著者
伊藤 日出男 林 新 中田 豊久 中村 嘉志 西村 拓一 山本 吉伸 國藤 進 中島 秀之
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. UBI, [ユビキタスコンピューティングシステム] (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.115, pp.105-110, 2003-11-18
参考文献数
21

我々は低消費電力携帯通信情報端末(マイボタン)を用いた,近距離測位通信システムによる情報サービスの研究を進めている.このシステムでは,端末局は反射率変調による低消費電力情報送信を行い,基地局である測位通信装置は,端末の位置や方向を取得し,赤外空間光通信でサービス情報の送受を行う.本報告では,液晶ディスプレイの背面の散乱板を再帰光反射板に交換した小型PDAを用いた,反射率変調による空間光通信の実装について述べる.
著者
中村 嘉志 友部 博教 須永 剛司 西村 拓一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.11, pp.23-28, 2008-01-31
被引用文献数
3

本稿では,ワークショップ(参加体験型の創造的活動)での活動記録を目的として,記録した複数の音響信号から,参加者のその場における位置履歴を推定する手法について述べる.提案手法は,ワークシヨップの音声記録を行うだけでなく,位置センサや方向センサを用いなくとも,録音装置と音源装置を用いるだけで参加者の位置履歴を推定することができる.音源装置から発せられた固有音は録音装置で記録され,この固有音を頼りに解析することにより,オブジェクト(ヒトやモノ)のそれぞれの位置関係を抽出する.ユーザは,抽出された位置関係を位置による活動履歴として後で振り返ることができる本稿では〆予備実験を通して提案手法の有効`性を評価する.This paper proposes an activity capture method of attendees and facilitators for indoor interactive work shops, which are events designed for participatory learning and creative endeavors in group. Without any special location sensors or direction sensors, a simple acoustic recorder and player for every user and artifact in the workshop enables the method to estimate the user location history as well as recording the audio scenery. Each audio signal captured by a recorder is analyzed and identified as a specific sound emitted from a corresponding audio player. The locations and orientations of all users are estimated by collecting all the information in the vicinity of each attendee. Users can re-experience the workshop audially and visually using a map of the workshop room and attendees' locations and orientations. Our preliminary experimental results demonstrate the feasibility of our estimation method.
著者
中村 嘉志 西村 拓一 伊藤 日出男 中島 秀之
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.44, no.11, pp.2670-2680, 2003-11-15

本論文では,赤外線タグを無電源で駆動する情報端末CHOBIT(Card type Hyper Optical Battery-less Information Terminal)と,そのタグ検出器について述べる.我々は,位置に基づいてユーザを支援するCoBIT(Compact Battery-less Information Terminal)システムの研究開発を行っている.CoBITは,環境やユーザが提供するエネルギーのみで情報の送受信を実現するインタラクティブな情報端末であり,CoBITシステムは,CoBITを利用した情報支援システムである.これまでのCoBITには数mの到達距離を持つユーザ属性の発信器が装着されていなかったため,その属性に基づいた個人対応の情報支援をCoBITシステムで実現することが困難であった.そこで,本論文では,CoBITの無電源性を損なわずに赤外線タグを駆動する手法を提案する.さらに,プロトタイプの実装および評価からこの手法の有効性について述べる.
著者
中村 嘉志 瀬川 典久 丸山 一貴
雑誌
デジタルプラクティス (ISSN:21884390)
巻号頁・発行日
vol.7, no.4, pp.407-416, 2016-10-15

学術会議において参加者にインターネット接続サービスを提供することは必須の要件となりつつある.しかし中小規模の会議の運営は,人的および資金的に余裕があるとは言えないため,ネットワークインフラストラクチャの設計と敷設,運用,撤去をネットワーク技術者という観点においてアマチュアである運営委員が行わなければならないことがしばしばである.しかしそれを実践することは必ずしも容易ではない.本稿は,参加者数200人規模,接続機器数400台規模で,ホテルなど一般の宿泊施設を利用して2泊3日の合宿形式で毎年一回開催されるIT系学術ワークショップ,通称WISSでの5年間の運用経験を基に,会議用の一時的なネットワークインフラストラクチャの構築と運用がなぜ容易ではないのかの背景と理由を学術会議運営の側面から示し,問題点を明らかにした上でその解決法の1つとしてソフトウェアルータを用いた方法論と実践結果について述べる.
著者
並松 祐子 宮崎 伸夫 松尾 豊 中村嘉志 西村拓一
雑誌
情報処理学会研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.3(2006-HI-117), pp.59-66, 2006-01-13

本論文では,実世界のコンテクストを反映させた情報支援を行うために,オブジェクト同士の局所的な位置と向きの関係を取得し,そこから大局的な関係や意味を抽出するトポロジー推定に関する手法を提案する.また,シミュレーションを用いて本提案手法の基本的な特性を定量的に評価する.さらに,学会や懇親会場などの混雑した空間を想定し,多数のオブジェクトを用いたシミュレーション実験によって数種類の利用シーンに応じて必要となるデバイス特性を明らかにする.実験及び評価の結果,トポロジー推定手法が情報支援に必要なコンテクスト情報を抽出するのに有効であることが示された.
著者
中村 嘉志 並松 祐子 宮崎 伸夫 松尾 豊 西村拓一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.48, no.3, pp.1349-1360, 2007-03-15
被引用文献数
13 8

