著者
浅野 耀介 櫨山 淳雄
出版者
一般社団法人 日本ソフトウェア科学会 実践的IT教育研究会
雑誌
実践的IT教育シンポジウム rePiT 論文集 第9回 実践的IT教育シンポジウム rePiT2023 in 函館 (ISSN:27585549)
巻号頁・発行日
pp.39-46, 2023-02-04 (Released:2023-02-28)

ソフトウェア工学には, オブジェクト指向の原理原則として SOLID 原則というものがあり, その中に Dependency Inversion Principle(DIP) という原則がある. しかし, 学生がソフトウェアの原理原則を理解し実装することは難しく, 原理原則を理解し実装するには, コーディングをしながら実装を体験し, そのメリットを知ることが必要である. 本研究では, ソフトウェア開発 PBL 受講後の学生が, DIP を学ぶための電子教材の構築を行う.
著者
平井 佑樹 櫨山 淳雄 井上 智雄
出版者
教育システム情報学会
雑誌
教育システム情報学会誌 (ISSN:13414135)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.62-73, 2010 (Released:2018-07-28)
参考文献数
15
被引用文献数
1

The authors have developed a learning support system based on question-posing by learners and have applied it to a distributed asynchronous environment since 2006. Based on the results of application, they enhanced the system. In this paper, they analyzed the results of application in terms of effectiveness of the system to a distributed asynchronous environment. As the analytical results, they found the learners who actively posed questions marked higher score of the final examination than the learners who inactively posed, and that the learners who actively posed high quality questions increased the score of the midterm examination to the score of the final examination than the learners who inactively posed. In addition, they found providing the system motivated learners to learn.
著者
鷲崎 弘宜 夏 天 鎌田 夏実 大久保 隆夫 小形 真平 海谷 治彦 加藤 岳久 鹿糠 秀行 田中 昂文 櫨山 淳雄 山本 暖 吉岡 信和 吉野 雅之
雑誌
研究報告ソフトウェア工学(SE) (ISSN:21888825)
巻号頁・発行日
vol.2018-SE-198, no.25, pp.1-7, 2018-03-02

セキュリティパターンとは,セキュアなソフトウェアシステムの開発運用における特定の文脈上で繰り返されるセキュリティに関する問題と解決を一定の抽象度でまとめたものである.1990 年代後半からこれまでに 500 近くのセキュリティパターンの特定と蓄積,共有がなされている.それに伴い,それらの適用や抽出といった技術研究も進められているが,その傾向や全体像,技術的課題および展望は明らかではない.そこで我々は最初に,セキュリティパターン研究を分類整理する際の基本的な用語間の関係を整理した概念モデルを提案する.さらに我々は同モデルに基づいた研究の分類体系 (タクソノミ) を提案し,同分類体系に基づき 200 を超える文献の内容を分類した結果を報告する.
著者
邱 起仁 櫨山 淳雄
雑誌
研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN)
巻号頁・発行日
vol.2014-GN-91, no.57, pp.1-6, 2014-03-06

Twitter には,ニュース記事の話題に対する意見や感想を含む投稿が多数存在している.そこで本研究では,それらの意見や感想を抽出するため,ニュース記事に関連するツイートを収集する手法を提案する.ツイートはリンク付きツイート,リンクなしツイートに分類できる.提案手法では,まずリンク先のテキストを利用し,リンク付きツイートとニュース記事を関連づける.次に,リンク付きツイートがニュース記事を言及する際に,ニュース記事から引用した語を重要語とし,それらの語の重要度を考慮し,リンクなしツイートとニュース記事の関連づけを行う.また,ニュース記事の作成時刻とツイートの投稿時刻が近ければ近いほど,同じ話題に関連する可能性が高いと考えられる.そこで本研究では,ニュース記事とツイートの内容的類似性のみではなく,時間的類似性を合わせて考慮することで,関連づけの精度を向上させる.評価実験により,提案手法は 88.1%の適合率を保ちながら 98.1%の再現率でニュース記事に関連するリンク付きツイートを抽出することができ,65.2%の適合率を保ちながら 93.8%の再現率でニュース記事に関連するリンクなしツイートを抽出することができた.
著者
田地 晶 宮寺 庸造 櫨山 淳雄 横山 節雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.420, pp.37-44, 2000-11-03
被引用文献数
3

