- 著者
-
伊藤 史郎
川原 逸朗
青戸 泉
平山 和次
- 出版者
- Japanese Society for Aquaculture Science
- 雑誌
- 水産増殖 (ISSN:03714217)
- 巻号頁・発行日
- vol.42, no.2, pp.299-306, 1994-06-20 (Released:2010-03-09)
- 参考文献数
- 14
マナマコ (アオナマコ) Doliolaria幼生から稚ナマコへの変態促進に関する2, 3の実験を行い, 以下のような結果が得られた。1.ヤツマタモク, オオバモク, ヒジキ, ジョロモク, フクロノリなどの褐藻で, わずかに稚ナマコへの変態が促進されたが, 付着珪藻に比べるとその効果は極めて低かった。2.自然繁殖させた, いわゆる天然珪藻では, 稚ナマコへの変態がすみやかに進み, また, 付着珪藻の密度が高いほど, 稚ナマコへの変態が促進された。3.単離培養したAchnanthes biceps, Navicula ramosissima, Nitzschia sp.では, その密度にかかわりなく, ほとんど変態が促進されなかった。4.付着珪藻が変態促進効果を発揮するには, Doliolaria幼生との接触が必要であった。5.K+による変態促進効果は認められなかった。6.採苗時の, 付着板の設置方法は, 水槽底面に対して垂直に設置した方が水平に設置した場合よりも, 稚ナマコの付着数のバラツキが少なかった。