本論文では,位置センサや方向センサを用いなくても,方向に関連付けられた赤外線タグを複数利用することで,人やモノなどのオブジェクトのトポロジカルな二次元の位置関係および向き関係を推定できる手法を提案する.実世界における人を対象とした状況依存型システムでは,人やモノの位置関係をいかにして手軽に取得するかが重要な課題の1 つである.特に人は,何らかの意図や意味があってそこにいるため,位置や向き関係の情報はその人の状況を反映していることが多い.とりわけ向き関係の情報は,向き合っているのかそれとも背中合わせなのかによって同じ位置関係にあっても意味が異なるように,人対人や人対モノの関係において位置関係だけでは困難なより詳細な状況を反映すると考えられる.そこで本論文では,実世界でのオブジェクトの向き関係に着目し,それらから空間全体でのオブジェクトの位置および方向を推定する新たな手法を提案する.計算機シミュレーション実験と試作システムの実機実験を通じて,本手法が位置および向き関係を実世界において推定できることを示す.This paper proposes a method for estimating an object's two-dimensional (2D) position and orientation based on topological information collected using infrared tags without any special location sensors or direction sensors. Estimating a user's location and articles irrespective of circumstances is an important issue for context-aware systems. Because users are present in a location with some purpose or intention, a user's position and orientation clearly reflect their context. Especially, orientation information can reflect a more detailed context than that obtained merely according to the location: people standing face-to-face or back-to-back would have vastly different contexts. In this paper, we particularly examine an object's orientation and describe a new method for estimating an object's position and orientation in an indoor, real-world environment. With a simulation and an implemented prototype system, the experimental results demonstrate the feasibility of our estimation method.
著者
西村 拓一 伊藤 日出男 中村 嘉志 山本 吉伸 中島 秀之
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.44, no.11, pp.2659-2669, 2003-11-15
被引用文献数
11

?<「いつでも,どこでも,誰でも」情報にアクセスできる遍在(ユビキタス)型情報処理社会では,莫大な情報から「いま,ここで,私が」欲しい情報を簡便なインタフェースで提供することが重要である.そこで,本論文では,適切な位置で適切な方向に端末を向けるだけでインタラクティブに音声情報を取得する無電源小型情報端末(Compact Battery-less Information Terminal: CoBIT)を用いた情報支援システムを提案する.環境側の装置からは音声情報とエネルギーを伝える光を照射し,CoBITでは太陽電池に直結したイヤホンで音を聞くことができる.また,CoBITの表面には反射シートを貼り付けることで,赤外光投光カメラを用いればCoBITの位置やおよその方向を容易に推定することができる.これにより,CoBITの位置・方向の履歴およびユーザからの合図を基に適切な情報を直感的かつ容易な操作でインタラクティブに提供できる.本論文では,実装したCoBITの特性を示し,その試験運用やプロトタイプシステムを紹介する.The target of ubiquitous computing environment is to support users to get necessary information and services in a situation-dependent form. In order to support users interactively, we propose a location-based information support system by using Compact Battery-less Information Terminal (CoBIT). A CoBIT can communicate with the environmental system and with the user by only the energy supply from the environmental system and the user. The environmental system has functions to detect the terminal position and direction in order to realize situated support. In this paper, we also show various types of CoBITs and the usage in museums or event shows.
著者
福田 伸彦 楯岡 孝道 中村 嘉志 多田 好克
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.353-363, 2003-02-15
被引用文献数
2

会議などの人々の集まる場にネットワークを構築し,参加者の計算機を接続することで,様々な情報交換や共有が可能となる.本稿では,そのような場における情報の交換に有用な共有ファイルシステムONFS(Offhand NetworkFilesystem)を提案する.会議などの場に設置されるネットワークは,その場だけで一時的に運用される.そのため,(1)計算機の接続と切り離しが頻発する,(2)構成メンバがその場によって異なる,という状況が生じる.既存のシステムで(1)?<,(2)の状況に対応するためには,その場での繁雑な設定作業をしなければならない.そこで,これらの問題を解決するために,我々は NFS(Network File System)をベースに,サーバの自動探索,一時ユーザの管理,切断時の対応処理の機能をONFSに実装した.ONFSを利用することで,ユーザは計算機をネットワークに接続するだけで即座にファイル共有を実現できる.In places where people come together, such as a meeting, participantscan exchange and share information if they build a network with theircomputers. In this paper, we propose a shared file system, ONFS(Offhand Network Filesystem), which is useful to exchange information.The temporary network is employed only at that place and time. As aresult, the followings occur; (1) computers are connected anddisconnected frequently, and (2) members vary from place to place.Existing systems impose users to handle troublesome settings undersuch situations. To solve these problems, we implemented followingfunctions on ONFS, based on NFS (Network File System); an automaticserver searching, a temporary user management, an operation atdisconnection. Users using ONFS can share files immediately byconnecting a computer.