著者
伊藤 日出男 林 新 中田 豊久 中村 嘉志 西村 拓一 山本 吉伸 國藤 進 中島 秀之
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. UBI, [ユビキタスコンピューティングシステム] (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.115, pp.105-110, 2003-11-18
参考文献数
21

我々は低消費電力携帯通信情報端末(マイボタン)を用いた,近距離測位通信システムによる情報サービスの研究を進めている.このシステムでは,端末局は反射率変調による低消費電力情報送信を行い,基地局である測位通信装置は,端末の位置や方向を取得し,赤外空間光通信でサービス情報の送受を行う.本報告では,液晶ディスプレイの背面の散乱板を再帰光反射板に交換した小型PDAを用いた,反射率変調による空間光通信の実装について述べる.
著者
中村 嘉志 西村 拓一 伊藤 日出男 中島 秀之
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.44, no.11, pp.2670-2680, 2003-11-15

本論文では,赤外線タグを無電源で駆動する情報端末CHOBIT(Card type Hyper Optical Battery-less Information Terminal)と,そのタグ検出器について述べる.我々は,位置に基づいてユーザを支援するCoBIT(Compact Battery-less Information Terminal)システムの研究開発を行っている.CoBITは,環境やユーザが提供するエネルギーのみで情報の送受信を実現するインタラクティブな情報端末であり,CoBITシステムは,CoBITを利用した情報支援システムである.これまでのCoBITには数mの到達距離を持つユーザ属性の発信器が装着されていなかったため,その属性に基づいた個人対応の情報支援をCoBITシステムで実現することが困難であった.そこで,本論文では,CoBITの無電源性を損なわずに赤外線タグを駆動する手法を提案する.さらに,プロトタイプの実装および評価からこの手法の有効性について述べる.
著者
西村 拓一 伊藤 日出男 中村 嘉志 山本 吉伸 中島 秀之
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.44, no.11, pp.2659-2669, 2003-11-15
被引用文献数
11

?<「いつでも,どこでも,誰でも」情報にアクセスできる遍在(ユビキタス)型情報処理社会では,莫大な情報から「いま,ここで,私が」欲しい情報を簡便なインタフェースで提供することが重要である.そこで,本論文では,適切な位置で適切な方向に端末を向けるだけでインタラクティブに音声情報を取得する無電源小型情報端末(Compact Battery-less Information Terminal: CoBIT)を用いた情報支援システムを提案する.環境側の装置からは音声情報とエネルギーを伝える光を照射し,CoBITでは太陽電池に直結したイヤホンで音を聞くことができる.また,CoBITの表面には反射シートを貼り付けることで,赤外光投光カメラを用いればCoBITの位置やおよその方向を容易に推定することができる.これにより,CoBITの位置・方向の履歴およびユーザからの合図を基に適切な情報を直感的かつ容易な操作でインタラクティブに提供できる.本論文では,実装したCoBITの特性を示し,その試験運用やプロトタイプシステムを紹介する.The target of ubiquitous computing environment is to support users to get necessary information and services in a situation-dependent form. In order to support users interactively, we propose a location-based information support system by using Compact Battery-less Information Terminal (CoBIT). A CoBIT can communicate with the environmental system and with the user by only the energy supply from the environmental system and the user. The environmental system has functions to detect the terminal position and direction in order to realize situated support. In this paper, we also show various types of CoBITs and the usage in museums or event shows.
著者
石川 玲 香川 幸次郎 伊藤 和夫 小野 洋一 伊藤 日出男 対馬 均 進藤 伸一 菅原 正信 三浦 孝雄
出版者
公益社団法人日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.15, no.5, pp.433-438, 1988-09-10

寒冷や積雪が在宅脳卒中後遺症者の生活に及ぼす影響について検討するために, 青森県内2ヶ町村の在宅脳卒中後遺症者115名を対象に実態調査を行った。更に3年後39名について追跡調査を実施し, 以下の結果を得た。(1)非積雪期の生活で何等かの訴えを有する者は18%であったが, 積雪期では60%以上の者が訴えを有していた。(2)非積雪期の訴えは夏ばてや付添い者の多忙により通院できない等訴えの内容が多岐にわたっていたが, 積雪期では外出の制限や身体症状の増悪に関することに集中していた。(3)非積雪期での主な外出先は医療機関, 福祉・保健センター, 友人宅, 散歩であり, 積雪期では友人宅や散歩に出かける者が減少する反面, 医療機関や福祉・保健センターに出かける者の数は減少していなかった。寒冷や積雪は対象者の生活に多大な影響を及ぼしているが, 冬の外出は自己の行為に対する意味づけの軽重に規定されると考えられた。