著者
伊藤 芳久 須川 晃資 小菅 康弘
出版者
日本大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2015-04-01

Prostaglandin E2 (PGE2)は、様々な生理学的プロセスにおいて重要な役割を果たす脂質メディエーターである。私達は、PGE2がPGE2受容体EP2サブタイプの活性化を介して、マウス運動ニューロン由来で未分化のNSC-34細胞の神経突起伸長を促進し、細胞増殖を抑制することを見出した。また、ALS発症直後のモデルマウスの運動ニューロンではEP2発現が増加すること、ニューロン様に分化したNSC-34細胞のEP2発現はPGE2処置により上昇することを明らかにし、運動ニューロンにおけるPGE2誘発性のEP2発現増加がALSにおけるニューロン変性に関与することを示した。
著者
小野 真一 伊藤 芳久 石毛 久美子 井口 法男 小菅 康弘 浅見 覚 泉澤 恵 小林 弘子 林 宏行 鈴木 孝 岸川 幸生 畑 春実 小瀬 英司 田畑 恵市
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.137, no.11, pp.1419-1423, 2017-11-01 (Released:2017-11-01)
参考文献数
16
被引用文献数
1 1

It has been recommended that active learning methods, such as team-based learning (TBL) and problem-based learning (PBL), be introduced into university classes by the Central Council for Education. As such, for the past 3 years, we have implemented TBL in a medical therapeutics course for 4-year students. Based upon our experience, TBL is characterized as follows: TBL needs fewer teachers than PBL to conduct a TBL module. TBL enables both students and teachers to recognize and confirm the learning results from preparation and reviewing. TBL grows students' responsibility for themselves and their teams, and likely facilitates learning activities through peer assessment.
著者
今泉 和則 原 英彰 伊藤 芳久 田熊 一敞 布村 明彦
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.130, no.6, pp.477-482, 2007 (Released:2007-12-14)
参考文献数
15
被引用文献数
1 1

アルツハイマー病,パーキンソン病を代表とする神経変性疾患は,進行性の神経細胞死という解剖学的所見を共通の特徴とする疾患であるが,その発症原因は不明であり,充分に有効な治療法・治療薬は未だ見いだされていない.また,脳虚血などの脳血管性疾患については,脳血流の低下あるいは再灌流をトリガーとして神経細胞死が惹起されることは明白であるものの,未だ著効な治療法・治療薬は明らかではない.このような背景のもと,これら神経変性疾患および脳血管性疾患に共通する「神経細胞死」という現象に関わる分子機序の解明を通して新たな治療法開発にアプローチしようという試みが,国内外ともに最近の研究の潮流となりつつある.本稿では,第80回日本薬理学会年会において開催された表題のシンポジウムでの講演より,神経変性疾患および脳血管性疾患の病態解明ならびに新規治療法の開発に大きく貢献しうる神経細胞死メカニズムの最先端研究を紹介する.