著者
今泉 明子 古山 登隆
出版者
公益社団法人 日本皮膚科学会
雑誌
日本皮膚科学会雑誌 (ISSN:0021499X)
巻号頁・発行日
vol.126, no.11, pp.2085-2093, 2016-10-20 (Released:2016-10-20)
参考文献数
17

最近,エイジングに対する治療は関心が高く,その中でも注目されている治療のひとつにシワ治療が挙げられる.シワ治療の中でも注入療法は,安全かつ短時間で効果を得られる満足度の高い治療といえる一方で,満足度を上げるためには適応が大切である.注入療法において適正な治療を行うためには,老化のメカニズム,薬剤の基礎的知識はもとより,実際の治療に関わる解剖学的構造,治療の特性などを理解する必要がある.ここでは,皮膚科医にとって必要な注入に関する知識と明日から診療に役立つ安全な手技を紹介する.
著者
小山 充道 小野 実佐 今泉 明子
出版者
藤女子大学
雑誌
藤女子大学紀要. 第II部 (ISSN:13461389)
巻号頁・発行日
vol.49, pp.121-135, 2012-03-31

This is a case study of a sexually abused child and her mother (non-perpetrator parent) who underwent parallel interviews conducted by therapists in a child and family support center. The child was in the first grade of an elementary school and had been sexually abused by her father. One therapist carried out play therapy for the child once a week. The treatment target was to overcome her trauma. A second therapist interviewed her mother with the aim of psychological recovery and support that would allow the mother to take a role in the daily care of her child. In this paper we discuss the psychological transformation and recovery process as well as the ideal method of psychological support in cases of sexual abuse, such as the case of the mother and child described above. The stages of the psychological transformation process through which the child passed during the play therapy were as follow: reproduction of the abuse and her self-image as a survivor, the image of a safe place to stay and the expression of her feelings, and, finally,the care of her mind and body and the recovery of self-image. On the other hand, the stages her mother passed through included acceptance of the fact of sexual abuse fact, understanding of the damage received by the child and psychological care,and,finally,an understanding of the damage done to the mother. As a result of support provided for both the mother and child, they were able to recover psychologically and their domestic relations were reestablished.
著者
宮城 悦子 沼崎 令子 中西 透 片岡 史夫 猿木 信裕 井畑 穰 伊藤 則雄 吉田 憲生 新原 温子 村松 孝彦 今泉 明 山本 浩史 高須 万里子 光島 徹 杤久保 修 山門 實 青木 大輔 平原 史樹
出版者
公益社団法人 日本人間ドック学会
雑誌
人間ドック (Ningen Dock) (ISSN:18801021)
巻号頁・発行日
vol.26, no.5, pp.749-755, 2012 (Released:2012-07-13)
参考文献数
17

目的:血漿中アミノ酸濃度はがんを含む各種疾患により変化する.血漿中アミノ酸プロファイルから健康状態や疾病の可能性を把握する「アミノインデックス技術」は複数がんのスクリーニング法として臨床実用化されている.本研究は多施設共同試験により3種の婦人科がん(子宮頸がん,子宮体がん,卵巣がん)の判別を行う指標式を「アミノインデックス技術」を用いて導出し,その有用性を検討することを目的とした.方法:複数施設で子宮頸がん患者208例,子宮体がん患者186例,卵巣がん患者102例,婦人科良性疾患患者305例,健康人1,631例を対象として採血し,血漿中アミノ酸濃度をLC-MSにより測定した.結果:3種の婦人科がん患者の血漿中アミノ酸濃度変化は共通性が高く,婦人科がんのいずれかに罹患している可能性を判別する一つの指標式を「アミノインデックス技術」を用いて導出し,その判別性能評価を行った.導出された指標式の特異度95%での感度は子宮頸がん52%,子宮体がん58%,卵巣がん77%であり,いずれもⅠ期症例から高い感度を示した.また,子宮頸がんでは腺癌も高い感度を示す,子宮体がんではCA125より有意に感度が高い,卵巣がんではCA125と同程度の感度を示すなどの特徴を有していた.結論:「アミノインデックス技術」により導出された,3種の婦人科がんのいずれかに罹患している可能性を評価する一つの指標式は,3種の婦人科がんの簡便な血液検査のスクリーニング法として有用であることが示唆された.
著者
三浦 猛 岡本 直幸 今泉 明 山本 浩史 村松 孝彦 山門 實 宮城 洋平
出版者
公益社団法人 日本人間ドック学会
雑誌
人間ドック (Ningen Dock) (ISSN:18801021)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.51-55, 2011 (Released:2012-08-03)
参考文献数
13
被引用文献数
2

