著者
井上 倫夫 小林 康浩 加納 尚之 井上 公明
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.33, no.5, pp.645-651, 1992-05-15
被引用文献数
16

筋萎縮性側索硬化症(ALS)は 知覚 感覚は保たれているものの 運動神経が次々に麻痺していく難病である患者の意識は明瞭であるにもかかわらず 末期においては自らの意志を第三者に伝えることがほとんど不可脂な状態となるそこで 患者の要望事項を医師や看護婦 看護人に伝達できるようなツールを開発することが切望されている本報告は このようなALS愚者向けのコミュニケーション・エイド(CA)に関するものである開発の主眼は 患者の貧弱な運動能力でも簡単な操作で文章作成ができるようにすることであるこのCAでは 患者が2文字を入力すれば それを「見出し」とする9例の文節が画面の右側に提示され 患者はその中から所望の文節を選択する仕組みになっている各文節を漢字仮名混じりで登録しておけば これらの文節の選択によって結果的に"かな"-漢字変換を行ったことになる作成された文章は 漢字仮名混じり文となり第3者にとっても読みやすいものとなるまた 全文を"ひらがな"で入力する必要がなく スイッチ操作回数と文章作成時間の双方とも減少させることができ 患者の労力負担を軽減することができる
著者
武田 泰明 金崎 益巳 加納 尚之 井上 倫夫 小林 康浩
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.第45回, no.ハードウェア, pp.89-90, 1992-09-28

我々の研究室では,共有メモリ型マルチプロセッサシステムのプロトタイプとして,プロセッサユニット(PU)を64台実装した並列計算機"砂丘"を製作した.このタイプの計算機では,アクセス競合によるオーバーヘッドはシステムが大規模になるほど増え,PUの台数に比例した処理速度の向上が得られなくなる.アクセス競合を回避するために,共有メモリの階層化,インターリーブ方式,多重ポート化を行った.さらにメインメモリは,マルチリードワンライト方式を採用し,リードアクセスバスとライトアクセスバスを分離した.本報告では,並列計算機"砂丘"のシステム構成について述べる.
著者
井上 正人 井上 倫夫 小林 康浩
雑誌
情報処理学会研究報告計算機アーキテクチャ(ARC)
巻号頁・発行日
vol.1989, no.99, pp.9-16, 1989-11-20

本報告では,全てのプロセッサが大容量共有メモリを,アクセス競合による待機時間を回避して利用するためのアーキテクチャとして,共有メモリの階層化およびメインメモリのマルチリード・ワンライトメモリ方式について述べる.具体的には,メインメモリのリードアクセス用バスとライトアクセス用バスを分離し,マルチリード・ワンライトメモリ方式を採用することによって,各プロセッサの稼働率を落とさずに接続できる台数を多くできること,そのときメモリアクセスに占めるリード動作の割合が0.7?0.8であるとき最も能率がよいこと,さらに共有メモリの階層化について,メインメモリのアクセスの割合を0.8くらいに保てば,アクセス競合による性能低下を起こさずに稼働できるプロセッサの台数を最大にできることなどを示した.This paper proposes a memory architecture which is necessary for scaling up a tightly coupled multiple microprocessor system and is useful for implementing highly parallel processing. The proposal consists of (1) introduction of a concept of hierarchy into memory organization, (2) furnishing of shared memories with two ports, (3) equipment of two kind of shared memories; system memories for storaging prime data, and main memories for offering common working areas, (4) adoption of multiple access for read operations and once access for write operations, (5) construction of exclusive read buses and exclusive write buses, (6) use of two-way interleaved main memories, (7) provision of the omega network connecting to processor units through exclusive write buses. Usefulness of the above measures is discussed with theoretical investigations.
著者
大石 康正 井上 倫夫 小林 康浩 加納 尚之 中島 健二 川上 孝志
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.48, pp.409-410, 1994-03-07
被引用文献数
3

当研究室では筋萎縮性側索硬化症(ALS:Amyotrophic Lateral Sclerosis)患者のために意思伝達補助装置(Communication Aid)について研究してきた。ALSは全身の筋肉が次々と麻痺していく進行性の疾患で、原因不明で治療法も未だ確立されていない難病である。この病気に侵された人は、最悪の場合、全身が殆ど動かせなくなる。そこで、患者の意志を他人に伝えることのできる装置が望まれてきた。現在、このコミュニケーションエイドの入力として脳波を用いることについて検討中である。本報告では、事象関連電位とその利用法について述べる。
著者
川上 孝志 井上 倫夫 小林 康浩 加納 尚之 古城 明宏 中島 健二
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.38, no.12, pp.2458-2467, 1997-12-15
被引用文献数
3 2

筋萎縮側索硬化症(ALS)は身体の動きが徐々に阻害されていく難病である.この患者の意志伝達を補助する手段として,提示された視覚情報に対して誘発される脳電位波形(EEG)を利用する方法を提案する.本報告では,提示した刺激に応答して誘発される事象関連脳電位(ERP)の中から,目標とした刺激に対して検出されるP300成分をとらえる手法として,ハール・ウェーブレット変換の基底関数を用いたフィルタ処理を利用する.具体的には,提示された複数の項目から特定の対象を選択する実験において,このフイルタ処理とアベレージング手法を併用し,高い確率で目標とした項目を判定できることを示す.そして,ALS患者に対する意志伝達補助装置(CA)の入力手段としてERPを利用するための方法について検討を行ったので報告する.In this paper we describe the possibility of understanding ALS patient's requests by any neuro-physiological manners.The patient has no physical capability for speaking,though maintaining intellectual activities.In this proposal,communicaion with a testee is undertaken in a visual stimulus which is displayed on the CRT screen.For example,Event Releted brain Potentials(ERP)Appears within his Electroencephalogram(EEG)posterior to the stimulus as the result of intellectual evaluation of proposed visual stimuli.This means that we are able to affirm his answer to our question by detecting P300 component within ERP.For its well detection,ERP is filtered based on the Haar-Wavelet transform and applied averaging method for some wave-forms.Then,we could obtain a good result for some experiments which chose the word phrase by using these methods.This system will be of much practical use for the communication with ALS patients.
著者
大石 康正 井上 倫夫 小林 康浩 加納 尚之 中島 健二 川上 孝志
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.49, pp.341-342, 1994-09-20

筋萎縮性側索硬化症(ALS:Amyotrophic Lateral Sclerosis),頚椎損傷,脳内出血などの患者は,自らの意志を周囲の健常者に伝えることが困難である.このような人の意志伝達を補助する装置(CA:Communication Aid)の研究開発が,切望されている.とりわけALSは全身の筋肉が次々と麻痺し,遂には死に至る進行性の疾患で,脳機能は正常であるが,末期には全身の筋肉がほとんど動かせなくなる.そこで,患者の意志を他人に伝えることを補助する装置が望まれてきた.現在,このコミュニケーションエイドの入力として事象関連電位を用いるための実験を進めている.本報告では,視覚刺激を与えたときに現れる事象関連電位をコミュニケーションエイドの入力とする方法について述べる.