著者
久我 隆弘
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.69, no.11, pp.1285-1291, 2000-11-10 (Released:2009-02-05)
参考文献数
21

量子論によれば,あらゆる物質は粒子としての性質と波動としての性質をあわせもつ.この二面性は光についてはニュートンの時代から,電子や中性子にっいては20世紀初頭から議論されてきた.事情は原子についても同様であり,実験条件さえ整えば波動性を確認できる.その一つの要素に,近年,著しい発展を遂げたレーザー冷却技術がある.すなわち,気体原子のような物質についても十分に冷却することで,その波動姓が顕著に現れる現象;を実験的に実現できるようになった.特に, 1995年に実現された気体原子のボーズ・アインシュタイン凝縮は,物質波がコヒーレントに重なり合ったものであり,光の世界でいうレーザーそのものである.本稿では,その原子波レーザーの臨単な紹介と,応用について議論したい.
著者
久我 隆弘
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

従来のものに比べてはるかに簡便かつ安価な単一光子発生装置を開発した。化学的に多量に合成できる半導体ナノ粒子(直径数nm程度)をポリマー薄膜中に固定し、その中の1個に着目してレーザー光を照射する。1個のナノ粒子からは、量子閉じ込め効果により一度に1個の光子しか放出されないため、この系はそのまま単一光子源となる。1秒あたり1万個を超える光子を光ファイバーに導き、単一光子の証であるアンチバンチングを確認した。