得た.1.環境温度が上がると試験材料の被膜厚さは低下する傾向が認められた.2.試験材料の被膜厚さと強圧でエアーブローした接着材料の厚みの合計は,37℃において1種類のフロアブルレジンを除くすべての材料で合着用セメントの規格である25μm以下を満たしていた.3.コンポジットレジンインレーの厚みが2mmを超えると,試験材料の表面硬さが次第に減少する傾向が認められた.
著者
久光 久 真鍋 厚史 山田 嘉重 木下 潤一朗
出版者
昭和大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

茶褐色の鶏卵面に過酸化尿素を主成分とした漂白剤(ナイトホワイトエクセル)および、過酸化水素を主成分とした漂白剤(ピレーネ)を用いて漂白を行った。漂白に対して実験1ではハロゲン光(PENCURE)とKTPレーザーをそれぞれ別々に使用し、実験2では併用使用をおこなった。実験条件は、3Wの出力KTPレーザーをそれぞれの漂白剤塗後に1分30秒、3分、5分、10分間照射した。ハロゲン光でも同様に、1分30秒、3分、5分、10分間照射し、37℃で半日保存した後、測色をおこなった。結果として、単独使用の実験1ではKTPレーザー照射クループで、ナイトエクセル漂白剤使用の場合に3分以上の照射において漂白効果が確認された。一方ピレーネを使用した場合、5分以上のKTPレーザー照射にて漂白効果が認められた。ハロゲン光照射においては、ナイトエクセル、ピレーネのどちらを使用した場合においても1分30秒照射から漂白効果が確認された。一方実験2の結果では、ナイトホワイトエクセル、ピレーネ共に1分30秒で全ての試料に漂白効果が認められた。この効果はハロゲン光とKTPレーザーの照射順序の違いには影響せず、ハロゲン光とレーザーのどちらを先に照射しても明確な違いは認められなかった。