著者
今村 亨
出版者
国立研究開発法人 産業技術総合研究所
雑誌
Synthesiology (ISSN:18826229)
巻号頁・発行日
vol.7, no.3, pp.140-153, 2014 (Released:2014-12-25)
参考文献数
15

高線量の放射線被ばくによって生体が受ける障害を軽減・治療するための生物学的機構を介する放射線防護剤の有望な候補として、既存の医薬品を凌ぐ活性を有する新規シグナル分子(細胞機能を調節する生理活性タンパク質)「FGFC」(fibroblast growth factor chimeric protein)を開発した。今後、放射線関連機関に備蓄する放射線防護剤として採用される可能性のある、このタンパク質を医薬開発するための環境整備を、基礎研究機関において可能な限り高いレベルで進めることを目指している。
著者
田中 健夫 今村 亨
出版者
山梨英和大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究では,いじめ体験が生徒の自己形成にどのような影響を及ぼすか,とりわけ被害体験を併せもつ加害生徒に焦点を当てて臨床心理学の視点から検討した。養護教諭と児童自立支援施設専門員に対して半構造化面接を実施し,学校と矯正教育における指導・支援の実情と課題を整理した。思春期に特有の加害-被害者の結びつきに関する理解をふまえること,閉じた関係とは異なる文脈の人間関係のなかで自ら罪悪感を表現すること,加害性を含めた生徒自身の問題について生活や作業場面でのつまずきや不満を糸口にして支援を進めることの意義について考察した。
著者
近藤 直司 小林 真理子 宮沢 久江 宇留賀 正二 小宮山 さとみ 中嶋 真人 中嶋 彩 岩崎 弘子 境 泉洋 今村 亨 萩原 和子
出版者
全国障害者問題研究会
雑誌
障害者問題研究 (ISSN:03884155)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.21-29, 2009-05

近年,青年期におけるひきこもりケースの中に発達障害を背景とするものが少なくないことが明らかになってきており,個々の発達特性や精神・心理状態を踏まえた支援のあり方が問われている.また,ひきこもりに至る以前の予防的な早期支援のあり方を検討することも重要な課題である.本稿では,まず,ひきこもり問題に占める発達障害の割合や,ひきこもり状態にある広汎性発達障害ケースの特徴について述べ,ひきこもりの発現を未然に防ぐことを目的とした予防的早期支援と不登校・ひきこもりケースへの支援における家族支援の要点について検討する.