著者
小西 有美子 佐藤 寿晃 佐藤 孝史 長沼 誠 鈴木 克彦 成田 亜矢 藤井 浩美 橋爪 和足 内藤 輝
出版者
コ・メディカル形態機能学会
雑誌
形態・機能 (ISSN:13477145)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.65-69, 2011 (Released:2015-11-18)
参考文献数
15

健常男性8名(20-45歳)の右上肢を対象に、肘屈曲角度による前腕回外力の変化について調べた。被験者は、肩外転90°、屈伸0°、内外旋0°、前腕中間位にして上腕と前腕を台の上に載せ、肘を伸展位(0°)から10°毎に130°まで屈曲した状態で、等尺性収縮による最大の回外を行い、その回外力を計測した。回外力は、伸展位で3.9±1.2(平均±標準偏差)kg、10°位で4.5±1.2 kg、20°位で5.1±1.1 kg、30°位で6.2±1.1 kg、40°位で6.8±0.9 kg、50°位で7.7±1.1 kg、60°位で8.5±1.2 kg、70°位で8.3±1.4 kg、80°位で7.7±1.3 kg、90°位で7.3±0.9 kg、100°位で6.5±1.6 kg、110°位で6.0±1.7 kg、120°位で5.4±1.5 kg、130°位で4.8±1.2 kgとなった。回外力は伸展位から60°位までの屈曲で増加、70位°以上の屈曲では減少すること、肘の屈曲角度により回外力は2倍以上変化することが示された。この要因として、肘屈曲に伴う上腕二頭筋の筋線維の長さの変化や停止腱の角度の変化が考えられた。
著者
小林 尚 佐藤 孝史 菊川 浩史 小林 政人 金子 聡
出版者
科学・技術研究会
雑誌
科学・技術研究 (ISSN:21864942)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.139-146, 2021 (Released:2022-01-14)
被引用文献数
1

ヒスタミンは、主に赤身魚において、不適切な管理が行われた結果、ヒスタミン生成菌が生成するヒスチジン脱炭酸酵素により、遊離ヒスチジンから生成される食中毒の原因物質である。本研究では、市販の魚介類について、魚介類中のヒスタミンおよび遊離ヒスチジン含量を調べるためのモデル試料を調製し、それぞれ5 ℃、10 ℃または25 ℃の温度で、1日、2日、4日または7日間保存する保存試験を行った後、各モデル試料中のヒスタミン含量と遊離ヒスチジン含量を分析した。その結果から、生成したヒスタミン量と遊離ヒスチジン量の変化について研究を行った。保存試験の結果、赤身魚の他、白身魚やその他魚介類において、ヒスタミンの生成と遊離ヒスチジン量の減少が確認された。また保存後に生成されたヒスタミン量は、遊離ヒスチジン量に近い量であることが確認され、保存試験におけるヒスタミン量と遊離ヒスチジン量の変化に相関性が確認された。このことから、魚介類の遊離ヒスチジン量を調べることで、その魚介類を保存した時に生成されるヒスタミンの最大量を予測することができると考えられた。