本研究では, グラフ可視化手法を用いて学術論文間の関係におけるユーザの発想を支援することを目的とする.学術論文間のキーワードによる関連に焦点をあて, 学術論文間の関係の可視化を試みる.ユーザ独自のViewによる可視化を実現するために, 学術論文を頂点, 論文間の関係を辺, 関連の強さを辺の重みとするグラフを用いて論文間の関連を表現する.可視化を機械的に扱うためグラフ描画の安定化をおこない, 次に論文間の関係を分かりやすく表現するための制約条件を安定化し, その制約条件にあった描画パターンの考察をおこなう.
著者
井上 翔太 櫨山 淳雄
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
巻号頁・発行日
vol.2014-HCI-157, no.56, pp.1-6, 2014-03-06

本論文では Twitter 上でのつながり構築支援を目的とし,その構築支援手法の提案とシステム構築を行った.Twitter 上でのつながり構築は主に人間関係や趣味などのつながりから推薦されてきたが,人間関係や趣味でつながりが強い相手であっても,Twitter の利用頻度や投稿量が違いすぎるとコミュニケーションがうまく行えない場合がある.そこで本研究では,活動時間帯,活動量を用いたつながり構築を行えば,よりコミュニケーションをとりやすくなると考え,活動時間帯,活動量からつながり構築支援手法を提案し,システム構築,実験を行った.被験者にアンケートを行い,活動時間帯,活動量を用いた推薦は,活動時間帯,活動量を用いない推薦より,ユーザーのツイートを被験者が目にしやすいという結果が得られた.また,ツイートの中で,テレビ番組の話題など,リアルタイム性の高い話題に興味を持ったと言う回答も得られた.結論として,Twitter というリアルタイム性の高いマイクロブログにおいて,趣味や興味を取り入れず,ユーザーの活動形態を利用したユーザー推薦を行った結果,ユーザーの趣味や興味以外の日常的なツイートにおいても興味関心を抱くことがあることがわかった.またそれらは多くの人が共通して話題にするもので,特にリアルタイム性の高いものであるため,活動時間帯が同じことが重要であるという結論が得られた.
著者
吉田 綾奈 邱 起仁 櫨山 淳雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.35, pp.1-6, 2014-03-06

インターネットが普及したことにより,SNS 上でなど,コンピュータを介したコミュニケーション (Computer-Mediated Communication: CMC) が日常的になっている.CMC では主にテキストによるコミュニケーションが行われる.マイクロブログの代表例である Twitter では,文字数に制限があるので,簡潔に感情を伝えるために顔文字を使用する.顔文字の種類は日々増えており,その膨大な量を把握することはもちろん,多数の顔文字から自分が伝えたい感情に適した顔文字を決定することが難しくなっているというのが現状である.そこで本研究では,伝えたい感情に適した顔文字を推薦するための足がかりとして,顔文字を Twitter のつぶやきから自動的に抽出し,つぶやきの文章から検出した感情を付与した顔文字データベースを構築する.The growth of the Internet makes Computer-Mediated Communication (hereafter CMC) getting popular in these days. Communication by text is mainly conducted on CMC. In Twitter, one of the representative examples of micro-blog, emoticons are used for showing the feeling briefly because the number of letters is limited in Twitter. The number of emoticons is increasing, thus that it is difficult not only to figure out the total amount of emoticons, but also to choose a proper emoticon that shows the feeling we would like to express to others from enormous emoticons. In this study, an emoticon database is constructed. It is composed of emoticons that are automatically extracted from tweets on Twitter and associated with emotion which is inferred from them.
著者
邱 起仁 櫨山 淳雄
雑誌
研究報告データベースシステム(DBS)
巻号頁・発行日
vol.2013-DBS-158, no.22, pp.1-6, 2013-11-19

本論文では,Twitter からニュース記事に関連する tweets を収集することを目的とし,Twitter の投稿とニュース記事の類似度の計算手法を提案する.Twitter の投稿には 140 文字という長さの制限がある.従来の TF-IDF 法だけでは比較的に短文である Twitter の投稿の特徴語を抽出するのが困難である.そこで本論文では,確実にニュース記事に関連する Twitter の投稿 (そのニュース記事への URL を引用する投稿) に出現した語は,同じニュース記事を言及する他の Twitter の投稿にも使用される可能性が高いと考え,それらの語を特徴語として抽出する.また,Twitter の投稿とニュース記事の内容類似度のみではなく,時間類似度も考慮することで,類似度計算の精度を向上させる.
著者
古宮 誠一 澤部 直太 櫨山 淳雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-I, 情報・システム, I-コンピュータ (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.79, no.9, pp.544-557, 1996-09-25
被引用文献数
19

