著者
松中 亮治 大庭 哲治 井手 秀
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.63-72, 2021-04-25 (Released:2021-04-25)
参考文献数
20

近年、日本の地方都市では公共交通の利便性低下や中心市街地の空洞化といった問題に直面している。そのような状況下で、「コンパクト+ネットワーク」は都市を持続可能なものとする方策のひとつとして注目されている。本研究では、日本の36地方都市を対象として現地調査により賑わいを定量化し、その要因について人口規模別に分析した。その結果、人口規模によらず賑わいは自動車密度とほとんど相関がみられないこと、自動車到達圏人口は賑わいにほとんど影響をしないのに対し公共交通到達圏人口は強く影響することを明らかにした。
著者
井手 秀徳 栗田 多喜夫
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J101-D, no.8, pp.1110-1119, 2018-08-01

ReLU活性化関数は,その微分が消失しないことから,最急降下法に基づくパラメータの学習が効果的に行えることが知られており,Convolutional Neural Network (CNN)でも良く利用されている.しかし,学習が進むとReLUの出力が必要以上に大きくなってしまう傾向がある.ある層のあるニューロンの活性化関数の出力が大きくなると,それ以降の層に対してバイアスとして働き,Networkに悪影響を与えることが知られている.このことから,活性化関数の出力は平均0に近づけると汎化性能が向上することがわかっている.有名なものでは,L1正則化などの重みに対する正則化やBatch Normalization,ELUなどの活性化関数が知られている.本研究では,それらの代わりにReLU活性化関数の入力に対するスパース正則化を用いる手法を提案する.活性化関数の入力に対するスパース正則化は,学習の過程でReLU活性化関数の入力を0に近づける効果をもつ.これにより,ReLU活性化関数の欠点をある程度抑制することができ,特徴表現をスパースにすることができる.
著者
井手 秀樹
出版者
慶應義塾大学出版会
雑誌
三田商学研究 (ISSN:0544571X)
巻号頁・発行日
vol.55, no.5, pp.41-56, 2012-12

論文①平成21年の「特定地域における一般乗用旅客自動車運送事業の適正化及び活性化に関する特別措置法」(以下「特措法」という)は, その制定の経緯に照らし, 需給調整規制(台数規制)を予定したものであるか。結論「特措法は需給調整規制を予定したものではない。」 特措法は車両台数の増加に関する事業計画の認可基準について, 「輸送の安全を確保するもの」, 「適切な計画」, 「適格に遂行するに足る能力」という要件を定めたものである。増車認可では, これらの要件を満たしているかどうかで判断される。収支計画上の増車車両分の営業収入が, 営業区域における「新たに発生する輸送需要」であることを増車認可申請者が証明しなければならないということは, 輸送需要に対して適切な車両数を算出し, それにより増車を認否するという需給調整規制に他ならず, かかる規制は特措法の下で許されるものではない。②タクシー事業において需給調整規制をすることは規制の在り方として合理的か。需給調整規制により, タクシー業界の諸問題は解決するか。結論「タクシー事業において, 台数規制をすることは, 規制の在り方として合理的ではない。」特措法施行の背景には, タクシー車両の増加に伴い, タクシー運転者の待遇の悪化, 安全性・サービスの低下等の懸念が指摘されているが, 論点2, 3で述べるとおり, データを見る限りではその根拠は希薄である。参入・増車抑制により安全性の確保, タクシー運転者の待遇等の問題を解決するという考え方には疑問があると言わざるを得ない。