著者
和久屋 寛 石隈 敬浩
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌. C, 電子・情報・システム部門誌 = The transactions of the Institute of Electrical Engineers of Japan. C, A publication of Electronics, Information and System Society (ISSN:03854221)
巻号頁・発行日
vol.130, no.5, pp.882-888, 2010-05-01
参考文献数
17
被引用文献数
1 2

A major feature of the self-organizing map (SOM) is a topology-preserving projection from the input layer to the competitive layer, and it has been used mainly as an analytical tool for discovering underlying rules in the given data set. Even though recent splendid progress in this area, there are few novel ideas to break such a conventional style. On the contrary, based on its distinctive nature, a new method for generating patterns through backward projection from the competitive layer to the input layer is proposed recently. Moreover, a promising technology for producing animation as a series of backward-projected patterns along with any pathways on the competitive layer is presented. Then, in order to carry out further considerations, some computer simulations with a variety of posed stick figures are tried in this paper. After training, four kinds of pathways, which correspond to different movements such as dancing, exercising and walking, are prepared. Though some of them does not contain any training samples, all of them worked well as we have intended in advance. As a result, it is found that the proposed method shows good performance and it is also confirmed its effectiveness.
著者
山下 清貴 和久屋 寛
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.101, pp.85-90, 2008-06-26
被引用文献数
3 3

ホップフィールドネットワークは,組み合わせ最適化問題の解探索法としての有効性が知られているが,必ずしも最適解が求まるわけではない.近年,その対策法として仮想磁場漸弱法が提案されており,先行研究によれば,仮想的な磁場パラメータを導入し,その極性反転によって正答率が改善するという報告がある.そこで本研究では,ネットワークの振る舞いを状態遷移の可視化表現とエネルギー関数の形状に着目して観察することにより,その動作メカニズムについて検討した.その結果,仮想磁場パラメータにはニューロン出力の切り替わる臨界値が存在し,仮想磁場パラメータの極性反転による正答率の改善は,この臨界値を超えることでニューロン発火の容易さを制御したためであることを明らかにした.
著者
成松 美枝 和久屋 寛
出版者
佐賀大学教育学部
雑誌
佐賀大学教育学部研究論文集 (ISSN:24322644)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.43-61, 2022-02

本論文では,佐賀県内の公立学校でICT を活用した教育の方法がどのように導入され,発展してきたのかを明らかにすることを課題とした。佐賀県では県教育委員会により,2011年度から佐賀県ICT 利活用教育推進事業を開始したが,2015年度までの5年間に約42億円を投じて県立学校の全教室に電子黒板を設置し,全生徒に1人1台の学習用パソコンを配備した。ICT 活用の目的は,情報化・グローバル化への対応だけでなく児童・生徒の学力テスト結果の向上と,災害時と感染症流行時の遠隔授業による家庭学習を支援するための手段とすることであった。また,2017年度からは全市町立学校でも事業を拡大し,2021年度には全市町立学校で全教室での電子黒板設置と1人1台学習用パソコンの配備が実現した。ICT を活用の利点としては,実証研究校である致遠館中学校と高等学校の授業に見られるように,①電子黒板で映像を効果的に提示することで生徒の学習意欲・関心を高めること,②生徒が学習用パソコンから自分の意見や回答を送信し,電子黒板で共有することで「他者との学びあい」が強化できる,③生徒が学習用パソコンで作成したワークシート等を教員が管理し,全体で共有できることである。しかし,今後の課題として,佐賀県児童生徒の全国学力調査のテストの得点は全国平均値を下回ること,学習用パソコンの充電不備や故障トラブル,教員の研修時間の確保の困難が指摘された。
著者
久木原 健介 和久屋 寛 伊藤 秀昭 福本 尚生 古川 達也
出版者
一般社団法人 産業応用工学会
雑誌
産業応用工学会全国大会講演論文集 2013 (ISSN:2424211X)
巻号頁・発行日
pp.18-19, 2013 (Released:2018-04-10)
参考文献数
5

Independent component analysis (ICA) is a signal separation technique inspired by the famous psychological phenomenon called cocktail party effect. Various kinds of its applications have been undertaken by a lot of researchers so far, and an alternative method based on a layered neural network with structural pruning was tried in the preceding studies. However, how to develop such a signal separation matrix was the center of attention, so how to apply it after training was not discussed a lot. Then, from the viewpoint of adaptability to untrained signals, some computer simulations are carried out in this study. As a result, it is found experimentaly that a vocal signal separation task with the developed separation matrix is accomplished successfully as we have intended in advance.
著者
和久屋 寛
出版者
佐賀大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

一種の信号変換ツールとみなすことで、様々な分野で自己組織化マップ(SOM)が利用されている。ここでは、シーズ重視の立場から、(1)新しいアーキテクチャの構築、(2)新しい信号処理技術の開発、(3)工学的な応用に取り組んだ。その結果、時系列信号処理や部分データへの対応、発散式学習などの技術を生み出し、オンライン手書き文字認識、アニメーション作成、観光情報解析ツール、携帯情報端末への実装などの研究成果を得た。
著者
和久屋 寛 Zurada Jacek M.
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.684, pp.109-116, 2000-03-13
被引用文献数
3

これまでの時系列予測に関する研究は、その大部分が神経回路モデルの構造や学習アルゴリズムに注目したものである。これらは、主として"一方向型"計算様式あるいはそれを改良したものが中心であるが、本稿では、これらとは異なる視点から未来-過去情報の統合作用を利用する"双方向型"計算様式を提案し、実際の課題への適用を試みる。ここで提案する双方向型モデルでは、未来予測系と過去予測系の結合効果によって時系列予測の精度向上が期待でき、従来の一方向型モデルよりも良好な予測結果が得られると考えられる。標準的なベンチマークテストとしてよく用いられる太陽黒点数の予測課題に応用したところ、実際に提案手法が有効であることを確認できた。