大規模なソフトウェアの開発は,労働力を結集するためにプロジェクトを組んで行われるのが一般的である.しかも,どのようなライフサイクルモデルを採用しようとも,ソフトウェア開発プロジェクトには開発計画というものが必ず存在する.これは動員した労働力を有効に機能させるためである.従って,プロジェクトを成功へと導くためには,この計画をもとに管理目標を設定し,その達成度をフォローするという方法が効果的である.しかし,これはそれほど容易なことではない.なぜなら,ソフトウェア開発においては,作業量の見積もりやプロジェクトのリスクの予測が困難だからであり,このため,ソフトウェア開発計画の立案やソフトウェア開発における各作業の実質的な進ちょく把握が困難だからである.このため,プロジェクト管理者の負荷を軽減すると共に,高度なプロジェクト管理ができるように,ソフトウェア開発プロジェクトのプロジェクト管理を強力に支援するシステムを開発することが必要不可欠である.本論文では,プロジェクト管理のためのソフトウェアプロセスのメタモデルを提案すると共に,このメタモデルをベースにしたソフトウェアプロジエクト管理システムの枠組みが「ソフトウェア開発計画の立案」の支援に有効であることを,システムの実行例を用いて示している.
著者
櫨山 淳雄 中野 秋子
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.42, no.11, pp.2550-2561, 2001-11-15
被引用文献数
6

情報技術の発展にともない,高い情報処理技術を有する人材が必要とされてきている.それにもかかわらず,大学などの教育機関において,ソフトウェアシステムの設計・開発の実践的な教育の場が非常に少ないというのが現状である.著者らは大学において1997年度よりソフトウェア設計・開発をグループ演習形式で実践する教育を行っている.それとともに,本教育を支援するシステムの開発も行ってきた.ソフトウェアシステムを設計・開発するとき,プロジェクト内でのコミュニケーションの円滑な流れや情報の共有がそのプロジェクトの成功に大きくかかわってくる.著者らの教育実践経験から,本教育におけるコミュニケーションとして,学習者間でのコミュニケーションのみでなく,学習者と教授者側とのコミュニケーションも重要であることが分かっており,それを支援するシステムとして学習者グループ内でのコミュニケーションに加え,教授者と学習者間でのコミュニケーション支援,インスペクションプロセス支援機能を提供した.本システムを実際の授業に適用した結果,これまでの電子メール中心のコミュニケーションから,本システムを中心としたコミュニケーションに移行することができた.とりわけ,コーディングや分析・設計におけるグループ内での問題解決,ならびにインスペクションやテストなどの検証を行う工程における学習者と教授者側とのコミュニケーションにおいて活用されていることが分かった.また,非同期分散形態でのインスペクション支援は,インスペクション実施に対して時間,場所の制約からの解消,教師がコメントを書くことにより意図が確実に理解でき,後から見直すことができ,コメントを共有することができるなど学習効果向上に寄与した.With the rapid permeation of information technology, the demands for software system development are increasing. From such social background, people who are capable of designing and developing such systems are required. However there is little opportunity that the students experience total application systems development in the form of project like a practical setting. The authors have been offering a class called ``System design'' since 1997. The authors have also been developing a group learning support system. In designing and developing software systems, good communication and information sharing in a project is one key success factor. So the education support system should support communication. The authors provided process oriented communication support based on our experience to support Q&{}A, announcement from teacher to students, and the inspection process. We applied this system to the real exercises of the class. We could replace many of E-mail communications\linebreak\nullwith this system. By this, we can share the learning process and this contributes to knowledge sharing across times.
著者
大嶋 直一 櫨山 淳雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.33, pp.37-42, 2009-03-11

現在,版管理システムによるソースコードの構成管理はソフトウェア開発において一般的である.このシステムのソースコード編集方式の一つにマージ方式と呼ばれる方式がある.この方式を採用している開発現場では並行性を維持しつつ,できる限り競合が回避されることを目指したルールを同一開発集団内において設定している.しかし,実状はルールが適切ではない (ルール不適切) ,遵守されない (ルール不遵守) ,共有されない (ルール非共有) ことにより,十分な成果が得られない場合が考えられる.そこで本研究では,上記の問題 (不適切,不遵守,非共有) を解決するための支援手法を提案し,それを実現するシステムの構築と適用実験を行った.その結果,議論によってルールが適正化することと,ルールの一元管理が遵守の意識付けとなることが分かった.Configuration management of source code by using version control systems is commonly practiced in software development. Merge is a method for editing source codes. A development site establishes a set of rules that aimed at avoiding collisions as many as possible while maintaining concurrency. However some rules are inappropriate, some are not observed, and some are not shared in a group. This paper proposes a supporting method for solving these issues and constructs a support system based on the method. This paper also describes an experiment to evaluate the method. The results show that rules are justified by discussions and management of rules motivates observance.