著者
澤 繁実 伊藤 秀昭 中村 清彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.341, pp.39-44, 2005-10-10

環境から受け取った利得を主観的にどう評価するかの価値関数について研究したプロスペクト理論(Daniel Kahneman and Amos Tversky, 1979)[1]がある.本研究はこのプロスペクト理論の価値関数がヒトにおいてどのように獲得されたかを考察した.「環境における生き残りやすさ」という概念を導入した生存競争によってプロスペクト理論の価値関数の進化心理学的合理性を説明する.そのモデルを構築して数学的解析を行い, プロスペクト理論で示されるように価値関数がgainsの領域では上に凸となり, lossesの領域では下に凸となる条件を見出した.また, Daniel Kahneman and Amos Tversky (1992)[3]が求めたパラメーターに対して当モデルを適用し, ヒトの意志決定に関していくつかの新しい知見を得た.
著者
久木原 健介 和久屋 寛 伊藤 秀昭 福本 尚生 古川 達也
出版者
一般社団法人 産業応用工学会
雑誌
産業応用工学会全国大会講演論文集 2013 (ISSN:2424211X)
巻号頁・発行日
pp.18-19, 2013 (Released:2018-04-10)
参考文献数
5

Independent component analysis (ICA) is a signal separation technique inspired by the famous psychological phenomenon called cocktail party effect. Various kinds of its applications have been undertaken by a lot of researchers so far, and an alternative method based on a layered neural network with structural pruning was tried in the preceding studies. However, how to develop such a signal separation matrix was the center of attention, so how to apply it after training was not discussed a lot. Then, from the viewpoint of adaptability to untrained signals, some computer simulations are carried out in this study. As a result, it is found experimentaly that a vocal signal separation task with the developed separation matrix is accomplished successfully as we have intended in advance.
著者
高橋 大樹 伊藤 秀昭 澤 繁美 中村 清彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.658, pp.25-30, 2006-03-16
参考文献数
7

機械学習の一つである強化学習は条件付けのモデルとして提案された計算モデルである。中脳のドーパミン細胞活動が強化学習における時間差分予測誤差を表現しているという報告がされている。また、近年、確率的に報酬が与えられる場合、不確実さを表すドーパミン細胞活動が示された。本研究の目的はこの不確実さの活動を計算モデルを用いて再現する事である。大脳基底核の計算モデルとして強化学習を仮定し、正の時間差分予測誤差より負の時間差分予測誤差を重視して学習を行う事で不確実さを表す活動を再現する事ができることを示す。また、このモデルが人間の行動特性であるプロスペクト理論の一部をも再現できる事を示す。