著者
今井 悠介
出版者
東京大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2011

本研究は、アリストテレス-スコラ的な類種概念による秩序から別の秩序への転換という視点を軸に、デカルト存在論の特質を描くことを目的とする。本年度は以下の研究を実施した。1/存在論を形作る概念枠組みの変化を研究するため、前年度に引き続き主にスアレス、エウスタキウスらデカルト以前の近世スコラ哲学者との比較を行った。スアレスの区別論において、他の諸々の区別を三つの区別のみに帰着させるという構造化がなされ、この構造化・単純化を引き継いだのがデカルトであることを明らかにした。エウスタキウスにおいてはこのような構造化がなされておらず、デカルトのものと異なっている。以上の系譜関係は認められつつも、普遍自体の考察を素通りし、区別の徴表の議論を実体論に先立たせ、その前提とさせるデカルトの議論構成において、スアレスの体系構成の換骨奪胎が起こっており、存在論の議論構成においてもドラスティックな変化が起きたことを明らかにし、以上の成果を日本哲学会において発表した。2/デカルトの強い影響を受けた近世スコラ哲学者であるクラウベルクの検討、およびアルノー、ニコルの『ポールロワイヤル論理学』の検討を行った。クラウベルクにおいて、アリストテレスのカテゴリー論批判の議論とデカルト哲学の摂取が結びつく次第を検討し、また、『ポールロワイヤル論理学』において、オルガノン的枠組みとデカルト哲学の概念群がどのように架橋されているのかを検討した。その結果、デカルト哲学の概念群が、オルガノン的枠組みの一部を刷新し、後の哲学者の体系構成に変化を与えるものであったことを明らかにした。3/デカルトの存在論に関するマリオン、クルティーヌらの先行研究を整理し、デカルト哲学の体系構成の検討を行った。また、本有性、明晰判明性等々の概念群の関係を整理することで、観念の理論がデカルト存在論とどのように関係するかという問題の一端を明らかにした。
著者
今井 悠
出版者
日本甲殻類学会
雑誌
CANCER (ISSN:09181989)
巻号頁・発行日
vol.32, pp.61-62, 2023-08-01 (Released:2023-09-06)
著者
木村 知世 鈴木 春佳 今井 悠瑚 海老名 理紗子 玉利 舞花 中澤 聡美 横森 千佳 田中 あゆみ
出版者
和洋女子大学
雑誌
和洋女子大学紀要 = The journal of Wayo Women's University (ISSN:18846351)
巻号頁・発行日
vol.61, pp.175-184, 2020-03-31

服飾造形学科では産学官連携の一環として、2019年7 月15日に和洋九段女子中学校高等学校講堂で開催されたコンサート「瞳みのるOne Dayひとりタイガース」の衣装製作を行った。この取り組みは、1967年に発売されたザ・タイガース3枚目のシングル「モナリザの微笑」の衣装を完全に再現し、現在に蘇らせるというものである。当時実際に着用された衣装は現存不明なため、写真などの資料から素材やパターンを推測し製作を行った。これらの活動を通して、専門分野の知識や技術の活用と連携、スケジュール管理や人材育成の経験を積むことができ、大きな教育効果を期待できることが確認できた。 本稿ではザ・タイガースのメンバー瞳みのる氏を中心としたOne Day special bandメンバーのフィッティングの様子を含め、素材の検討、パターン作成、トワル組み、本縫い、ベルトの製作、仕上げ完成までの様子を報告する。
著者
今井 悠貴 森川 大輔 平原 達也
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.266, pp.43-48, 2012-10-19
参考文献数
14

超小型動電型スピーカユニットを耳栓スピーカとして用い,48chの頭部伝達関数(HRTF)を相反法を用いて高速に計測するシステムを構築し,その性能を検証した.相反法による高速HRTF計測システムでは500Hz〜20kHzの帯域のHRTFを30sで計測でき,計測したHRTFと従来の直接法で計測したHRTFとのスペクトル誤差は4dB以下であった.また,時間がかかるために直接法では計測が困難であった頭部を横に向けた状態のHRTFと,特殊な音源を用いなければ計測が困難であった近接場のHRTF,および距離を変えたHRTFを,相反法による高速HRTF計測システムで計測した.