著者
四柳 宏 田中 靖人 齋藤 昭彦 梅村 武司 伊藤 清顕 柘植 雅貴 高橋 祥一 中西 裕之 吉田 香奈子 世古口 悟 高橋 秀明 林 和彦 田尻 仁 小松 陽樹 菅内 文中 田尻 和人 上田 佳秀 奥瀬 千晃 八橋 弘 溝上 雅史
出版者
一般社団法人 日本肝臓学会
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.117-130, 2012 (Released:2012-03-07)
参考文献数
69
被引用文献数
3 3

B型肝炎ワクチンは諸外国では乳児期に全員が接種を受けるユニバーサルワクチンである.しかしながら我が国では任意接種(セレクティブワクチネーション)となっており,母児感染防止の場合のみワクチン接種が健康保険でカバーされている. こうしたセレクティブワクチネーションのみでは我が国のB型肝炎を制圧することは困難である. 本稿では平成23年6月2日に第47回日本肝臓学会(小池和彦会長)において行われたワークショップ「B型肝炎universal vaccinationへ向けて」の内容を紹介しながら,ユニバーサルワクチネーションに関してまとめてみたい.
著者
角田 圭雄 木本 慧 坂本 和賢 大橋 知彦 中出 幸臣 伊藤 清顕 豊田 秀徳 冨田 栄一 熊田 卓 米田 政志
出版者
一般社団法人 日本肝臓学会
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.61, no.10, pp.496-503, 2020-10-01 (Released:2020-10-08)
参考文献数
60
被引用文献数
1 2

世界的パンデミックとなった重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2による新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は特に重症例で肝酵素上昇を引き起こす.機序としてはウイルスによる直接的な障害よりも,投与薬剤やサイトカインストーム,低酸素などの関与が示唆される.COVID-19で肝酵素上昇を認めた際は他疾患の有無を評価し,厳重な肝酵素のフォローが必要である.慢性肝疾患に合併したCOVID-19例では,基礎疾患の治療が中断されることのないよう遠隔診療や電話診療を活用し,不要不急な外来受診を控え,感染拡大防止に努める.代謝性脂肪肝疾患では肥満,糖尿病,高血圧の合併が多く,重症化のリスク要因となる可能性が示唆されている.国際学会からはガイダンスも提言されており,COVID-19と肝障害,COVID-19パンデミック下での慢性肝疾患患者のマネジメントに関してこれまでのエビデンスを概説する.
著者
溝上 雅史 杉山 真也 村田 一素 鈴木 善幸 伊藤 清顕
出版者
独立行政法人国立国際医療研究センター
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

IL28B遺伝子の転写蛋白インターフェロンλ3 (IFN-λ3)の測定法を新規開発し、患者末梢血単核球をex vivo刺激で得られた上清や血清のIFN-λ3が良好なPeg-IFN/RBV併用療法効果予測が可能で本法の臨床的有用性を証明した。また、BDCA3陽性樹状細胞はC型肝炎ウイルスを認識し、toll-like receptor 3を介してIFN-λ3を産生することを示した。