目的:血漿中アミノ酸濃度は,生理学的な代謝状態を反映することが知られており,肝臓機能障害時や種々のがんで血漿中アミノ酸濃度が変化することが示唆されている.前立腺がんの早期発見,治療につながる新しい診断マーカーの開発を目的とし,前立腺がん患者と対照者との血漿中アミノ酸濃度の比較に基づき,アミノ酸を変数とした多変量解析により作成した判別式「アミノインデックス」による前立腺がん判別の可能性を検討した.方法:前立腺がん患者と対照として人間ドック受診者の血漿中アミノ酸濃度を測定した.患者群と対照群とのアミノ酸濃度を比較し,個々のアミノ酸濃度変化を,変数選択を伴う多重ロジスティック回帰により,前立腺がん患者を判別する判別式「アミノインデックス」を導出,前立腺がんの診断能の評価を行った.判別能の評価基準としては,ROC曲線下面積(ROC_AUC)を採用した.結果:対照群と比較し,前立腺がん患者は,Alanine, Histidine,Asparagine, Prolineの増加,Triptophanの減少が見られた.導出された前立腺がんを判別する「アミノインデックス」は,ROC_AUC=0.74の判別能を有し,早期がんも検出できた.またPSAとは有意な相関は見られなかった.結論:前立腺がんを判別する「アミノインデックス」は,前立腺がんの新しい診断マーカーとなる可能性が示された.また,PSAと独立した指標であることから,PSAとの併用による有用性が示唆された.
著者
三浦 猛 岡本 直幸 今泉 明 山本 浩史 村松 孝彦 山門 實 宮城 洋平
出版者
Japan Society of Ningen Dock
雑誌
人間ドック = Ningen dock : official journal of the Japanese Society of Human Dry Dock (ISSN:18801021)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.51-55, 2011-06-30
被引用文献数
3

<b>目的:</b>血漿中アミノ酸濃度は,生理学的な代謝状態を反映することが知られており,肝臓機能障害時や種々のがんで血漿中アミノ酸濃度が変化することが示唆されている.前立腺がんの早期発見,治療につながる新しい診断マーカーの開発を目的とし,前立腺がん患者と対照者との血漿中アミノ酸濃度の比較に基づき,アミノ酸を変数とした多変量解析により作成した判別式「アミノインデックス」による前立腺がん判別の可能性を検討した.<br><b>方法:</b>前立腺がん患者と対照として人間ドック受診者の血漿中アミノ酸濃度を測定した.患者群と対照群とのアミノ酸濃度を比較し,個々のアミノ酸濃度変化を,変数選択を伴う多重ロジスティック回帰により,前立腺がん患者を判別する判別式「アミノインデックス」を導出,前立腺がんの診断能の評価を行った.判別能の評価基準としては,ROC曲線下面積(ROC_AUC)を採用した.<br><b>結果:</b>対照群と比較し,前立腺がん患者は,Alanine, Histidine,Asparagine, Prolineの増加,Triptophanの減少が見られた.導出された前立腺がんを判別する「アミノインデックス」は,ROC_AUC=0.74の判別能を有し,早期がんも検出できた.またPSAとは有意な相関は見られなかった.<br><b>結論:</b>前立腺がんを判別する「アミノインデックス」は,前立腺がんの新しい診断マーカーとなる可能性が示された.また,PSAと独立した指標であることから,PSAとの併用による有用性が示唆された.