著者
中島 良 佐藤 和雄 甲斐 美香 小林 良雄
出版者
公益社団法人 低温工学・超電導学会
雑誌
低温工学 (ISSN:03892441)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.152-157, 1992-04-25 (Released:2010-02-26)
参考文献数
10

Resistance vs. temperature relations of 200 carbon resistors (Allen Bradley 100Ω, 1/8W), widely used for cryogenic temperature measurements, were investigated in the range between liquid helium temperature and 20K. Obtained data are statistically evaluated, and it is apparently shown that the difference of the carbon resistor's lot affects the resistance value at the cryogenic temperatures. Four empirical formulas for the resistance vs. temperature relation proposed by other researchers are evaluated. According to this result, the equation, logR+K/logR=A+B/T, proposed by Clement et al. has most precise fitting below 10K. The authors propose a new empirical equation by applying Clement's equation. It is found that the three undecided coefficients, A, B and K of the equation can be calculated from the resistance at 4.2K alone, thus enabling one-point calibration at liquid helium temperature. Resistance changes caused by ten times temperature cyclings from room temperature to liquid helium temperature are also measured. These are within -0.05-+0.02K, though measurments are slightly diverged by temperature cyclings.
著者
長谷川 昌美 坂元 秀樹 〓 小虹 位下 幸子 白川 貴士 大谷 香 高見 雅司 高見 毅司 石井 裕子 佐藤 和雄
出版者
日本産科婦人科学会
雑誌
日本産科婦人科學會雜誌 (ISSN:03009165)
巻号頁・発行日
vol.47, no.5, pp.479-485, 1995-05-01
参考文献数
11
被引用文献数
1

Estra-1,3,5 (10)-triene-3,17-diol (17β)-, 3-[bis(2-chloroethyl) carbamate] (Estramustine : 以下EMと略)は estrogen (E)に nitrogen mustardを結合させた抗腫瘍剤である. その効果は微小管阻害作用によるものとされ, Eの抗androgen作用と相乗させることで前立腺癌の経口抗癌剤として現在使用されている. 我々はこの抗癌剤の構造骨格である Eに着目し, この製剤がE受容体(ER)をもつ腫瘍に対するミサイル療法剤となる可能性を検討した. ヒト子宮体癌細胞株Ishikawaならびに当科で分離樹立した E非依存性の亜株 EIIL (Estrogen Independent Ishikawa Line)に対し in vitroにおけるEMの効果を検討した.その結果, (1) EMは濃度依存性にIshikawaおよびEIILの増殖を抑制したが,そのID50はIshikawaでは12μM, EIILでは65μMであった. (2) EMの培養系への添加は腫瘍細胞の剥離とDNAの断裂を起こしたが, この断裂は90 base pairの整数倍であった. (3) EM添加後にc-erbB-2, fasならびに nidogenの発現を β-actinの発現に比較して検討した. Ishikawaの c-erbB-2の発現は対照群で0.98±0.12 (X^^-±SD, n=3), EM群で1.02±0.23, EIILではそれぞれが0.99±0.34, 0.95±0.43. fasはIshikawaの対照群で0.89±0.20, EM群では 0, EIILでは対照群1.13±0.54, EM 群で1.35±0.78とIshikawaにおいてのみ有意 (p<0.01)のfas発現抑制がみられた. nidogenの発現は Ishikawaの対照群で0.88±0.22, EM群では0.21±0.10でEM群で発現の低下(p<0.05)が観察された. 一方EIILでは対照群1.30±0.43, EM群1.11±0.87と両者には有意の変化がみられなかった. 以上の結果より EMには体癌株の増殖抑制効果があることが確認された. この抑制は ERの有無により効果が変わるとともに, fas, nidogen発現の抑制を伴うことが明らかとなった.
著者
山崎 峰夫 森川 肇 望月 眞人 佐藤 和雄 矢内原 巧 齋藤 良治 平川 舜 蒲田 忠明
出版者
日本産科婦人科学会
雑誌
日本産科婦人科學會雜誌 (ISSN:03009165)
巻号頁・発行日
vol.54, no.7, pp.925-934, 2002-07-01
参考文献数
14

日本人について妊娠末期のBishop scoreと妊娠・分娩経過との関係を初産・経産別に明らかにする共同調査を行った.妊娠期間,分娩所要時間,分娩様式,羊水混濁の有無,新生児アプガースコアに関し,第1報(日産婦誌2000;52:613-622)では実際の統計量成績を,また第2報(日産婦誌2001;53:1809-1818)では,それらと妊娠末期のBishops coreとの間の強い相関性を報告した.そこで,今回はこれらの事象が妊娠末期のBishop scoreにより予測しうるかを検討した.妊娠37~39週におけるBishop scoreの点数別の該当妊婦ののべ人数と受診後1週以内の分娩例数を集計した.また,妊娠37,38あるいは39週のBishop scoreの点数別に41週0日以降の分娩,分娩所要時間延長(初産婦24時間以上,経産婦12時間以上),手術分娩(吸引分娩,鉗子分娩あるいは緊急帝王切開),羊水混濁および低アプガースコア(出生後1分のアプガースコアが7点以下)の症例数を調べた.次いで,各事象を予測するための基準となるBishop scoreを1点から8点の8通りそれぞれにつき感度と特異度を算出し,ROC曲線により予測に最適なBishop score値(main Bishop score値)を求めた.なお,main Bishop score値の予測への有用性はこれを境とした二群間で各事象の頻度に有意差がある場合とした.初産婦・経産婦とも1週間以内に分娩となる頻度は50%を超えるのは妊娠37~39週のBishop scoreが6点以上のときであったが,感度を考慮すると初産婦では4点以上,経産婦では5点以上のとき予測上の有用性があった.他の各事象を予測するのに有用なBishop scoreは,i)41週以降の分娩:初産婦,経産婦とも妊娠37週3点以下,38週3点以下,39週5点以下,髄)分娩所要時間延長:初産婦では妊娠37週2点以下,38週2点以下,39週4点以下,経産婦では妊娠37週2点以下,妊娠38週1点以下,iii)羊水混濁:初産婦では妊娠37週2点以下,38週1点以下,39週2点以下,経産婦ではいずれの週数でも3点以下であった.なお,手術分娩と低アプガースコアについては,初産婦,経産婦ともBishop scoreによる予測は困難と思われた.以上の成績より,一週間以内の分娩,妊娠期間延長,分娩所要時間延長,羊水混濁を予測するうえで妊娠37~39週のBishop scoreが有用であることが窺われた.